ニュース
2015年07月22日
認知症の症状がでる前に「先制医療」 健診で早期発見できる可能性
- キーワード
- 糖尿病合併症
筑波大学は、血液中の「アミロイドβペプチド」の排除や毒性防御に働くタンパク質「シークエスタータンパク質」が、認知機能低下のマーカーになることを発見したと発表した。認知症を健診などの血液検査で早期発見できるようになる可能性がある。
健診で活用できる実用的な検査法の開発につながる成果
厚労省研究班の調査によると、2012年の日本の認知症高齢者数は462万人で、予備群数は400万人に上る。認知症の7割がアルツハイマー病で、要介護の原因疾患の20%が認知症であり、その社会コストは14.5兆円と推定されている。
関連情報
認知症を運動でくいとめる 軽い運動や音楽を組み合わせると効果的
認知症を予防するための食事スタイルが判明 糖尿病や肥満の改善効果も
認知症の社会的負担は年間14.5兆円 介護の家族負担は6兆円超
認知症を運動でくいとめる 軽い運動や音楽を組み合わせると効果的
認知症を予防するための食事スタイルが判明 糖尿病や肥満の改善効果も
認知症の社会的負担は年間14.5兆円 介護の家族負担は6兆円超
認知症の症状がでる前に「先制医療」 実現に期待
今回の研究のもとになったのは、2001年から継続して実施されている茨城県利根町のコホート研究で、研究チームは3年後ごとに認知機能検査、臨床診断と採血を行い、血液中のバイオマーカーの探索をしてきた。
約2,000人から始まったコホート研究で、それぞれの参加者を時間軸にそって、健常からMCIや認知症まで継続的に調査する「縦断研究」によって、シークエスタータンパク質の血液中の変化が明らかになった。
研究チームはこれらのタンパク質を独立した他の臨床サンプルで調べた結果、最終的に補体タンパク質、 アポリポタンパク質、トランスサイレチンの3つの血清タンパク質を組み合わせた解析(マルチマーカーによる回帰分析)により、認知機能健常とMCIを約80%の精度で識別することに成功した。
Amyloid-β sequester proteins as blood-based biomarkers of cognitive decline(Alzheimer & Dementia: Diagnosis, Assessment & Disease Monitoring 2015年6月)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
糖尿病合併症の関連記事
- 「卵を1日に1個」は健康的 卵を毎日食べても糖尿病や心臓病のリスクは上昇しない
- 塩分のとりすぎは糖尿病リスクを高める 減塩すれば高血圧も改善 減塩食品は身近で買える
- 座ったままの時間が長いと糖尿病や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動はいつ行うと良い?
- 牛乳やヨーグルトが脂肪酸のバランスを向上 野菜は高血圧を改善 菓子類はなぜNG? 糖尿病の人の食事
- タバコは糖尿病リスクを高める 禁煙すると合併症リスクは大幅に減少 禁煙後に太るのをどうすれば防げる?
- 「植物ベースの食事」が糖尿病リスクを軽減 高血圧も改善 肝臓と腎臓を守る
- 糖尿病にきく運動 ウォーキングと筋トレを組み合わせると効果的 メンタルヘルス改善にも役立つ
- 果物の食べすぎは糖尿病の人に悪い? ドライフルーツなら大丈夫? 果物の効果的な食べ方が判明
- 「歯周病」は糖尿病の合併症 血糖値を下げると歯周炎も改善 歯科でケアを受けるのは効果的
- 世界腎臓デー 腎臓病の十分な治療が行われていない 糖尿病の人にとっても深刻 香川大学などが調査