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2016年12月22日
「脳卒中と心臓病、死亡数を5%低下」 21学会が5ヵ年計画を発表
脳卒中と循環器病の死亡率を5%減らし、健康寿命を延伸させることを目標とする5ヵ年計画を、日本脳卒中学会と日本循環器学会が発表した。日本糖尿病学会など関連19学会の協力を得て策定した。「脳卒中・循環器病対策基本法」の法制化を求める活動も進める。
脳卒中、心臓病死を5%減、健康寿命を延伸
医療体制を充実 切れ目ない医療と介護を受けられるように
医療体制の充実のため、発症直後に適切に対応するため、患者を速やかに医療機関に救急搬送できる仕組みをつくる。24時間365日外科的治療も可能な「包括的センター」を核に、専門の医師がいる「1次センター」を整備し、ネットワーク化を進める。
同時に、地域において急性期、回復期、慢性期の施設、さらには在宅療養に至るまで切れ目ない医療と介護を受けることができる体制を構築する。
脳卒中や急性心筋梗塞などを発症した患者を、速やかに適切な急性期医療機関に救急搬送できる体制を構築する必要もある。
急性期について、脳卒中については、発症から4.5時間以内に「rt-PA」治療開始が可能な体制を構築し、器病については、救急隊の発症現場到着から2.5時間以内に心臓カテーテル治療を含む「冠動脈インターベンション」の実施率10%の実現を目指す。
急性期病院から地域医療・在宅医療に至るまで、切れ目のない運動リハビリテーション、食事、運動などの生活指導、メンタルケア、カウンセリングを含めた包括的リハビリテーション、さらには生活環境整備を含めた社会的支援が必要であり、多職種による介入を早期から継続的に行う。
地域包括支援センターを整備 全国の患者を登録してデータを収集
また、脳卒中や循環器病の患者を地域で診るためには、各地域において医療と介護の統合を進める必要があり、地域包括支援センターが介護だけではなく医療を統合した機能を持ち、多職種、多機関を地域で総括的にマネージメントする役割を果たす必要がある。
地域医療や在宅医療では、慢性期を診る地域の病院や専門クリニック、在宅医、訪問看護、かかりつけ薬局、介護施設などが連携し、患者一人ひとりの生活環境にあった医療・介護が受けられるような体制をつくることが必要とした。
がん登録のような全国の患者を登録して基本的なデータを集めることも盛り込んだ。
循環器病ついては、循環器診療の実態を調べた研究「JROAD」などをもとに、脳卒中については、脳卒中の救急医療や地域医療に関する研究「J-ASPECT」や、「日本脳卒中データバンク」を基盤に、全国規模の登録システムを確立する。これにより、全国の疾患別の罹患率、致死率などがデータ化され、医療の質の向上をはかれる。
予防や国民への啓発も強化 人材も育成
予防や国民への啓発では、病態や病期に応じた4つのステージを設定し、ステージごとに達成目標と対策を掲げた。
具体的には「喫煙率を19%から15%へ減少」「1日の食塩摂取を2グラム減少」「多量飲酒者(アルコール換算1日60グラム)の割合を10%減少」「運動習慣がある人の割合を倍増」「収縮期血圧を2ミリHg下げる」などの目標を掲げている。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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