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2013年12月25日

年末・年始の食事 失敗しないための簡単なコツ

キーワード
食事療法
 年末・年始に血糖コントロールで失敗する人が少なくない。忘年会やクリスマス、正月休みなどの年末年始の行事が続き、食事でエネルギーをとりすぎてしまうこと、お酒の飲みすぎ、寒い時季なので運動量が減ることなどが原因となる。

年末年始の食事

10分で作れる野菜料理を活用
年末年始の食事
キャベツのスープ煮

キャベツを白ワイン、塩・こしょう、コンソメで味付けしたスープで煮る。キャベツの甘みを楽しめ、食物繊維もたっぷりとれる。

年末年始の食事
ブロッコリーの酢醤油和え

ブロッコリーを熱湯でゆでて、酢醤油で和える。

年末年始の食事

年末年始の食事

 日常でちょっとしたコツを加えれば、食べすぎや飲みすぎを防ぐことができる――
年末・年始の食事で失敗しないコツ
  • 時間を決めて3食を食べる。だらだら食べ続けないようにする。

  • パーティや宴会で出される料理や外食料理は、高カロリーで脂肪と炭水化物が多いものが多く、野菜は少ない。

  • 料理は大皿でとらずに、1人分を盛り付ける。

  • 指示エネルギー量に合わせて食べ、食べすぎてしまいそうになったら残す。

  • 単品の料理をとると栄養バランスが偏りがち。メニューの品数を増やし、野菜料理を一品加える。油を使った料理を少なくする。

  • テーブルにみかんやお菓子などをなるべく置かない。
よく噛むことで食欲をコントロールできる
 よく噛むことは食欲にも影響する。「噛むという行為」により脳中の食欲に関連するホルモンの作用が刺激され、満腹感を得やすくなるという報告がある。

 昔から「食事のときは咀嚼回数を増やした方が良い」と言われてきたが、よく噛むことで、直接満腹感が高められ良好な効果が出てくることが、さまざまな研究で確かめられている。

冬の鍋料理は栄養面でも優れている
 鍋料理は豆腐、魚、肉など、いろいろな食材を使ったものがあり、味付けも多彩にある。これに野菜類を加えれば、蛋白質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよくとることができる。野菜をたっぷり入れ、きのこ、こんにゃく、昆布などを使った鍋料理を、ふうふういいながら食べるのは、寒い冬には堪えられない。

 鍋料理は短い時間で調理でき、大勢で食べても、1人や2人で食べても楽しめる。水と昆布で野菜などを煮る「常夜鍋」は、いたって簡単に作れる。小ぶりの土鍋に昆布を引き、醤油で薄味にして(あれば日本酒を加える)、ほうれん草や小松菜、白菜と、豚肉の薄切りを交互にゆでながら、ゆったりとした時間を楽しめる。

 ポン酢や小ネギ、ショウガなどの薬味を添えると、さらにおいしくなる。ゆでた野菜は生よりもたくさん食べられ、薄切りの豚肉は良質の蛋白質とビタミンBを含んでいる。

アルコール飲料と糖尿病の関係
 お酒には「適量を守れば、ストレス解消になる」「コミュニケーションをはかる上での潤滑油としての役割がある」という利点もある。しかしアルコール飲料には、糖尿病の治療や糖尿病合併症の予防上、さまざまな面で悪影響がある。飲酒についてかかりつけの医師や栄養士に相談し、できるだけ禁酒することが望ましい。

 アルコールには、体に必要な炭水化物や脂肪、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれないが、1gに約7kcalのエネルギーがある。飲酒により、脂肪の代謝が悪くなったり、中性脂肪値が高くなるおそれがある。摂取エネルギー量が増え、血糖コントロールの悪化にもつながる。

お酒を飲むときの注意点
  • 宴席や付き合いで飲むときは、ノンアルコールビール(ビールテイスト飲料)を利用する方法も
     見た目も味もビールそっくりの「ノンアルコールビール」が、各ビール会社から発売され、入手しやすくなっている。ただし、実際にはアルコールが0.1〜0.5%と微量ながら含まれている商品もあるので注意が必要。

  • 適量を守る
     ご飯1杯分(160〜200kcal)程度であれば、悪影響を最小に抑えることができる。ビールや発泡酒では中瓶1本(500ml)、日本酒では1合(180ml)、焼酎のお湯割りでは2杯(200ml)、ワインでは2杯(240ml)、ウィスキーではシングル2杯(60ml)までが無難な量。

  • 空腹で飲まない
     食べながらゆっくり飲むことで、アルコールの吸収もゆっくりになる。ただし、アルコールには食欲を増大させたり、消化能力を高める作用もあり、つまみで指示エネルギー量を超えてしまうおそれがあるので注意が必要。脂肪の少ない主菜、ビタミンやミネラルの豊富な副菜を組み合わせるのがお勧め。

  • 自分がどれだけ飲んだか把握しておく
     血中アルコール濃度が0.02%から0.04%であると爽快な気分になる。缶ビールを1本飲むとそれくらいになる。それ以上になると抑制がとれ、飲みすぎ、食べすぎにつながりやすい。「心が酔ったところで、さっと切り上げる」のがお酒に飲まれないコツ。

  • 低血糖になることがある
     血糖降下剤やインスリンで治療をしている人はアルコール飲料を飲むと、低血糖になることがあるので、特に注意が必要。

次は...「野菜はいくら食べても大丈夫」は間違い?

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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