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糖尿病3分間ラーニング
2015年度は「下肢救済元年」〜フットケアの日・AAA3年目に寄せて
2016年02月12日
カテゴリー: 糖尿病合併症  医療の進歩 

 2月10日のフットケアの日に寄せて、一般社団法人 Act Against Amputation理事長・大浦紀彦(杏林大学医学部形成外科教授)氏が活動の進捗状況が報告された。2015年度が「下肢救済元年」となる重要な1年であったとして、引き続き同活動への支援を呼びかけた。以下に、その声明を紹介する。

「フットケアの日、そしてAAA設立3年目によせて」

一般社団法人 Act Against Amputation
理事長 大浦紀彦

 2月10日、AAA活動が発足して3年目を迎えました。少しずつですが、活動の主旨、内容に理解が得られ、共感を得た方々からのご支援が増えつつあることを実感しております。足を救済するための社会的な環境も、足を守る方向へ動き出しました。

 昨年は、「透析の患者さんの足を守る」ということをテーマに、活動を行って参りました。一昨年同様、市民公開講座を開催し、全腎協とのコラボレーションが実現しました。また富田先生が開発した足病リスクのある糖尿病患者をスクリーニングする「AAAスコア」も企業の方々のサポートを得て、世に出すことができました。

 AAAの直接的な活動ではありませんが、切断回避に関連することとして2015年は下肢救済の変革の年、夜明けの年でした。AAAの活動と平行して行われた、第7回日本下肢救済・足病学会(2015年7月11-12日・横浜)の2日目、「下肢救済・足病治療の向上による重症化予防と医療費削減について」というシンポジウムが開催されました。この中で、秋野公造氏(参議院議員)と厚労省健康局と学会、関連領域のオピニオンリーダーが集い、それぞれの立場から下肢救済について討論し、コンセンサスを得ました。

第7回日本下肢救済・足病学会 理事会企画
“下肢救済・足病(以下 下肢・足病)治療の向上による重症化予防と
医療費削減について”

7月12日(日)10:30〜12:00 第2会場(3階301)
座長:大浦 武彦 (日本下肢救済・足病学会 理事長)
   渥美 義仁 (日本下肢救済・足病学会 会長)

下肢・足病のオーバービューと当学会の抱える問題
 “下肢・足病治療分野の現状と将来”

   大浦 武彦 (日本下肢救済・足病学会 理事長)

重症下肢虚血に対する対策“循環器医の立場から”
   中村 正人 (東邦大学医療センタ−大橋病院 循環器内科 教授)

血管外科の立場から -迅速な潰瘍治癒と機能的下肢温存実現のために    東 信良 (旭川医科大学 外科学講座 血管外科 教授)

下肢病変重症化予防の必要性
   大浦 紀彦 (杏林大学医学部 形成外科 兼担教授)

生活習慣病対策の立場から
   江副 聡 (厚生労働省 健康局 がん対策・健康増進課 がん対策推進官)

重症化予防で健康と持続可能な社会保障制度の構築へ(立法府の立場から)
 ―胃がん予防のためのヘリコバクター・ピロリ菌除菌に対する薬事承認と
 保険適用への道のりを通して―

   秋野 公造 (参議院議員)

 さらに、日本下肢救済足病学会と7つの学会(日本透析学会、日本足の外科学会、日本皮膚科学会、日本形成外科学会、日本血管外科学会、日本糖尿病学会、日本心血管インターベンション学会)が合同で秋野氏を訪ね要望書「下肢救済・足病学会の下肢・足病治療の向上と重症化予防に対する対策、整備の要望について」を2015年7月8日に提出いたしました。

 そして2016年1月20日、参議院本会議場にて秋野議員が塩崎厚労大臣に質問し、大臣より「糖尿病の目や足の合併症対策が重要」との回答を得ました。厚労省が、はじめて糖尿病の足病変対策について本腰をあげることを表明したことになります。

 これらの活動が認められ、2016年度診療報酬改定において、人工透析患者さんの足を、透析クリニックが日頃からチェックし、虚血がみられる人を、下肢救済を行う病院へ紹介することを評価する旨の算定が新設されました。

    【算定項目】
  • 項目:J038人工腎臓
  • 名称:下肢末梢動脈疾患指導管理加算
  • 点数:100点
  • (中央社会保険医療協議会 2016年2月10日現在)

 透析患者さんは、慢性糸球体腎炎などの腎臓病の人をはじめ、近年では糖尿病腎症を原疾患にしている人が37%、新規透析導入患者の43%にのぼります。足病変の最もハイリスクな人たちに対して、このような制度ができたことは、間違いなくAAAの活動においても追い風となるものであると確信しています。2015年が「下肢救済元年」であることを象徴する出来事でした。

 さて、ようやく下肢を救済する医療制度が整い始めた2016年は、この制度をどう活用していくかを具体的に示し、多くの施設に利用してもらえる環境づくりや情報提供が必要であると考えます。また、今後は実際にどのように救済できたかという結果も出していかなくてはなりません。AAAは学会とは別の観点から、下肢救済の重要性の理解を広め、このしくみをどう使ったらよいかについて、一般の方々にも発信していきたいと考えております。

 引き続き、この活動を多くの方にご支援いただけますよう、強く願い上げます。

関連情報

プレスリリース(PDF)全文はこちら ▶
一般社団法人 Act Against Amputation
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