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2012年07月19日

体重を減らしたいですか? 食事記録をとるとダイエットは成功しやすい

キーワード
食事療法
 減量を目的としたダイエットのコツは、(1)1食のカロリーを気にするのではなく、食事全体のカロリーをコントロールすること、(2)食事の記録をとり、毎日食事を振り返って確認することがポイントとなる。食事スタイルと減量効果を比較した研究結果が発表された。
毎日の食事を振り返ると改善点を見つけやすくなる
 「食事で体重を減らすために必要なことは、低カロリー食や低炭水化物食といった特定の食事スタイルにこだわることよりも、食事全体のカロリーをコントロールして調整していくことです」と、フレッド・ハッチンソンがん研究センターのアン マクティアナン氏は言う。

 「食事の記録をとると、自分がどんな食事をしてきたかを振り返ることができ、食事の過不足が分かります。目標を明確化できるようになります」。

 マクティアナン氏らは、食事スタイルと減量効果を比較するランダム化比較試験を実施し、シアトルに在住している50〜75歳の閉経後女性123人を対象に調査した。全員が過体重か肥満のいずれかだった。

 体重を10%減らすことを目標に、参加者に12ヵ月間にわたり食事と運動習慣の改善に取り組んでもらった。参加者を無作為に2群に分け、一方には食事の記録をとるノートを渡した。

 その結果、食事の記録をとったグループでは、記録をとらなかったグループに比べ、体重が平均2.7kg減少した。また、昼食を外食でとらない女性は、外食でとるグループに比べ、体重が平均2.3kg減少することも分かった。

 「体重を減らしたいという人に向けた最良のアドバイスは、毎日の食事の記録をとり続けるということです。自分の食事に気配りできないと、食事内容を健康的に変えていくのは難しくなります」と、マクティアナン氏は指摘する。
完璧を目指さなくとも効果がある
 研究チームは食事記録の方法を指導するときに、次のアドバイスをした。
・ 食事の記録は、なるべく正直に(食べたものを全て書く)
・ 食事の記録は、なるべく正確に(加工食品の栄養表示まで書く)
・ 食事の記録は、なるべく完全に(調理方法やトッピング、調味料まで書く)
・ 食事の記録は、なるべく続ける(ノートやスマートフォン利用し、毎日持ち歩く)

 「研究で分かったことは、食事の記録は完璧なものを目指さなくとも効果があるということです。参加者の中には、メモ書き程度の記録で済ます人もいましたが、十分に減量することができました」と、マクティアナン氏は言う。

 研究では、摂取した食品や飲料を記録できるノートを提供したが、食事記録のために特別なものを用意する必要はない。普通のノートでも十分に役立つし、どこでもアクセスできるスマートフォンやタブレットのアプリを活用するのも有効だという。

 食事をスキップするのは、減量のために好ましくないことも分かった。「食事を抜いたり絶食することで、体が高カロリーの食品に慣れてしまう可能性があります。例えば、昼食をスキップすると、次の夕食で食べすぎてしまい、結果として総カロリーが増えてしまうおそれがあります」と説明している。

 レストランなどでの頻繁な外食も、健康的な食事を選択するのを妨げる原因になりやすい。「レストランでの食事は、家庭での食事よりもカロリーが多い傾向があり、栄養成分や調理法などがコントロールできないおそれがあります。研究でも、外食の多い人はなかなか減量に成功できないという結果になりました」と注意を促している。

Want to lose weight? Keep a food journal, don't skip meals and avoid going out to lunch, study suggests(フレッド・ハッチンソンがん研究センター 2012年7月13日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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