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糖尿病3分間ラーニング
うつ病のリスクは魚を食べると減少 「n-3系脂肪酸」の予防効果
2017年09月29日
カテゴリー:   ライフスタイル 食事療法 

 魚介を多く食べる人は、そうでない人と比べて、うつ病の発症率がおよそ半分に減ることが、国立がん研究センターや慶応大学などの調査で分かった。青魚に多く含まれる「n-3系脂肪酸」による予防効果が考えられる。
魚を食べるとうつ病のリスクを下げられる
 糖尿病のある人はうつ病になりやすいことが知られる。うつ病になると、血糖コントロールが難しくなるおそれがある。うつ病を早期に発見し適切な治療を行うことが重要だ。

 また、魚には、心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患を予防する効果がある良質な脂肪酸が豊富に含まれる。魚に多く含まれる「n-3系脂肪酸」やビタミンDには、インスリン感受性やインスリン分泌を改善する効果があると考えらている。

 適切な栄養を摂取することが、うつ病の予防法のひとつとして注目されており、魚、特に青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸とうつ病の関連を調べた研究が欧米で増えている。

魚のn-3系脂肪酸には抗うつ効果がある?
 n-3系脂肪酸がうつ病を防ぐメカニズムは十分には解明されていないが、n-3系脂肪酸には抗炎症、免疫調整、神経伝達物質調整、神経保護などさまざまな作用があり、それらが抗うつ効果を示すのではないかと考えられている。

 複数の研究をまとめたメタアナリシスでは、うつ病患者は健常者と比べて血液中のn-3系脂肪酸が低いこと、n-3系脂肪酸サプリメント、なかでもエイコサペンタエン酸(EPA)が含まれるサプリメントがうつ病治療に有益であることなどが報告されている。

 さらに、2016年に発表された、31件の研究をまとめたメタアナリシスでは、1日50gの魚摂取、1.8gのn-3系脂肪酸摂取でうつ病の発症リスクをもっとも下げることが報告された。

 しかし、魚介類の摂取量が多い日本人のデータはわずかしか含まれておらず、また、精神科医によるうつ病診断が厳密に行われた研究も含まれていない。

 そこで研究チームは、日本人における魚介類・n-3系脂肪酸摂取と精神科医により診断されたうつ病との関連を調べた。 
魚を1日に111g食べるとうつリスクが56%減少
 「JPHC研究」は日本人を対象に、さまざまな生活習慣と、がん・2型糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などとの関係を明らかにする目的で実施されている多目的コホート研究。

 研究チームは、1990年に長野県南佐久郡の8町村に在住していた40〜59歳の男女約1万2,000人のうち、2014~15年に行った「こころの検診」に参加した1,181人を追跡した調査した。

 1,181人のうち、95人が精神科医によってうつ病と診断された。今回の研究では、対象者をアンケート調査結果から算出した魚介類と、n-3系脂肪酸の摂取量で4つのグループに分け、最も摂取量が少ないグループに比べた時の、その他のグループでのうつ病のリスクを調べた。

 その結果、1日に57g(中央値)魚介類を食べるグループと比較して、1日に111g(中央値)魚介類を食べるグループで、うつ病リスクが56%減少した。

 また、n-3系脂肪酸摂取とうつ病との関連では、エイコサペンタエン酸(EPA)を1日に200mg(中央値)摂取するグループと比較して、1日307mg(中央値)摂取するグループで、うつ病リスクが46%低下した。

 同様に、ドコサペンタエン酸(DPA)を1日に67mg(中央値)摂取するグループと比較して、1日123mg(中央値)摂取するグループで、うつ病リスクが58%低下した。
n-6系脂肪酸(サラダ油など)の摂り過ぎに注意
 今回の研究により、魚介類・n-3系脂肪酸摂取とうつ病には、とればとるほどリスクが下がる、というような関連ではなく、ある量でリスクが下がり、それ以上とると影響がみられなくなることが示された。

 中年期の魚介類・n-3系脂肪酸摂取が高齢期のうつ病診断と関連していたという発見は世界ではじめてで、過去の研究結果を支持するものだ。

 ある量以上をとると影響がみられなくなる理由については、「魚介類摂取量が多い人は野菜摂取量が多く、また、炒めて調理している傾向が強く、n-6系脂肪酸(サラダ油に含まれ、炎症を惹起する)の摂取量が増えたことで、n-3系脂肪酸の予防的効果が打ち消されたおそれがある」と、研究グループは指摘している。

 魚介類・n-3系脂肪酸の摂取とうつ病との関連を調べた研究結果は、医学誌「Translational Psychiatry」に発表された。

多目的コホート研究(JPHC Study) 国立がん研究センター 社会と健康研究センター
Dietary fish, n-3 polyunsaturated fatty acid consumption, and depression risk in Japan: a population-based prospective cohort study(Translational Psychiatry 2017年9月26日)
[ Terahata ]
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