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食後高血糖はグリセミック指数(GI)で対策
2008年05月01日
 食前の血糖値が正常であって、食後1時間から2時間の血糖値が高いと、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性の疾患の発症が増えることが分かってきた。食後高血糖を防ぐために、食事では何に気を付けると良いのだろう。
食後高血糖はなぜ起こる
 ご飯やパンなどの炭水化物を食べると、体内で消化吸収される過程で多くはブドウ糖に変えられ、筋肉の収縮などのエネルギー源になる。余分なブドウ糖はインスリンのはたらきで肝臓や筋肉組織などでグリコーゲンに変換されいったん貯蓄される。からだを動かすなどしてエネルギーを消費するときは、グリコーゲンを分解しふたたびブドウ糖を作りだし、血液中に供給する。

食品のグリセミック指数(GI)値
100ブドウ糖
80-89フランスパン、ベークドポテト
70-79精白粉で作ったパン(食パン)、マッシュポテト、ポップコーン、スイカ、ニンジン、カボチャ
60-69炊いたご飯(白米)、全粒粉で作ったパン、レーズン、アイスクリーム、チョコレートバー、砂糖(蔗糖)
50-59玄米、ゆでたスパゲッティ、ゆでたポテト、バナナ
40-49ライ麦パン、ゆでたスパゲッティ(全粒粉)、オレンジ、ぶどう、オレンジジュース、グループフルーツジュース、アップルジュース
30-39ヨーグルト飲料(加糖)、りんご、なし
20-29牛乳(脂肪分3%)、ヨーグルト(無糖)
10-19ピーナッツ

ご飯(白米)と食品の組合せたときのGI値の変化
GI値は加工方法、食品の組合せ、咀嚼回数などで変化する。
+低脂肪乳 69
+インスタント味噌汁 61
+無糖ヨーグルト(ご飯より先に食べたとき) 59
+ご飯(白米)と納豆 56

「Glycemic Index」(シドニー大学)資料を参考に作成
glycemicindex.com

 GIは1980年代にカナダやオーストラリアの研究者から提唱され、主に白人において研究が進められた。人種、個人、体調などの影響が大きく、いっしょに食べる炭水化物以外の栄養素の量にも左右される。日本では2002年に「日本Glycemic Index研究会」が発足し、日本人を対象とした研究が進められている。

 糖代謝の異常が進行すると、膵臓からのインスリンの分泌が不足したり、血糖値上昇に対する反応が鈍くなり分泌のタイミングが遅れ、血糖値が高くなる。肥満、運動不足、高脂肪食、ストレスなどが原因でインスリン自体の効きが悪くなっていることも多い。
食後高血糖を改善するために
 食後高血糖の改善で効果的なのは、やはり食事と運動だ。食事では少し工夫することで、血糖値が上がるのを抑えやすくなる。

 食事の初めに野菜など消化吸収の遅い食品を選び、よく噛んで食べる、食品は食物繊維の多いものを選ぶ、グリセミック指数(GI)の低い食品を選ぶといった工夫が役立つ。

 このうちグリセミック指数(GI)は、ブドウ糖を摂取した後の血糖上昇率を100として、それを基準に、同量摂取したときの食品ごとの血糖上昇率をパーセントで表した数値。日本語で「食後血糖上昇指数」と訳されることもある。GI値が高いほど食後の血糖値を上げやすく、低いほど上げにくくなる。

 GIは食品の食物繊維の含有比率、調理や加工方法、組合せ、咀嚼回数などで変わる。ごはんやパンでは、精白されたものよりも全粒穀物が入っていた方が、GI値が低くなり吸収が遅くなる。

 全粒穀物は、加工度の低い、自然のままに近い穀物のこと。米、小麦、トウモロコシや、キビ、アワ、ヒエ、ソバなどがある。全粒穀物は食物繊維が豊富で、ビタミンやミネラルなどの栄養素も精白されたものに比べ多く含まれる。

牛乳をいっしょに飲むとGI値は低くなる
 オーストラリアのシドニー大学では、GI値55以下の食品を低GI食品と定めている。低GIで食事で利用しやすく、栄養価も優れた代表的な食品がある。それが牛乳だ\\\

 牛乳や乳製品のGI値は20から29ぐらいで、GIに1食当たりの炭水化物の量をかけたGL(グリセミック・ロード)という指標でも低い数値が出ている。

 ご飯に牛乳を組み合わせたときのGI値を検討した研究で、牛乳をご飯を食べる前に飲んだ場合、食べながら飲んだ場合、食べた後で飲んだ場合を比較した。血糖値の上がり方を示す曲線のかたちに違いがみられたが、いずれもご飯だけを食べた場合と比べ、GI値は低下した。

 牛乳や乳製品には蛋白質、脂質、炭水化物、カルシウム、ミネラルなどが含まれる。骨粗鬆症の予防、筋力増大、肥満予防と適正体重の維持といった効果も報告されている。糖尿病の食事療法では、1日180mL(120kcal、カルシウム量は200mg)を飲むことが勧められている。

 なお、食品はいったん食べてしまうと、GI値が高かろうが低かろうが最終的にからだに吸収され、エネルギー量は変わらない。食べすぎれば太るし、エネルギー摂取が多すぎると血糖値は上がる。低GIであれば、「いくら食べても大丈夫」というわけではないので、ご注意を。運動療法も行っている人は、食後1時間から2時間にウォーキングなどの運動をすると、食後高血糖の改善に効果的。

 食事や運動で十分な効果を得られない場合は、薬物療法を行う必要が出てくる。食後高血糖のコントロールに有効な薬はこの10年で格段に増えた。
 糖尿病の薬物療法について、下記ページで詳しく解説している。
  糖尿病セミナー
    9. 薬物療法(経口剤)
    5. インスリン療法(2型糖尿病)

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牛乳百科事典((社)日本酪農乳業協会)
(寺畑)
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