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糖尿病3分間ラーニング
糖尿病のある人は、いま痛くなくても足のチェックが必要
2017年08月25日
カテゴリー: 糖尿病合併症   

足病変とフットケアの情報ファイルの「足病変と闘う現場から」コーナーに、新コラムが追加されましたのでご紹介いたします。執筆者は、足のクリニック 表参道院長・桑原 靖先生です。糖尿病がある方も、予備群の方も、自身の足の状態を把握しておくことが重要と語ります。
患者さんの主訴のほとんどは「足の痛み」

「足病変」と聞くと一歩間違えば下肢切断となり得る手前の状態で、専門スタッフが揃った大きな医療機関での治療が必要と考えがちですが、決してそうではありません。足病変を「足に起こる様々なトラブル」と考えると、陥入爪や外反母趾、胼胝(べんち/タコ)などから始まり、スポーツ障害や子供の成長過程で起こり得るさまざまなトラブルまで、とても多くの事象が対象となります。

しかしながら、医療機関としては軽症な胼胝や陥入爪から重症な足潰瘍までを全て診るとなると、とても非効率で治療の質が低下してしまいます。患者さんとしても、ちょっとした足のトラブルの場合、病院規模ではどうしても受診の敷居が高くなりがちですが、クリニックであればその敷居は下がります。これらを背景に、私たちのクリニックでは足にトラブルを抱えた患者さんを軽症なときから診ることを目的として、2013年より足の専門診療を行っています。

開院当初から現在に至るまで、受診される患者さんの主訴のほとんどは「足の痛み」でした。痛みが主訴で当院を受診した患者さん14,100人(男性3,500人、女性10,600人)を対象に調査したところ(平成25年4月〜28年9月)、男性は「足底腱膜炎」が最も多く22%、次いで「胼胝・鶏眼」が12%、「強剛母趾」が10%でした。一方、女性では「外反母趾」が20%、「胼胝・鶏眼」が12%、「足底腱膜炎」が11%でした。

ここで重要なことは、これら全ての疾患が「足の骨格構造の崩れ」に起因しているということです。骨格構造が崩れればそこに歪みが生じ、最も歪みの大きな部位に痛みや変形が発生します。構造が崩れてその底辺が引き伸ばされれば「足底筋膜炎」、母趾のMTP関節に負荷がかかりながら崩れれば「外反母趾」や「強剛母趾」、変形した部位に圧力が集中すれば「胼胝」が生じます。崩れる過程で母趾の先端に負荷や捻れの力が加われば爪が厚くなったり「陥入爪」を発症します。もちろん足の骨格構造がしっかりしている方にそのようなことは起こりません。


足にトラブルがあっても痛みを自覚すれば、重症化する前に医療機関を受診し、適切な治療を受けることができます。しかし糖尿病の長期罹患により末梢神経障害を合併すると、重症な方は完全に防御知覚を消失し、痛いはずの足が痛みを感じなくなってしまい治療のタイミングを逃してしまいます。

一般的に、糖尿病が直接の原因で重症足病変を発症すると考えがちですが、そうではなく「足に骨格構造の崩れのある患者さんが、糖尿病性神経障害を後から合併する」ことで足病変が重症化するのです。


続きは本編をご覧ください>>
 「足病変と闘う現場から」12. 日本の足を健康にするために、クリニックができること

「足病変と闘う現場から」バックナンバー

1.なんでこんなになるまで受診しなかったの?
 宇都宮 誠(東京労災病院 循環器内科副部長/難治性創傷治療センター)
2.どうしてもっと早く受診しなかったの?
 宇都宮 誠(東京労災病院 循環器内科副部長/難治性創傷治療センター)
3.切るべきか切らざるべきか
 宇都宮 誠(東京労災病院 循環器内科副部長/難治性創傷治療センター)
4.形成外科と足病変
 木下幹雄(東京西徳州会病院形成外科)
5.メスをもった内科医
 富田益臣(東京都済生会中央病院糖尿病内分泌内科)
6.透析施設で行うフットケアの重要性
 菊地 勘(医療法人社団豊済会 下落合クリニック)
7.最近の論文から「糖尿病潰瘍患者に対する抗生剤の投与期間について」
 富田益臣(東京都済生会中央病院糖尿病内分泌内科)
8.2015年、AAAとして今我々が行うべきミッションは何か?
 大浦紀彦(杏林大学形成外科教授)
9.SGLT2阻害薬で下肢切断リスク増の警告あり。処方している患者には足の診察を!
 富田益臣(下北沢病院 糖尿病センター長)
10.東京西徳洲会病院と訪問診療所との連携で救命・救肢
 寺部雄太(東京西徳洲会病院 形成外科)
11.救肢の先にある歩行獲得のために
  寺部雄太(東京西徳洲会病院 形成外科)
12.日本の足を健康にするために、クリニックができること
桑原 靖(足のクリニック 表参道)

【関連情報】

足病変とフットケアの情報ファイル

一般社団法人 Act Against Amputation

足のクリニック 表参道

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