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2007年04月27日

欧州の成人の半分が太りすぎ 糖尿病や高血圧も深刻

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ヨーロッパで肥満が増加
 欧州議会で報告された医療報告書によると、欧州の肥満者の数は300万人以上で、成人人口のおよそ半分が過体重、うち20%から30%は肥満だという。さらに、太り過ぎの子供が1,400万人いる。

 報告書では、肥満はいまや「ヨーロッパの疫病」であり、食事の栄養についての知識普及と教育、運動の奨励が必要であり、子供には学校で栄養バランスの良い給食を与え運動させる必要があるとしている。

  • 欧州の多くの地域でBMI(肥満指数)が30以上の肥満が増えている。男性の27%、女性の38%が肥満者だという報告がある。
  • 子供の肥満も深刻。太り過ぎの子供の数は年間40万人ずつ増えている。
  • 肥満は心筋梗塞、脳卒中、2型糖尿病、高血圧症の発症リスクを高める。
  • 肥満増加の原因は、栄養バランスの悪い食事や、運動量の不足。
  • 欧州の医療費の7%が肥満と関連する病気のために費やされると推計される。
 肥満対策として有効なのは、子供のうちから学校教育として肥満予防の必要を教え、給食を改善し、運動をさせることだという。
食品の栄養表示を統一
 さらに議会では食品の栄養表示を強化することが支持された。食品のラベルにコレステロール、脂肪、カルシウム、食物繊維などについて表示し、「肥満になりにくい」などといった健康を促進する効能表示を貼ることが有効だ。そうした表示が、糖分や塩分、脂肪の摂り過ぎを防ぐことにつながる。

 現在、欧州で統一した食品の栄養表示が欧州食品安全機関(EFSA)により進められており、早ければ今年中に導入される。

 高血圧の増加も深刻だ。今後20年間に高血圧患者の増加により、世界のおよそ10億人に心疾患の発症につながる深刻な影響が現れ、700万人が亡くなると警告する医療報告書が、4月に欧州議会で報告された。

 報告書では、血圧コントロールが不良の高血圧患者が60%増加すると推測し、心筋梗塞などの増加につながるおそれがあると指摘している。政府や地域の医療政策担当者が、より効果的な治療のできる医療体制をつくり、高血圧を適切に治療することが必要だとしている。

●詳しくは欧州議会のサイトへ(プレスリリース)
 End "stigma" of obesity say MEPs(英文)
 Obesity: report suggests ways to tackle rise in EU(英文)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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