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2014年12月16日

ドーナツなどに含まれるトランス脂肪酸 働き盛り世代の記憶力を低下

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食事療法
 ドーナツやケーキなどの菓子に含まれるトランス脂肪酸を摂り過ぎると、働き盛りの年代で記憶力が低下するおそれがある。「ふだん食べている食品にトランス脂肪酸がどれだけ含まれるかをチェックした方がよい」と専門家は注意を呼びかけている。
ドーナツやケーキを食べるときは注意が必要
 トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニング、コーヒー用クリーム、ケーキ、ドーナツ、スナック菓子、冷凍ピザ、ファストフード、焼き菓子などに含まれている。

 パンや焼き菓子の製造などでバターの代わりに使われるショートニングやマーガリンは、植物油に水素を添加して処理される際に、一部がトランス化しトランス脂肪酸が生成されることがある。

 トランス脂肪酸には、悪玉のLDLコレステロールを増やし、善玉のHDLコレステロールを減らす作用があり、脳卒中や心臓病リスクを高めるだけでなく、内臓脂肪の蓄積、高コレステロールや高中性脂肪、高血圧、高血糖(糖尿病)なども悪化させると考えられている。

 カリフォルニア大学は、「働き盛りの世代の男性がトランス脂肪酸を摂りすぎると、記憶力が低下するおそれがある」という研究結果を、米国心臓学会が主催する科学セッションで発表した。

 研究チームは、約1,000人の心臓病と診断されたことのない20歳以上の男性を対象に、食事に関するアンケートを実施した後に、単語カードを用いて記憶力のテストを行った。

 テストは、単語が記載された104枚のカードを被験者に何度か見せて、記載されている単語がはじめて出たものか、それまでに出てきた単語かを答えるという内容だった。

 血液検査で血中のトランス脂肪酸の値を調べた結果、トランス脂肪酸の摂取量が多い人は少ない人に比べ、記憶できる単語の数が減少していることが分かった。

 トランス脂肪酸の摂取量が1日に1g増えると、正確に思い出せる単語は平均で0.76語減っていた。

 また、トランス脂肪酸の摂取量がもっとも多いグループは、もっとも少ないグループに比べて、記憶力テストの成績が10%以上落ちていた。

トランス脂肪酸が酸化ストレスを引き起こす
 トランス脂肪酸を摂取するとなぜ記憶力の低下が引き起こされるのか、直接的な因果関係は分かっていないが、トランス脂肪酸の摂取によって酸化ストレスが引き起こされるのではないかと研究者は推測している。

 「トランス脂肪酸の摂取量と記憶力の悪化には、強い関連があることが分かりました。トランス脂肪酸は、食品の賞味期限を延ばすために使われることが多いのですが、過剰に摂取すると体が健康でいられる期間は逆に減ります」と、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部のビアトリス ゴロム教授は言う。

 トランス脂肪酸が気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患の疾患率を上昇させたり、認知症やパーキンソン病を引き起こすという報告もある。

 なお、日本人の摂取しているトランス脂肪酸は1日1人当たり平均で1g未満で、総エネルギー摂取量の0.5%未満と推定されており、欧米やWHO(世界保健機関)などの専門機関が推奨する1%未満を下回っている。

 ドーナツやケーキなどの加工食品をよく購入するという人は、マーガリンやショートニングがどれくらい含まれているのかをチェックした方が良いだろう。

Trans fat consumption is linked to diminished memory in working-aged adults(米国心臓学会 2014年11月18日)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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