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2006年05月03日

清涼飲料水は子供の肥満につながる 米小中学校で販売停止へ

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 米国飲料協会(ABA)は子供の肥満増加の対策として、公立小中学校でコーラなどのエネルギー量、炭水化物、脂質の多い清涼飲料水の発売を全面的に停止すると、ヘルサージェネレーション連盟と共同で発表した

 ABAにはコカ・コーラ、ペプシコなど清涼飲料大手が加盟し、学校での飲料売り上げの87%を占めている。米国では子供の肥満が増えており、学校の自動販売機や食堂で、子供が清涼飲料を簡単に買えることが一因とされていた。

 2008年の新学期から全米の75%の学校で販売をやめ、翌年の夏休み後の新学期から全面停止する。炭酸飲料などの販売を禁止するほか、ミネラルウォーターや果汁100%ジュース、低脂肪の乳飲料のみを許可する。低エネルギーのダイエットコーラなどは高校から販売を許可する。

 また、果汁100%ジュースもたくさん飲めばエネルギー量の撮り過ぎになるので、小学校では225mL、中学で285mL、高校で340mLといったように、摂取量の上限を設ける。

 米国では子供の肥満が増えており、将来に2型糖尿病などの増加につながると社会問題になっている。米国厚生省疾病管理・予防センター(CDC)の発表によると、BMI(ボティーマスインデックス)値が30以上の肥満の子供の割合は16%(1999〜2002年調査)に上り、1988〜94年(11%)から5ポイント増加した。米国の20歳未満の子供や若者の糖尿病有病者数は17万6,500人に上り、有病率は0.22%。

詳細は米国飲料協会のサイトへ(プレスリリース/英文)


ヘルサージェネレーション連盟

 米国で小児の肥満が増えており、糖尿病などの生活習慣病の発症増加につながると懸念されていることを受け、2005年5月にクリントン前大統領が理事長を務めるクリントン財団と米国心臓協会(AHA)により設立された。
 子供の肥満症を予防し、より健康なライフスタイルを身に付けてもらうため、専門家による健康指導や、学校で売られる飲食物を肥満予防の観点から低エネルギーで栄養素のバランスのよいものに変更すること、学校の学習活動の内外での栄養学や体育教育を促進することなどを基本活動とする。
www.healthiergeneration.org

参考になるページ
清涼飲料水などに含まれる果糖がインスリン抵抗性を促進する
子供と若者のためのBMIについての解説(CDC/英文)

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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