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2013年09月13日

中国の糖尿病は「警戒レベル」 糖尿病人口が1億人を突破

 中国人は、標準体重をわずかに超過しただけで、2型糖尿病発症の危険性が上昇することも分かった。同じ傾向は日本人でもみられる。

 「中国の糖尿病をめぐる現状は、もはや“警戒レベル”に達したといえます。国家が主導して糖尿病対策に乗り出さないと、将来に糖尿病合併症である心臓病や脳卒中、慢性腎臓病が急速に増加していきます」と、研究者は話している。

 世界保健機関(WHO)は、不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒などの原因が共通しており、生活習慣の改善により予防可能な疾患をまとめて「非感染性疾患(NCD)」と位置付けている。心血管疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患などが主なNCDだ。

 「糖尿病は多くの場合で、遺伝的な要因と食事や運動習慣などの環境的な要因が複雑に組み合わさって発症する病気です。運動不足やストレスが増え、社会が急速に豊かになり食事スタイルが変化し、結果として肥満が増えたことが大きな原因です」と、香港中文大学プリンス オブ ウェールズ病院のジュリアーナ チャン氏は話す。

 中国では30〜40歳の予備群の段階にある人の多くが、病気や予防に関する知識をもっていない。糖尿病に関する適正な情報を広めて、認知的・心理的の側面からも行動変容を促しサポートする対策が必要だとしている。

 WHO(世界保健機関)は「健康」を、ただ病気のない状態ではなく、身体的・精神的に加えて、社会的に充足した状態と定義している。それを実現するために「政府の指導や連携の体制を強化し、共同体のエンパワーメントを高め、健康増進につながる環境を整備し、自己管理を促進することが重要」としている。

Study evaluates prevalence of diabetes among adults in China(JAMA 2013年9月3日)
Prevalence and Control of Diabetes in Chinese Adults (JAMA 2013年9月4日)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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