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インスリン強化療法で低血糖リスクが2倍に 個別化治療が必要
2016年06月17日
カテゴリー:ヘルスデー 

高齢や慢性疾患合併2型糖尿病、強化血糖管理で低血糖リスクの恐れ
 強化血糖降下療法は、一部の2型糖尿病患者に重篤な合併症をもたらす可能性が、新しい研究で示唆された。

 「この研究で、とくに高齢患者や重症の慢性疾患患者では、強化血糖降下療法により、入院などの治療を要する重篤な低血糖リスクが約2倍に上ることがわかった」と、研究を主導した米メイヨークリニック(ミネソタ州ロチェスター)のRozalina McCoy氏は述べている。

 低血糖は、糖尿病治療における重大な合併症のひとつであり、同氏らは、低血糖が起こると患者のQOLが低下するほか、心血管イベントや認知症、死亡リスク上昇にも関連すると指摘している。

 今回、同氏らは、HbA1c目標値(7.0%未満)を達成し、維持している2型糖尿病患者で、インスリン治療歴がなく、重篤な低血糖あるいは高血糖の既往もない3万1,500人近くの米国成人(18歳以上)を対象に、その情報を後ろ向きにレビューした。なお、インスリン治療歴、低血糖や 高血糖の既往はともに、その後の低血糖リスクを上昇させることが知られている。

 対象患者のうち、75歳以上の高齢患者と認知症や末期腎不全などの重篤な慢性疾患を3つ以上有する患者(約3,910人)では約19%が、これらのリスクをもたない患者では26%以上が、強化血糖降下療法を受けていた。

 解析の結果、合併症をもたない患者に比べて、高齢患者と合併症をもつ患者では、重篤な低血糖を発症するリスクが2倍近くに上り、強化血糖降下療法により、その後2年間の低血糖リスクが77%増大していることがわかった。

 「この結果は、HbA1c値が目標範囲内にあり、低血糖の既往がなく、インスリン治療歴のない高齢または臨床的な合併症を有する(2型)糖尿病 患者の100人に3人が、その後2年間で低血糖イベントを起こすことを意味している」と、同氏は説明している。

 さらに、同氏は、今回の研究では、自宅で治療できる軽度~中等度の低血糖は含まれていない点を指摘しつつ、「過剰な治療は、糖尿病患者の負担を増やし、副作用リスクを高めるほか、重大な障害や死亡にもつながる重篤な低血糖リスクを高めるものだ。また、不要な医療コストを生み出す原因にも なる」と述べ、今後はますます2型糖尿病患者に対する個別化治療が重要になると強調している。

 この知見は「JAMA Internal Medicine」オンライン版に6月6日掲載された。

Intensive Blood Sugar Control May Be Too Much for Some With Type 2 Diabetes

[2016年6月6日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

[ Terahata ]
カテゴリー :ヘルスデー  

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