アンナさんを救う会

ウズベキスタンの1型糖尿病患者さん、アンナさんの支援活動をしています。   アンナさんを救う会について
2010年03月
ご支援下さった方々、ありがとうございました

2010年3月9日、アンナがモスクワの病院で亡くなりました。
3月23日の、32歳の誕生日を目前にして。

4年前、ウズベキスタンより進んだ良い治療を!と、アンナの両親はロシアへ移住し、市民権も得ました。
アンナはモスクワへ移住した直後は、現地で医療事務の仕事に就き、生活していると聞いていたのですが、それもたった1年程。 その後は年々、体調が悪化していたそうです。

昨年11月、アンナが「私の甥っ子」と言ってくれている、私の息子の誕生日に、たくさんのプレゼントと手紙を送ってくれました。
そのお礼の電話をした時、電話に出たロシア語しかできないアンナのママに、アンナは?と尋ねると「hospital」と言われました。
後から聞いたところ、その電話の前日、それまで体調が悪かったアンナが自宅で倒れ、救急車で病院に運ばれたとのこと。

腎臓が全く機能しなくなっており、体に毒素が回ってしまった結果のようです。
日本であればすぐに人工透析を始めるのでしょうが、アンナやアンナの家族は「ロシアの血液は病気に汚染されている可能性が高い」と拒否。
すぐにでも腎臓と膵臓の移植を、ドナーを待っているとのことでした。
しかし、そんなすぐに2つの臓器が移植できるわけがありません。

数日後から透析を始めた、始めたら調子が少し良くなってベッドから起きられるようになった、と、12月上旬、アンナから電話が入りました。
「病院からなので、そんなに長くは話せない」
と、ほんの5分程の会話でしたが、それが私とアンナの最後のコンタクトとなってしまいました。

アンナの両親は英語も話せないので、アンナの状態はフランスに住んでいるお姉さんから、メールで聞いていました。
ここ最近は特に連絡もなく「便りがないのは元気な証拠」と勝手に思い込んでいましたが・・・

3月3日、腎臓移植の最初のステップとして、アンナの胆嚢を取り除く手術があったとのこと。
しかし、その後、肺炎を起こしていた彼女の肺の機能が悪化し、、、残念な結果となってしまいました。
もうアンナの体は、限界だったのかもしれません。

アンナの両親は、アンナの医療費の為に、働きづくめでした。
アンナが息を引き取った時、誰にも看取られなかったそうです。アンナの両親は仕事中でした。
アンナにかかる莫大な医療費の為、アンナのママも数日に1回のお見舞いしかままならなかったとのことでした。

「アンナさんを救う会」では、今回の入院・手術費用も今までの皆様から頂戴した募金を少しでも足しに、と送金していました。
しかしながら、今回、アンナの両親から、その頂戴したお金を、アンナの莫大な葬儀費用に使わせてもらっても良いか?との打診がありました。
ロシアでは未だに賄賂が蔓延っており、葬儀もその対象なのだそうです。
その為、モスクワの市内でお墓を買うことはできず、郊外の墓地を押さえた、とのことでした。
微々たるもので足りるのかわかりませんが、募金の全てを送金することにしました。

たまたま知り合った同じ1型糖尿病のアンナ、でも生まれた国が違うというだけで、なんて残酷なのでしょう。

でも、アンナと知り合ったことで、世界には私達のように、的確に治療を受けられない患者がたくさんいることを知りました。
これからも、アンナと同じように苦しんでいる世界の患者さんを支援できるよう、私達も出来得る限りのことをして行きたいと考えています。

今はただただ、アンナが苦痛から解放され、安らかな眠りについていることを願うばかりです。

今までアンナ、及び「アンナさんを救う会」をご支援下さった方々、本当にありがとうございました。

原田千裕
  「アンナさんを救う会」について
私たちはアンナさんの日本での治療のためにかかる費用の募金をつのっています。ウズベキスタンのアンナさんを助けてください。
  「アンナさんを救う会」
賛同人
高山俊吉(弁護士)
本尾 良(非核・みらいをともに)
岩井健作(牧師)
大島静子(女性の人権 カマラード)
山田 真(小児科医・八王子中央診療所理事長)
村山盛忠(牧師)
藤田 進(東京外語大学教授)
下津浦未博(渋川中央病院医師)
清水直子(蕨市議会議員)
練木繁夫(アメリカ合衆国インディアナ大学教授)
共同代表
原田千裕・星山京子
問合先
東京都新宿区西早稲田2-3-18
キリスト教事業所連帯合同労組気付
電話/ファックス 03-3207-1273
E-mail

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