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米国内科学会がHbA1c目標値の緩和を提案 ADAは懸念を表明
2018年03月16日
カテゴリー: ヘルスデー 

米国内科学会が2型糖尿病のHbA1c目標値を緩和
 米国内科学会(ACP)は、2型糖尿病の血糖管理に関するガイダンスを改訂し、「Annals of Internal Medicine」3月6日オンライン版に公表した。ガイダンスでは長期的な血糖管理の指標となるHbA1cの目標値について、従来よりも緩和した基準が設定された。

 米国糖尿病学会(ADA)の指針ではHbA1cの目標値は7%未満が推奨され、患者それぞれの状況に応じて目標値は個別化するよう推奨されている。今回改訂されたACPのガイダンスでは、妊婦を除く成人2型糖尿病患者の大半はHbA1cの目標値を7〜8%とすることが推奨されている。また、6.5%未満を達成した場合にはそれ以上HbA1c値が下がらないように糖尿病治療の強度を下げること、HbA1cの目標値は薬物療法のリスクとベネフィット、患者の希望、全般的な健康状態、余命に基づいて個別化することが推奨されている。

 ACP会長のJack Ende氏は、今回の改訂でHbA1cの目標値は緩和されたが、「糖尿病による高血糖状態が長期にわたり続くと心臓発作や脳卒中、腎不全につながるほか、失明や下肢切断リスクも伴うため、2型糖尿病の早期発見・早期治療の重要性には変わりはない」と強調している。

 Ende氏によると、糖尿病の管理目標については多くのガイドラインが発表されており、一致した見解が得られていない部分も多かった。そのため、今回はこれまでの指針を評価し、プライマリケア医向けの最適な指針をまとめたという。個別化治療の重要性について、同氏は、例えば認知機能が低下した80歳の患者で50歳の時と同じHbA1c目標値を設定するのは安全とは限らず、むしろ有害な場合があると説明している。

 ADAのWilliam Cefalu氏も、適切な治療目標の達成が重大な合併症リスクの低減につながることから、HbA1c値の個別化の重要性については一致した見解を示しているが、同時に目標値を緩和することへの懸念も表している。同氏は「大半の患者で目標値を一律に7〜8%と設定するのは、エビデンスに基づきより低い目標値とすることでベネフィットが得られることが分かっている患者にはリスクを伴う可能性がある」と指摘している。

 また、Cefalu氏は「HbA1c値が6.5%以下を達成しても薬物治療の強度を減弱する理由にはならない」とも指摘する。患者に低血糖のリスクがあれば薬の数や用量を調整する必要が生じるが、そのリスクが最小限に抑えられている限りはHbA1c目標値には下限はないものと考えられるという。

 さらに、ACPのガイダンスでは余命が10年未満の高齢者(80歳以上)や介護施設入所者、慢性疾患により期待余命が10年以内とされる患者はHbA1c目標値を設定する必要はなく、高血糖による合併症のコントロールに重きを置いた最小限の治療を行うよう勧めている。

 Ende氏は「ACPは2型糖尿病治療を軽視しているのではない。スタチンや降圧薬を併用してリスク因子を管理するように取り組むことも重要だ」と改めて強調し、血糖値の下げすぎは有害な可能性を示すエビデンスがあると指摘している。一方で、Cefalu氏は「医師の間では糖尿病治療を個別化することの重要性は浸透しているものと思われる。しかし、その詳細な点についてはさらなる議論が必要だろう」と話している。

Primary Care Doctors Loosen Type 2 Diabetes Goals
Abstract/Full Text
http://annals.org/aim/fullarticle/2674121/hemoglobin-1c-targets-glycemic-control-pharmacologic-therapy-nonpregnant-adults-type

[2017年2018年3月6日/HealthDayNews] Copyright© 2018 HealthDay. All rights reserved.
[ Terahata ]
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