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トランス脂肪酸の表示ガイドライン 今夏までに策定 消費者庁
2010年03月12日

 マーガリンやショートニングなど加工油脂に含まれる「トランス脂肪酸」について、消費者庁は食品会社などが含有量を容器などに表示する際のガイドラインを今年夏までにまとめ、容器表示やホームページを通じた情報開示を求めると発表した。

 ガイドラインでは、トランス脂肪酸の定義や分析法、認められる誤差などのルールや、飽和脂肪酸、コレステロールの表示ルールなどを整理した上で、使用量制限や、自主的な情報開示の取り組みを業者に促す方針。

トランス脂肪酸はなぜ悪い

 トランス脂肪酸は、油脂類に含まれる脂肪酸の二重結合の一部がトランス型になったものをいう。
 牛乳、チーズ、バター、アイスクリームなどの乳製品の脂肪に含まれるほか、マーガリンやショートニングにも含まれる。
 普通の植物油では脂肪酸部分はシス型と呼ばれる結合をしているが、水素を添加したり高温で加熱すると、その過程でトランス型ができる。
 トランス型は構造的に不安定で、トランス脂肪酸を多く摂取すると、悪玉コレステロールといわれているLDLコレステロール(肝臓からコレステロールをからだの隅々へ運ぶ)を増やし、善玉コレステロールといわれているHDLコレステロール(血管壁に沈着したコレステロールを肝臓に持ち帰る)を減少させる働きをする。
 トランス脂肪酸を含む食品を多量とり続けた場合には、動脈硬化などによる心疾患のリスクを高めるとの報告がある。

 同庁では、昨年12月から関係省庁とともに担当課長会議を開催し、トランス脂肪酸の摂取量や健康への影響などについて検討してきた。

 その結果、トランス脂肪酸の含有量を減らす取組みをしたり、ホームページなどで情報を公開している食品会社が増えている一方で、「トランス脂肪酸の定義や分析法等の表示ルールが定まっていない」「同様に心血管系疾患リスクを高める飽和脂肪酸やコレステロールも合わせて検討する必要がある」という声もあったという。

 今後の検討事項して、「健康への影響などに関する情報収集」「食品企業などの取組状況の情報収集」「トランス脂肪酸についての情報を消費者にわかりやすく提供する方法」を挙げている。

海外ではトランス脂肪酸表示を義務化
 トランス脂肪酸については、世界的に食品の含有量を規制する動きがある。世界保健機関(WHO)は2004年に、高血圧や脂質異常、2型糖尿病などの生活習慣病を予防し、心臓病などのリスクを減らす観点から「食事、運動と健康に関する世界戦略」をまとめた。

 米保健福祉省と農務省は「米国人のための食生活指針」を5年ごとに発表し、加工食品の栄養成分表示に関するガイドラインを示している。

 いずれも「脂肪からとるエネルギー量を抑える」「飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸をとるようにする」「トランス脂肪酸を減らす」「食塩摂取量を減らす」といったように健康的な食生活を勧め、加工食品にラベル表示をすることで消費者が食品を選びやすくするよう求めている。

 欧米ではトランス脂肪酸の摂取量が多い傾向がある。米国成人が1日にとるトランス脂肪酸の平均は5.8gという報告があり、WHOとFAO(国際連合食糧農業機関)の専門家委員会では、「1日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満」という目標を示した。米ニューヨーク市がレストランやファストフード店で使われる調理油などに含まれるトランス脂肪酸を制限するなど、成分表示の義務化や摂取量を規制する動きは世界的に広まっている。

 それに比べ、日本人1日当たりの摂取量は、食品安全委員会の調査によると、総エネルギー摂取量の1%未満と少なく、日本には表示や摂取量の規制はない。しかし、消費者庁は「脂質の多い菓子類や食品の食べすぎなどの偏った食事をしている場合は、平均値を大きく上回る摂取量となる」として、ガイドライン策定にふみきった。

健康食品の表示に関する検討会情報(消費者庁)

関連情報
健康食品の表示、消費者庁が検討会の初会合(糖尿病NET)
栄養成分表示をもっと分かりやすく [加工食品と外食](糖尿病NET)
Global Strategy on Diet, Physical Activity and Health(WHO)

[ Terahata ]

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