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1型糖尿病にBCGワクチン 第II相試験まもなく開始[HealthDay]
2015年06月18日
カテゴリー:ヘルスデー 

 結核に対するBCG(bacille Calmette-Guerin)ワクチンの1型糖尿病治療への有効性を調べる臨床試験がまもなく開始される。BCGワクチンの反復接種が1型糖尿病を生じる自己免疫系の異常を抑え、長期罹患患者の血糖値を改善するかを5年間にわたって検討する第II相試験となる。

 臨床試験の責任者である米マサチューセッツ総合病院(ボストン)免疫生物学研究室長のDenise Faustman氏はBCGワクチンが期待される背景について、「(多発性硬化症のような自己免疫疾患に対する)有望性が世界中の臨床試験で示されている」と説明している。

 実際、同氏らによる小規模なヒト臨床試験では、1型糖尿病に対するBCGワクチンの有効性はかなりのものであることが示唆されているという。

 先ごろ開催された米国糖尿病協会(ADA)年次集会で試験の詳細を発表した同氏は、「今回の試験の目標は治療応答を生じさせることだ」と述べ、1型糖尿病の最も深刻な合併症の予防に役立つ可能性を指摘している。

 同氏によると、1型糖尿病はインスリン産生を行う膵ベータ(β)細胞が自分自身の免疫によって誤って攻撃される自己免疫疾患だ。BCGワクチンには腫瘍壊死因子(TNF)のレベルを上昇させて正常な免疫細胞を増加させる働きがあるため、1型糖尿病患者にBCGワクチンを接種すれば、膵β細胞を破壊するような異常な自己免疫細胞のレベルが下がると考えられている。

 TNF高値は多発性硬化症やセリアック病、特定のタイプの乾癬や甲状腺疾患などに有効と考えられているが、すべての自己免疫疾患に有効なわけではなく、関節リウマチなどTNF高値が逆に問題になり得る場合もある。ただし1型糖尿病に関しては膵β細胞への攻撃を減らす方向に作用するようであり、いったん攻撃が抑えられれば少なくとも一部の膵β細胞の機能が再生されるとみられるという。

 BCGワクチンはおよそ90年にわたって結核予防のために広く用いられており、長期にわたる安全性が確認されている。1型糖尿病に対する安全性を調べた第I相臨床試験では、1型糖尿病患者(罹病歴平均15年)6例をBCGワクチンまたはプラセボの接種を受ける群に無作為に割り付けた。その結果、BCG群の3例中2例で異常な免疫細胞が減少し、インスリン産生の再生も確認されたという。

 今回の第II相試験は、1型糖尿病罹病歴が15〜20年で、膵臓のインスリン分泌活性が維持されている18〜60歳の150例を対象に行われる。被験者はワクチンあるいはプラセボの接種を2週間おきに2回、その後4年間にわたり年1回受ける。当面は2週間ごとの血液検査が行われるが、最終的には半〜1年に1回となる計画だ。

 米モンテフィオーレ医学センター(ニューヨーク市)臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、「どんな形であれ、この安全で安価なBCGワクチンへの応答が認められれば非常に良い」と期待を示しつつ、「身体は非常に賢く、重複性を多く持っている。選択的な免疫抑制が1型糖尿病の進行を戻すとはにわかには信じがたい」との疑念も述べている。

New Trial Tests Whether TB Shot Fights Type 1 Diabetes

[2015年6月9日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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[ Terahata ]
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