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厚生白書に見る糖尿病
さきごろ平成12年版厚生白書が発行されました。今年の厚生白書の第1編第1部(白書のテーマ)は、「新しい高齢者像を求めて−21世紀の高齢社会を迎えるにあたって−」です。その第1章は「多様な高齢者」と題し、ひとくちに「高齢者」といってもその人口は2,000 万〜3,000万人にものぼり、各年代によって大きく異なる時代環境に生まれ育ち、決して一様な集団ではないことを強調。そして今後は高齢者人口の増大とともに、それぞれの世代で異なる社会的・文化的背景をもつ、さらに多様な高齢世代が出現すると予測しています。
■脳卒中と糖尿病 (厚生白書の71ページより)
さて、糖尿病という語句は、第2章「高齢者と健康」の第2節「長寿社会における健康づくり」の中にたびたび登場します。
まず、寝たきりになる原因の1位が脳血管障害であり、糖尿病はその発作を引き起こす可能性が高いと警告しています。具体的には、インスリン非依存型糖尿病患者を対象とした8年間の調査研究を紹介するかたちで、初診時に高血圧、高血糖、蛋白尿がみられることが、脳卒中の危険因子だと解説しています。
●関連情報→糖尿病セミナー「糖尿病と脳梗塞・心筋梗塞」
■寝たきりと糖尿病 (厚生白書の74ページより)
国民医療費増加への対策が社会的なテーマになっていますが、その解決方法を示唆する一例として、長野県の医療供給体制・保健活動を白書で取り上げています。長野県は高齢者1人あたりの医療費が全国一低く、それでいて県民の平均寿命が長い(男性は全国1位、女性は4位)そうです。それには、入院時の在院日数が短いことや高齢者単独世帯が少ないこともありますが、老人保健事業の充実度が高いことが最も大きく寄与しているとのことです。その具体的な方策は、健康診断後の個別指導や、公民館活動の一環としての健康教育が、広く行われていることなどだそうです。
このグラフは、「生活習慣病のしおり2000」
(生活保険出版社発行)の掲載資料をもとに作成
したものです。
■若い世代の生活習慣病対策 (厚生白書の67ページより)
長野県と同じような活動は、全国規模の事業としては今年度から始まった「老人保健事業第4次計画」に取り入れられています。老人保健事業は壮年期から(おもに40歳から)の疾病予防のための事業ですが、その第4次計画では、医師・保健婦・栄養士が対象者に1対1で個別に健康教育を行うことが進められています。
個別健康教育の対象となる分野は、高血圧、高脂血症、糖尿病、そして喫煙です。いずれも直ちに命を左右することではありませんが、10年後あるいは20年後、自分が高齢世代になるころに、その間どのように対処していたかの結果が現われます。この健康教育が着実に行われれば、合併症のことを理解できないまま糖尿病を放置してしまう人も減っていくことでしょう。
以上、今年の厚生白書のなかから、おもに「これからの高齢者像」に関連する糖尿病の記述をまとめてみました。
(ペンネーム 大久保)