ニュース

2008年10月10日

ヒトGLP-1アナログ「リラグルチド」の第3相臨床試験の結果

 デンマークのノボ ノルディスク社は、ヒトGLP-1アナログ「リラグルチド」の52週間の第3相試験(LEAD3)の結果が、医学誌「The Lancet」に掲載されたと発表した。
 「リラグルチド」単独の治療では、グリメピリド(SU薬)による治療に比べ、早期の2型糖尿病患者の血糖コントロールを有意に改善し、有効性が持続することを確かめたという。

 リラグルチドはヒトGLP-1アナログ製剤で、血糖値が高い場合にのみインスリン分泌作用がはたらき、低血糖の発現リスクが低くなるという特徴がある。また食欲抑制作用があり、リラグルチドによる治療では体重減少が報告されている。

 試験では血糖コントロールの改善に加え、リラグルチドによる治療を52週間続けた後は、体重減少、収縮期血圧の低下がみられ、これら指標と低血糖の発現率は対照群より低いことが示された。

 食事・運動療法のみを行っていた患者で、リラグルチドの1.8mg投与を始めた群では、62%が米国糖尿病学会の血糖コントロールの目標値であるHbA1C7%未満を達成し、52週の試験期間に血糖コントロールが維持されたという。

 リラグルチド投与による体重減少は、1.2mg投与群で平均2.05±4.40kg 、1.8mg投与群で平均2.45±4.37kgだった。一方、グリメピリド(SU薬)投与群では1.12±4.24kg増加した。

 試験中に重大な低血糖の発現がまったくみられず、軽度の低血糖はリラグルチド投与両群で、グリメピリド投与群と比べ低かった。リラグルチド投与群でもっとも頻度が高い消化器系の有害事象は悪心、下痢、嘔吐で、ほとんどは一過性だった。他には流感様症状などが報告された。

 ノボ ノルディスクは米国と欧州では5月に、日本では7月にリラグルチドの承認申請を提出した

このページの記事はノボ ノルディスク ファーマが9月30日付で発表したプレスリリースを元にしています。

ノボ ノルディスク ファーマ(株)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲