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2017年07月21日

米国の1億人超が糖尿病か予備群 人口の3分の1に糖尿病の脅威

 米国で1億人以上が糖尿病またはその予備群となっていることが、米国疾病管理予防センター(CDC)が発表した報告書で明らかになった。これは、同国人口の約3分の1にあたる。
糖尿病に対する意識の低い人が多い
 米疾病対策予防センター(CDC)は、2015年時点で、人口の9%(3,030万人)が糖尿病で、34%(8,410万人)が糖尿病予備群だと報じた。2015年には18歳以上の糖尿病患者が新たに150万人増えたと推定されている。

 この糖尿病予備群(糖尿病前症)の段階では、血糖降下薬やインスリンなどによる薬物療法が必要なほど血糖値は高くないが、血糖値が高めで、5年以内に2型糖尿病を発症する危険性が高い。

 糖尿病前症の段階で動脈硬化は進行しており、心臓や血管、腎臓への影響があらわれているおそれがある。生活スタイルを見直して、健康的な食事や運動の習慣化によっと、糖尿病リスクを半分に下げることができるとCDCは指摘している。

 さらに、糖尿病に対する意識の低い人が多いことが明らかになった。米国の3,030万人の糖尿病有病者のうち、糖尿病と診断されているのは2,310万人。その4人に1人近くの720万人(23.8%)は糖尿病と診断されておらず、自分が糖尿病であることを知らない。さらに、糖尿病前症の人では88%が糖尿病について知らず、自らの健康状態を認識していないという。

 「糖尿病は増大しつつある健康問題です。米国の成人の3人に1人が糖尿病か糖尿病前症を抱えており、多くの人はそのことに気付いていません。この深刻な疾患による負担を軽減するために、対策をいっそう強化する必要があります」と、CDCのディレクターで医師であるブレンダ フィッツジェラルド氏は言う。
糖尿病は米国で死因の第7位
 糖尿病は早期死亡のリスクを倍増させる深刻な疾患で、適切な治療を行わないでいると、失明や心臓疾患、脳卒中、腎不全などの合併症の危険性が高まり、失明、下肢切断、歯周病、認知症、がん、うつ病などのリスクも上昇する。

 CDCは、糖尿病合併症を引き起こす危険因子として、▽高血糖、▽高血圧、▽高コレステロール(脂質異常症)、▽肥満と過体重、▽運動不足、▽喫煙――を挙げている。

 糖尿病は米国で死因の第7位になっている。糖尿病の発症率は年齢とともに上昇し、18〜44歳では4%で、45〜64歳では17%、65歳以上では4分の1が糖尿病と診断されている。

 糖尿病の95%を占めるのは2型糖尿病で、生活スタイルなどの環境因子と糖尿病になりやすい体質を示す遺伝因子が合わさり発症する。糖尿病の5%を占めるとみられる1型糖尿病は、主に自己免疫を基礎にした膵臓のβ細胞の破壊により発症し、生活スタイルや肥満とは関係がない。1型糖尿病は比較的、小児から思春期に発症するケースが多い。米国の20歳以下の糖尿病有病数は19万3,000人だという。

 「国民に対して、より健康的な食事と、体を活発に動かす生活スタイルを奨励する必要があります。糖尿病の一次医療へのアクセスを提供し、質の高い医療により合併症を予防できるようにしなければなりません。糖尿病の蔓延と合併症を防ぐために、努力を積み重ねて改善していくことが求められています」と、CDCのアン オルブライト氏は強調している。

National Diabetes Statistics Report, 2017(米国疾病管理予防センター 2017年7月18日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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