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2015年04月24日

野菜摂取や運動の目標 大多数が達成できず 東京都調査

キーワード
運動療法 食事療法
 東京都は「ちょっと実行、ずっと健康。」をキャッチフレーズに、負担感なく実践できる生活習慣の改善方法について働き盛りの世代向けに呼びかけているが、都民の認知度は伸び悩んでいる。野菜を1日350g以上摂取している人は5割程度、1日8,000歩以上歩いている人の割合は5割前後にとどまることが、都民を対象に行ったアンケート調査で明らかになった。

 今回の調査は、2月26日〜3月10日に都内に住む20歳以上の会社員や主婦など、都のインターネット福祉保健モニターに登録している男女を対象に実施したもの。215人(男性110人、女性105人)から回答が寄せられた。
4割以上が野菜の摂取目標量を達成できていない
 ふだんの食事で野菜を食べるように心がけているか聞いたところ、「いつも心がけている」と「だいたい心がけている」が合わせて9割で、「家庭料理で野菜を多く使うようにしている」(85.1%)、「メインのおかずの横に添えられている付け合せの野菜も残さずに食べている」(70.1%)という回答が多かった。

 しかし、野菜の摂取目標量(350g)を達成していると答えた人は56.8%にとどまり、4割以上が達成していないと感じていることが分かった。

 野菜の摂取量を増やすために「飲食店で野菜の量の多いメニューを増やすこと」「"もう一皿野菜を食べる" "野菜から先に食べる"といった負担感のない取組を、様々な手法により周知を図ること」を望む人が5割を超えた。

 また、都では2014年11月に都内のコンビニエンスストアなどで野菜の摂取量増加を呼びかけるPOP広告を出したが、57.3%が「まったく印象に残らない」「あまり印象に残らない」と回答した。

東京都が制作した野菜の摂取を呼びかけるPOP広告
過半数が1日歩数目標量を達成できていない
 生活習慣病の予防や健康づくりのためにふだんから体を動かすように心がけているか聞いたところ、「いつも心がけている」「だいたい心がけている」と答えた人が8割に上った。

 「1〜2フロア程度の場合、エレベーターは使わずに階段を使うようにしている」「エスカレーターと階段が併設されている場合は、階段を使うようにしている」を実践している人が多く、「通勤・通学や買い物の際に歩くようにしている」という人も3割を超えた。

 一方で、国の「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」の1日歩数目標量は8,000歩に「足りている」「だいたい足りている」と答えた人は43.7%にとどまり、「ほとんど足りていない」「あまり足りていない」との回答が半数を超えた。

 なお、東京都は平成26年10月に、池袋駅の西武池袋線からJRの連絡乗り換え階段ステップに身体活動・運動の増加を呼びかける階段広告を出したが、「印象に残る」と答えた人は6割だった。

都が制作した健康づくり推進キャラクター 95%が認知せず
 東京都では、平成26年度に健康づくり推進キャラクター「ケンコウデスカマン」を作成し、「ちょっと実行、ずっと健康。」をキャッチフレーズに、負担感なく実践できる生活習慣の改善方法について働き盛りの世代向けに呼びかけている。

 上記の広告でも活躍した「ケンコウデスカマン」だが、今回の調査では95.3%が「見たことはない」と回答し、圧倒的に認知度が低いことが分かった。健康増進のポピュレーション・アプローチが難しいことがあらためて示された。

東京都が制作した健康づくり推進キャラクター「ケンコウデスカマン」
「野菜の摂取や身体活動に関する意識」についてアンケートを実施(東京都 2015年3月25日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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