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2011年09月26日

朝食を毎日食べよう バランスのとれた朝食が理想的

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食事療法
 1日の生活をはじめるにあたり、朝食で必要な栄養素を摂取することが大切だが、特に若い世代では朝食の欠食が増えている。
何を朝食に食べると良いか
理想的な朝食は440kcal(1日1600kcalの人の場合)
 朝食を英語でいう「ブレックファスト」は、「空腹を破る」という意味。私たちは朝食によって、夕食以降と睡眠中に口にしていなかった食物を、数時間ぶりに口にすることになる。

 朝食を取らずに出勤すると、脳のエネルギーとなるブドウ糖が不足し、集中力が低下するおそれもある。朝食として理想的なのは、ごはんを軽く1.5杯(雑穀米にすると食物繊維やミネラル類もとれる)に具だくさんのみそ汁、ゴボウとニンジンとコンニャクのキンピラ、納豆にオクラといった栄養バランスのとれた朝食だ。

 もしも朝食の欠食が続くと、体は持続的な絶食状態にそなえるようになる。昼食や夕食を食べるときに、「次の食事がない場合にそなえて、カロリーを蓄えておこう」と、体に余分な脂肪が付きやすくなる。昼、夜に食べる量が増えるので、体重増加になりやすいという調査結果もある。

 2009年に学校児童の生活習慣を調べた調査によると、朝食を食べない子供では1週間の運動時間が短く、肥満傾向児が約2倍に増えることがわかった。

 朝食の欠食率は1999年以降、全体的に男女とも増加している(国民健康・栄養調査)。特に20代で最も高く、2005年の調査では、男性で33.1%、女性で23.5%が「朝食を食べていない」と回答した。

 1人世帯でみると、20代の欠食率が49.4%ともっとも高く、30代の41.1%が続いている。ここでいう「欠食」とは、「菓子・果物などのみ」、「サプリメントなどのみ」、「何も食べない」に該当した場合をいう。

 内閣府の「食育推進基本計画」では、朝食を欠食する国民の割合の減少を目標のひとつに掲げている。2010年度には、03年度には20代男性で30%、30歳代男性で23%であった朝食欠食率を、15%以下にすることを目標としている。

余裕がないときには果物だけでも 「朝の果物は金」のことわざ通り
 余裕がないときには果物を口にするだけでも、ずいぶん違う。「朝の果物は金」ということわざがあるが、1日の生活を始めるにあたり必要な栄養素を摂取しやすいのがその理由だ。

 全国的に果物摂取量は低下しており、特に若い女性や糖尿病患者では「果物=デザート・間食」というイメージが定着している。炭水化物(果糖)が多いことから、「甘い=血糖値が上昇する」として敬遠する人が多く、特に20〜30代で少ない傾向がみられる。実際に、果物に含まれるブドウ糖は吸収が早い。

 一方で果物には、ビタミン、食物繊維、カリウムなど、「天然のサプリメント」といえるほど、必要な栄養素がたくさん含まれる。水分や疲労回復に必要なアミノ酸や、抗酸化作用もフラボノイド類も豊富。

 栄養学の観点からは1日80kcal(150〜200g)の果物を食べることが推奨されているが、実際に摂取しているのは半分の110グラムほど。80kcalの目安は、ナシやリンゴなら1/2個、ブドウ(巨峰)は10〜15粒、ミカンは2個、バナナは中1本、キウイフルーツは小2個。

 どんな果物を食べるかは好みで選べばいいが、旬の時期にとれた果物ほど栄養が多く、また皮ごと食べたほうが各種の栄養素が豊富に含まれる。ただし、朝に比べ、特に夜に果物を食べすぎると、脂肪として蓄積されやすくなる。体重増を防ぐ観点からは、朝のほうが適しているといえそうだ。

 また、腎疾患のある人は、血液中のカリウム値が高くなりすぎると腎臓に負担がかかるおそれがある。食べ方について、かかりつけの医師や管理栄養士に確認したほうがいいだろう。

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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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