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2006年02月07日

子供の運動はテレビゲームで 米国の公立学校に導入

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 コナミのテレビゲーム「ダンスダンスレボリューション」(DDR)が、米国のウェストバージニア州の765の公立学校に導入されることになった。同州では子供の肥満予防への取り組みが最優先課題の一つとされ、同州の労働者保険局は「ビデオゲームを利用して、座りっぱなしの子供を楽しく運動させることができる」と公表している。

 米国では肥満が国民病といわれるほど増えているが、米国のウェストバージニア州は特に肥満者の比率が高い。米厚労省の調査によると成人の64%が肥満か過体重で、高校生の29%が過体重かそのリスクが高いという。肥満にかかわりの深い糖尿病や高血圧症の有病率も全米平均より高く、心血管疾患の死亡率もトップクラス。

 子供のうちから運動の習慣をつけさせることが、州全体の肥満予防につながる。そこで労働者保険局は昨春から一部の学校で、肥満のある7歳から12歳の子供を対象にDDRを使って運動してもらい、肥満への影響を調べる試験を同州立大の協力により行った。その結果、子供はテレビゲームであれば楽しく運動を続けることができ、家庭でできるのも有利なことが分かったという。

 計画では同州の103の中学校に導入し、2年間ですべての公立学校に広げる予定。肥満に対する効果についての調査も行う。総予算約50万ドルは、民間健康保険会社や州保険機構などの寄付により賄うという。肥満により引き起こされる病気が減れば、保険給付が減って保険会社なども利益を得ることができる

 ダンスダンスレボリューションは1998年に発売されたテレビゲーム。専用マットを踏み音楽や画面に現れる指示通りにステップを踏み得点を競う。ゲームセンターで人気を集めた後に家庭用も発売され、米国では300万本以上が売れたという。

ウェストバージニア州労働者保険局のリリース(英文)
ウェストバージニア州民健康調査(米国厚生省疾病管理・予防センター)(英文)

関連情報
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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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