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糖尿病3分間ラーニング
インフルエンザの流行に備える 糖尿病の人に必要な5つの予防法
2017年11月10日

 インフルエンザに注意が必要な季節になってきた。かからないようにするためにはふだんからの対策が肝心だ。かかってしまったときの適切な対応も必要となる。インフルエンザのシーズンに備え、対策する方法をご紹介する。
インフルエンザワクチンは効果がある
 インフルエンザは例年11月上旬頃から発生し始め、その後1月下旬から2月にピークを迎えた後、4月上旬頃までには流行が終息する。日本では毎年1,000万人以上がインフルエンザを発症しており、年間に1万人前後の死者も出ている。症状が長引くことも多いので、今年も油断できない。

 インフルエンザ対策として、有効な手段のひとつがワクチンの接種だ。季節性インフルエンザワクチンでは、ワクチンの予防効果が期待できるのは、接種(13歳未満の場合は2回接種)から2週後から5ヵ月程度までと考えられている。

 特に、高齢者や糖尿病などの基礎疾患をもつ人には予防接種が勧められている。糖尿病の人は血糖コントロールが良くない状態が続くと、インフルエンザなどの感染症に対する体の免疫機能が低下している場合がある。
ワクチン接種は毎年受けた方が良い
 インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行が予測されるウイルスに合わせて製造されている。インフルエンザの予防に充分な免疫を保つためにはワクチン接種を毎年受けた方が良い。

 インフルエンザワクチンは流行拡大を防ぐために改良がされている。これまでは3種類が含まれたワクチン(3価ワクチン)だったが、インフルエンザB型が流行し2系統のウイルスが混合していることから、4種類が含まれるワクチン(4価ワクチン)が2015年に導入された。

 今シーズンの季節性インフルエンザワクチンは、インフルエンザA(H1N1)、A(H3N2)(いわゆる香港型と同じ亜型)、山形系統とビクトリア系統の2系統のB型が含まれる4価ワクチンだ。

 インフルエンザの予防接種は10割自己負担で、自治体の調査によると、全国の価格は3,000円〜5,000円程度。今年はインフルエンザワクチンの製造株の決定が7月と例年に比べ遅れたために、一部でワクチンが不足する混乱があった。
医師の9割以上がワクチン接種を推奨
 ワクチンは、この発症を抑える効果については一定程度、認められており、約50〜60%の発症予防効果があり、約80%の死亡を阻止する効果があるとの報告がある。

 医師向け情報サイト「m3.com」が医師2,685人に対して行った調査によると、医師の92.1%がワクチンを「接種済み」、または近く「接種予定」と回答。94.7%が患者にワクチン接種を推奨すると回答し、うち61.7%が「ほぼ全員に接種を勧める」と回答した。
インフルエンザを予防するための5つの対策
 インフルエンザにかかる発端はインフルエンザウイルスが体の中に入ってくることだが、これをワクチンで防ぐことはできない。まずウイルスを近づけないように手洗いやうがいなどが重要になる。

 体内へ入ったウイルスは細胞に侵入して増殖する。ウイルスが増殖すると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛みなどのインフルエンザの症状が引き起こされる。

 インフルエンザを発症すると、多くの場合で1週間程度で回復するが、なかには肺炎や脳症などの重い合併症が現れ、入院治療を必要とする人もいる。特に高齢者や糖尿病などの基礎疾患のある人では重症化する可能性が高いと考えられている。

 インフルエンザを予防する方法として、米国糖尿病学会(ADA)は以下をアドバイスしている。

・ 人混みや繁華街への外出を控える

 インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染で、感染者の咳やくしゃみからウイルスを含んだしぶきが飛び散り、周囲にいる人が鼻や口から吸い込むことによって感染する。

 インフルエンザが流行してきたら、特に高齢者や糖尿病などの基礎疾患のある人は、人混みや繁華街をできるだけ避けることが大切だ。やむを得ず外出をして人混みに入る可能性がある場合には、ある程度の飛沫などを防ぐことができる不織布製マスクの着用が防御策となる。

・ 外出後の手洗い

 手洗いは手指など体に付着したインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず感染予防の基本となる。また、外出後の手洗い、うがいは一般的な感染症の予防のためにも勧められる。

・ 適度な湿度の保持

 空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなる。特に乾燥しやすい室内では加湿器などを使って、適切な湿度(50〜60%)を保つと効果的だ。

・ 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取

 体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけよう。

・ 体重を毎日はかる

 減量のための対策をしていないのに体重が急速に減っている場合は、高血糖が疑われる。すぐに医師に相談しよう。
インフルエンザにかかった時は血糖コントロールに注意が必要
 米国糖尿病学会(ADA)によると、糖尿病のある人がインフルエンザにかかると、重症しやすいので注意が必要だ。肺炎、気管支炎、副鼻腔感染症、耳感染症などが主な症状だが、インフルエンザによって糖尿病などの慢性疾患がもたらす健康問題が悪化する可能性がある。

 体には防御機構があり、病原体が体内に入ってきても、白血球やリンパ球などの免疫細胞が連携プレーで病原体を撃退する。糖尿病の人では、この免疫力が低下しているおそれがある。さらに感染症によって、血糖コントロールが難しくなる場合もある。

 病気のために食事の量がいつもより少なることがあるが、感染症によって血糖値が上昇しやすくなっている可能性がある。糖尿病の経口薬の服用やインスリン注射を、自身の判断で中止するのは危険だ。薬の量をどう調節するかは、医師の指示「シックデイルール」を受けて判断するべきだ。

 「発症後は薬の量を調節しなければならない時もあります。また、自己判断でインスリン注射を中断するのは非常に危険です。対処の仕方が分からなければ主治医に連絡する必要があります」と、ADAは強調している。
こんなときは迷わず診察を受けよう
 高熱などの症状が起こり医療機関を受診し、インフルエンザと診断されると、抗インフルエンザウイルス薬による治療が検討される。

 抗インフルエンザウイルス薬は、発症から2日以内に使用すると通常より1〜2日早く解熱する。早めに症状を軽くすることは、重症化の予防につながる。さらに高齢の糖尿病患者には二次感染予防のために、肺炎球菌ワクチンの接種も検討される。

 また、風邪やインフルエンザのために食事をできない時間が6時間を越えたり、嘔吐してしまう場合は、医師による緊急のアドバイスや治療が必要となる。

 39度以上の高熱、60mg/dL未満の低血糖や300mg/dL以上の高血糖、または、息が苦しい、下痢をしている、心臓の鼓動が異常に早いなどの強い自覚症状がある場合も、迷わず医師の診察を受けよう。

 症状が重くなっていく、またはなかなか良くならない場合も緊急の治療が必要となる。
インフルエンザ流行状況の最新情報
 インフルエンザの流行状況などについての最新情報を下記ページで知ることができる。

 厚生労働省は、「今冬のインフルエンザ総合対策」ページにインフルエンザ発生状況等(発生動向情報、インフルエンザ様疾患報告情報など)を逐次掲載し、更新している。流行状況をふまえた対策の実施に役立てられる。
[インフルエンザに関する報道発表資料]

 各都道府県が選定した全国約5,000か所のインフルエンザ定点医療機関から報告されるインフルエンザの発生状況について、情報収集を行うとともに、集められた情報を分析し、提供・公開している。
[インフルエンザ流行レベルマップ]

インフルエンザ(厚生労働省)

Flu and Pneumonia Shots(米国糖尿病学会)
[ Terahata ]

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