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2019年03月06日

糖尿病では糖質の摂取量が重要 主食:主菜:副菜を「1:1:1」に調整

 大阪市立大学医学部附属病院は、肥満や2型糖尿病をはじめとする生活習慣病予防のために「1:1:1お弁当ダイエット法」を考案した。
 このダイエット法は、同病院が糖尿病患者に対する食事管理法のひとつとして実践している「カーボカウント」をもとに考えられたものだ。
糖質は血糖上昇にもっとも影響する
 食物のなかで急激な血糖上昇にもっとも影響するのは炭水化物(糖質)だ。この糖質の摂取量に着目した食事療法が「カーボカウント」。

 「カーボカウント」は、適切な糖質摂取量を理解し、糖質量を調整することで、食後の血糖上昇をコントロールする食事療法。なお、「カーボカウント」は糖質の摂取を否定するものではない。

 大阪市立大学医学部附属病院栄養部では、糖質の適切な摂取量を把握するために、糖尿病食などの入院患者への食事の主食・主菜・副菜の量的配分に着目した研究を行った。

 「栄養素摂取配分」は、総エネルギーに対するタンパク質、脂肪、炭水化物という3大栄養素の比率を示すもの。

 その結果、理想的な「栄養素摂取配分」を実現するために、糖質の主たる供給源であるご飯など「主食量」の決定が重要であるを明らかにした。

 研究は、同病院先端予防医療部副部長の福本真也氏と同病院栄養部保健主幹の塚田定信氏らの研究グループによるもの。

関連情報
主食:主菜:副菜を「1:1:1」に調整
 同病院で、管理栄養士が病院給食で提供する料理などをもちより、主食:主菜:副菜を1:1:1の割合で詰めた174食を含む400食以上を調べ、その容量と重量に強い関係があることを確認した。

 加齢とともに心身の活力が低下する「フレイル」を予防するために、主菜(肉・魚・卵など)の摂取は重要だ。また副菜(野菜、キノコ、海藻類など)の摂取は、ビタミン・ミネラルの供給と食物繊維による高血糖の抑制の観点からそれぞれ必要だ。主菜と副菜の量的配分も肝要となる。

 こうした研究成果をもとに、研究グループは「お弁当」という日本食文化に着目し、お弁当箱に「1(主食):1(主菜):1(副菜)」で詰め合わせることで、3大栄養素のバランスを適正に保ちながら、容量と重量からおよそのエネルギー量が算出できる「弁当用カロリー測定システム及び弁当用カロリー測定器」を開発した。

 「1:1:1お弁当箱ダイエット法」は栄養バランスが良く、容量と重量からおおむねの栄養価を把握でき、一定の体に合った食事量を継続できるとしている。
関西の2府8県で発売
 研究で明らかとなった栄養バランスを取り入れた同大学医学部附属病院監修の「1:1:1バランス弁当」を、グローカル・アイより販売。大阪、和歌山、兵庫、京都、奈良、岡山、広島、三重、岐阜、愛知の2府8県の830店舗以上で2月28日に発売した。

【850mLサイズでの一例】
内容量の総重量は411g、600kcal弱
  ごはん(180g) 302kcal
  チーズハンバーグ(80g) 160kcal
  かにかまぼこ(20g) 20kcal
  ゆで卵1/2(30g) 40kcal
  五目白和え(70g) 65kcal
  付け合わせ野菜(30g) 4kcal
  総カロリー 591kcal

1:1:1バランス弁当

1:1:1バランス弁当 十五穀米とチキンカツレツ
1:1:1バランス弁当 もち麦ご飯とチキンステーキ

[販売価格] 本体価格498円(税込537円)
[販売場所] 近畿地区のスーパー・コンビニ・病院売店
[製造元] 藤本食品
[商品特徴]
(1)主食:主菜:副菜を1:1:1の割合で詰める
(2)同じ調理法のおかずを重ねない(油の多い料理は1品にする)
(3)1食は500〜600kcal、塩分2.5g未満、野菜100〜150g、タンパク質15〜20%、脂質25〜30%、炭水化物50〜55%と栄養バランスに優れる。(炭水化物においては、芋類は原則使っていない)
(4)商品ラベルに記載されたWEBアドレスあるいは電話番号に連絡すると、グローカル・アイの管理栄養士が無料で健康づくりのご相談を受ける。

大阪市立大学医学部附属病院

グローカル・アイ
 グローカル・アイは、調理支援システム「アイシステム」を開発し、医療機関の信頼ある献立・レシピや調理ノウハウをデータ化し、全国国立病院管理栄養士協議会や国立循環器病研究センター、大阪市立大学医学部附属病院、九州大学病院、大阪府立大学などと共同で研究している。ネットワークを通じて蓄積されていく献立・レシピを提供している
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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