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2010年08月06日

夏バテ防止はまず食事から 生活リズムを整え冷房対策も



 いよいよ夏本番。夏バテも起こりやすくなる。夏バテが起こり食欲が衰えると、食事で十分な栄養がとれず、疲労がなかなか回復しない。暑い夏こそ、栄養バランスを考えた食生活をおくり、夏バテを防止したい。
夏バテ防止は、バランスのとれた食生活から
 夏バテになると、暑さの急激な変化に体がついていかず、食欲がなくなったり、好みが変化し比較的あっさりした冷たいもの、水気の多い物が欲しくなり、食欲不振が進む。

 食欲が減退しあっさりとしたものに箸をすすめ、肉や魚、野菜などが欠けると、摂取する栄養素が偏りがちになる。

 また大量の汗をかくと、水分と一緒にビタミンB1などのビタミンやミネラルなどが体外に流れ出ていく。

 献立の内容としては、淡泊な味であってもカロリーや蛋白質、ビタミン、ミネラルなどの疲労回復に必要な栄養が十分に含まれる食事を選ぶことが大切となる。夏の食事は量より質を重視し、1日3食の食事をきちんととりたい。

 ビタミンやミネラルなどの不足は空腹感や喉の渇きとは関係なく、多少不足していてもエネルギーのようにただちに補給する必要はないが、夏こそ規則正しい生活リズムを心がけ、バランスのとれた食事をとることが大切。

 ご飯やパンといった主食だけでなく、副菜として野菜や海藻などを合わせることで栄養バランスがよくなる。野菜や海藻にはミネラルが多く含まれており、大豆や豆類には蛋白質も豊富に含まれているので、積極的にとりたい。

果物の食べすぎは注意が必要
 気温の高い夏は、果物がおいしい時季。あんず、いちじく、ぶどう、栗、さくらんぼ、すいか、すだち、梨、桃など夏が旬の果物も多い。
 ただし、果物はビタミンやミネラルが豊富だが、実は炭水化物(果糖)も多く含まれる。果物に多く含まれる果糖はブドウ糖と同じ単糖類。食べすぎると糖尿病の人では血糖の上昇や中性脂肪の増加をまねく。
 果物を食べすぎないようし、食後にウォーキングに行ったり、果物のエネルギーを含め食事全体で調整を。
夏場を乗り切るコツ:夏バテの原因になりやすい冷房
 日本の夏は温度が高いだけでなく、湿度も高い。近年は冷房の効いた室内と暑い戸外の温度差が大きく体がついていかず、体温を調節する機能がうまく働かないで、体調を崩すおれそがある。疲労がたまったり、だるくなりやすく、食欲も落ちてしまう。
生活リズムの安定化
 就寝と起床時刻を一定に保ち、食事の時間も決めておくと、生活のリズムが崩れにくい。食事は朝、昼、夕にほぼ同じエネルギー量をとると、血糖コントロールも改善しやすい。
冷房に頼りすぎない
 睡眠をしっかりとることが大切だが、眠れないからといって、就寝中のクーラーのつけっぱなしにしていると、夏かぜや体調不良の原因になる。
  • クーラーで冷やす場合は、寝る前に寝室に入れる。または、就寝前にタイマーに1〜2時間のセットする。温度設定は外気温度からマイナス5度以内にするのが適当。扇風機を使うのもお勧め。
  • 布団の上に寝ござを敷いて寝るのもひとつの方法。
  • 窓にはすだれやブラインドを付けたり、朝のうちに打ち水をするなど工夫する。
  • 寝る前にストレッチなど軽い運動をすると、適度な疲労感が快い睡眠を誘う。
  • 夏は布団をこまめに干して湿気をとる。ダニなどの予防にもなる。
冷えにも注意が必要
 冷房が利いた室内に長時間いる場合は、冷えにも注意が必要。外気との温度差が大きいと体調を崩す原因になる。また、暑いからといって冷房を強くした室内にずっといると、汗をかかなくなり、代謝が衰えるおそれがある。冷えやすいときは、上着を1枚はおるなどして保温する。
水分を補給し熱中症に対策
 気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強いといった要因が重なると、熱中症を発症しやすい。脱水症状を防ぐために水分補給が重要。水やお茶などを数回に分けて少しずつとるなど、こまめに水分をとることを心がけたい。
 ただし、糖分が多い清涼飲料などは避けたい。また、ビールなどアルコール飲料は利尿作用があるので、飲んだ以上の水分が体内から出ていき、熱中症対策にならない。血糖コントロールにも悪影響が出てくるので注意が必要だ。

Summer health(National Health Service)
Nutrition and healthy eating(メイヨークリニック)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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