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男性の骨粗しょう症を予防 ウォーキングや筋トレで骨を強くする
2016年04月07日
カテゴリー: ライフスタイル 運動療法 

 骨粗しょう症は女性に多い病気と思われがちだが、男性でも増えている。男性が骨粗しょう症を発症すると、腰痛や寝たきりの原因になりやすい。ウォーキングや筋力トレーニングを続けると、骨が丈夫になり、骨粗しょう症を予防できることが明らかになった。
男性が骨粗しょう症を発症すると重症化しやすい

 骨粗しょう症は、骨密度が低下したり骨質が劣化したりして骨の強度が低下する病気だ。骨粗しょう症で怖いのは、何かにぶつかったり、転んだりした拍子に骨折してしまうことだ。骨折しやすい場所は、おもに腰椎と大腿骨骨頭の骨で、腰痛や寝たきりの原因になる。

 骨粗しょう症は女性に多い疾患というイメージがあり、男性に対しては検査をおろそかにする傾向がある。実際に男性の骨粗しょう症の罹患率と骨折発生率は、女性の約3分の1とされている。しかし、日本でも220万人以上の男性が骨粗しょう症を発症しており、治療を行わず重症化すると骨折のリスクが高まる。骨折後の死亡リスクの上昇や生活障害の度合いは、男性の方が女性より深刻なので注意が必要だ。

 男女とも骨粗しょう症の進行しやすい時期は更年期以降だ。骨粗しょう症のリスクが高まる原因は、女性では50歳前後の閉経、男性では男性ホルモンの低下だ。男性ホルモンの著明な低下により引き起こされる男性更年期障害(LOH症候群)では、男性ホルモン(アンドロゲン)が低下し骨量減少に対する保護効果が急速に失われる。

 また、男性の骨粗しょう症のもうひとつの特徴は、生活習慣病との合併が多いという点だ。生活習慣病には糖尿病、高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病(CKD)などが含まれ、これらの疾患が骨の質を劣化させ骨粗しょう症を進行させる。

ウォーキングや筋力トレーニングで骨粗しょう症を予防

 骨粗しょう症を予防するためには、カルシウムの摂取とビタミンDを体内で合成するために必要な日光浴に加えて、ウォーキングや筋力トレーニングなど骨に刺激が加わる運動が推奨されている。

 骨をつくる骨細胞は細胞外液に包まれており、骨に垂直方向の力が加わるとこの細胞外液に流れが起こり、新しい骨を作る骨芽細胞の活動が活発になる。その結果、骨密度が高まり骨が強くなっていく。

 ウォーキングやレジスタンス運動(筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動)は、骨に縦方向の刺激を加えられるので効果が高い。もっとも勧められるのはウォーキングで、姿勢をまっすぐにし、歩幅を広げてリズミカルに歩くことがポイントとなる。

 骨は通常、腱を介して筋肉へとつながっているため、レジスタンス運動によって骨に直接刺激を与える方法も効果的だ。レジスタンス運動にはダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットのように自分の体重を利用して行う方法がある。

 自分の体重を用いるレジスタンス運動には、手軽に行える、負荷の大きさを調節しやすいというメリットがある。例えばスクワットならしゃがみ込む深さを調節する、机などに手をついて行う、何かを持って行うなどの工夫で負荷を調整できる。

中年期以降に運動をはじめても予防効果を得られる

 男性がスクワットなどの負荷のかかるレジスタンス運動を習慣として続けると骨密度が上昇することが、米国のミズーリ大学の研究で明らかになった。レジスタンス運動は、筋肉量を増やしたり、体脂肪を低下させるのに有益だか、骨粗しょう症を予防・改善する効果もあるという。

 研究チームは、30〜65歳の男性203人を対象に、20歳頃の成年期に運動をどの程度行っていたかと、運動している期間や種類、1回の運動にかける時間などを調べ、中年期以降の骨密度の関連性について調査した。

 その結果、成年期までに運動を多く行っていた人は、中年期以降に骨密度が高く骨粗しょう症のリスクが低いことが明らかになった。レジスタンス運動を長期間行っていた男性ほどこの効果が高かったという。

 一方、中年期以降に運動をはじめた人でも、活発なウォーキングや筋力トレーニングを行うと、骨密度が改善することが分かった。

運動を始めるのが遅すぎることはない

 「重要なことは、ウォーキングやレジスタンス運動は、年齢を重ねてから始めても効果があるということです。運動を始めるのが遅すぎるということはありません。若い頃から運動を続けていればより効果的ですが、中年期以降にやめてしまう人が多くみられます。運動には全年代において骨を強くし骨粗しょう症を予防する効果があり、続けなければ効果を得られません」と、ミズーリ大学栄養・運動生理学部のパメラ ヒントン氏は言う。

 骨粗しょう症を予防し、骨折につながる転倒を予防するために「脚の筋肉を鍛える運動」がお勧めだという。軽いダンベルを持った「パワーウォーキング」や、自身の体重に少し負荷を増やしたウォーキングも効果があるという。

 立って行うものでは片足立ちやスクワットも効果があり、片足立ちを継続して行った場合は、行わなかった場合より転倒する人が減るという研究結果も出ている。

 いずれの運動を行う場合も、定期的な骨密度の検査を行ったうえで実施することが、安全のためには重要となる。骨折経験や腰痛などの関節痛がある場合は、医師に相談してから運動することが大切だ。

Lifelong Physical Activity Increases Bone Density in Men(ミズーリ大学 2016年2月11日)
Physical Activity–Associated Bone Loading During Adolescence and Young Adulthood Is Positively Associated With Adult Bone Mineral Density in Men(American Journal of Men’s Health 2014年9月18日)

[ Terahata ]
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