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2014年08月13日

野菜と果物のどちらを食べれば良いのか? 英米の研究で判明

キーワード
食事療法
 「野菜と果物を毎日食べると健康に良い」と理解していても、「1日にどれだけ食べれば十分なのか」と感じる人は少なくない。「野菜と果物を比べると、どちらが良いのか?」という疑問を抱く人もいるだろう。最近の研究では、野菜と果物をとりまぜて「1日5皿以上」を食べると良いことが分かっている。
野菜と果物を食べると死亡リスクは最大で40%減少
 ロンドン大学公衆衛生・疫学部のオイノーラ オイボード氏らは、2001〜2008年までの英国健康・栄養調査の結果をもとに、6万5,226人の食習慣を調べた。

 その結果、野菜や果物を多く食べている人は、全ての年齢層で、死亡率が低いことが判明した。

 全死因による死亡率は、野菜と果物を1皿(ポーション)以下しか食べていない人に比べ、1〜3皿食べている人では14%、3〜5皿の人では29%、5〜7皿の人では42%低下した。

野菜と果物のどちらが効果的か?
 一方で、「果物は甘く、糖分が多く含まれており、血糖値を上げるので糖尿病にはよくない」というイメージがある。

 ロンドン大学の調査でも、1日に摂取する野菜の皿の数が増えるごとに、死亡率は16%減少するが、それに比べ果物の効果は低いという結果が出た。新鮮な果物を摂取した場合の死亡率の減少は4%にとどまっていた。

 「野菜の方が、より健康増進の効果は高いことが判明しました。だからといって、果物を食べても意味がないというわけではありません。いろいろ取り混ぜて食べるのが理想です」と、オイボード氏は述べている。

 果物にはビタミンや食物繊維などの栄養素が多く含まれている。1日1〜2皿(80〜160kcal)を目安に食生活に上手に取り入れると良いという。

1日5皿食べれば死亡リスクを減らせる
 ハーバード公衆衛生大学院も同様の研究を行っている。フランク フー教授ら研究チームは、米国、アジア、欧州で行われた16件の調査研究から、全83万3,234人のデータを解析した。このうち5万6,423人が心疾患やがんなどで死亡した。

 野菜や果物の摂取量と死亡リスクの関係を調べたところ、野菜や果物を食べる量が1皿増えるごとに、死亡リスクは平均で5%ずつ減っていった。

 フー教授らの研究では、野菜や果物を「1日5皿食べれば、効果を期待できる」という結果を導き出した。

 現状では、英国では野菜と果物を十分に食べている人は4人に1人に過ぎないという。米国でも、成人では平均して野菜の推奨量の6割、果物の5割しか摂取できていないという。

野菜を多く食べるための工夫
 ハーバード公衆衛生大学院は、野菜を多く食べる方法として、次のことを勧めている。

野菜をすぐに手に取れる場所に置いておき、いつでも食べられるようにする

野菜を使ったサラダや炒め物などのレシピをいくつか知っておき、いつでも料理できるようにする。

近所の野菜や果物を売っている売場を知り、野菜を入手しやすくしておく。スーパーだけでなく、八百屋などの小さな店も買い物リストに入れておくと、野菜や果物を安く手に入れやすい。

ジャガイモなどのイモ類や、そら豆などの豆類は炭水化物が多く、血糖値を上げやすいので、野菜とは区別する。サラダなどの加工食品にもジャガイモは入っている。

野菜ジュースは野菜1皿に換算できる。ただし、野菜ジュースは野菜に比べ、不溶性食物繊維が少なく、栄養成分の一部が取り除かれており、野菜を摂取したときと同等の効果が得られないので注意が必要。

次は...果物は糖分が多いので注意が必要

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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