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 No.34
西村 登喜子 (管理栄養士・健康運動指導士)

糖尿病患者さんの年末・年始の過ごし方
(2004.12)

 年末・年始は多くの人が失敗しやすい時期です。もっともありがちな理由は、忘年会やクリスマス、正月休みなどの年末年始の行事が続いて、つい高カロリーの料理を食べてしまうことです。年末・年始の食事で失敗しないコツをご紹介します。  宴会、パーティの多いこの時期も、よいコントロールでお過ごしください。

■控えめに食べる

 年末・年始も、1日の食事で摂取するエネルギー量は変わりません。主治医の指示を思い出し食べ過ぎないようにすることが大切です。そのために次の工夫が役立ちます。

 ○ 料理を一度にたくさん作り過ぎない
 ○ 料理を皿に盛るときには控えめに取り分ける。

■高カロリーの料理にご用心

 この時期に出される料理は脂質の多いものがあります。塩分の摂り過ぎにも要注意。宴会や立食パーティなどでは、脂質が多かったり、塩辛い料理には近づかないことです。
 また、おせち料理などは砂糖を多く使っているものがあります。「あんこ餅」や「あべかわ餅」などのお餅も食べ過ぎないようにしましょう。

■肉の脂身は避ける

 牛、豚肉などの脂身は10g当り約80kcalと高カロリーです。調理の際に脂身を取り除くか、食事のときに食べ残すようにしましょう。

■野菜をとりいれる

 緑黄色野菜をとりいれましょう。野菜はエネルギーが少なく、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に摂取できます。
 セロリーやトマト、きゅうり、レタス、キャベツなどを使ったサラダや、ほうれん草や春菊などの青菜類のおひたしなどを一品加えれば、野菜の不足を補えます。

■くだものに注意

 くだものには食物繊維が多く、ビタミンやミネラルも豊富ですが、単糖類のひとつである果糖が多く含まれるので食べ過ぎはよくありません。1日80kcalぐらいにしましょう。みかんやりんごは箱で買わないで袋買いにするなどして工夫しましょう。

■アルコール飲料は要注意

 アルコールは1g当たり7kcalとエネルギーが高く、他の食品との交換はできません。また、アルコールは食欲を増進するはたらきもあります。飲むことで自制心がゆるみ、食べ過ぎ、飲み過ぎにつながります。さらに、飲み薬で治療をしている人は、薬の効きかたに悪影響が出る心配もあります。ご自分で判断しないで、主治医の先生に相談しましょう。

■はっきりと断る

 料理やお酒のお誘いなどは、必要がなければ断りましょう。宴会を、相手に嫌な思いを与えずに上手にご自分の意思を伝える練習の機会ととらえるのも、ひとつの考えです。

■宴会、パーティでは「社交」に専念

 宴会、パーティの目的は、食べたり飲んだりすることではなく、人とのふれあいを楽しむことと考えてはいかがでしょうか。普段できなかった知合いやご友人などとの交流に専念しましょう。

■飲みたくなければ常にウーロン茶を手に持つなどの工夫をする

 酒の席ではいろいろな人からお酒をすすめられると思います。常にウーロン茶を手に持っていれば上手に断りやすくなります。

■宴会の後の予定を決めておく

 二次会にダラダラと付き合わないように、宴会やパーティ後の別の予定を決めておきましょう。こんなときこそ、運動に励んでみてはいかがでしようか。歩くのが一番手軽なので、食後1〜2時間後に30〜40分続けて歩きましょう。

■体重をはかる

 毎日、体重をはかりましょう。体重が増えていたら、意識してからだを動かすようにしましょう。

■鍋料理

 野菜を摂る工夫として、夕食を鍋料理にしてはいかがでしょうか。簡単に作れて、一度に何種類もの食材を食べられます。不足しがちな野菜、きのこ、こんにゃく、海藻類などをたっぷり入れれば、低エネルギーで満腹感も得られます。買い置きの食材でも作ることができ、地域の産物や旬の素材を使えばご家庭の味をだすことができるのも嬉しい点です。

鍋料理のいろいろ(2人分)
料理名 材料と重量(g)
寄せ鍋
鶏もも肉1/2枚 えび2尾 はまぐり2個 白身魚の切り身2切れ 豆腐1/2丁 ねぎ1/2本 白菜1/8株 舞茸1/2パック にんじん5cm 銀杏10粒 出汁・醤油 薬味(万能ねぎ・生姜・ゆず・すだち各適宜)
石狩鍋
鮭切り身2切れ 白菜の葉2枚 じゃがいも2個 にんじん5cm たまねぎ小1個 ブロッコリー1/2株 ホールコーン(缶詰)1/4カップ いくら適宜 みそ大匙3 みりん小匙1と1/2 バター大匙 薬味(生姜・ねぎ各適宜)
たらちり鍋
たらの切り身4切れ 豆腐1/2丁 ねぎ1/2本 春菊1/2束 きのこ(しめじ・生しいたけ各1パック) 白菜1/8株 昆布・酒適宜 薬味(万能ねぎ・生姜各適宜)
豚キムチ鍋
豚薄切り肉150g 白菜キムチ(市販品)70g 青梗菜1株 えのき茸1袋 油揚げ1/2枚 にんにく1/2かけ みそ大匙2 醤油大匙1/2
かに鍋
かに(冷凍)1/2杯 白菜1/4株 ねぎ2本 しらたき1玉 昆布 薬味(万能ねぎ・ポン酢各適宜)
うどんすき
はまぐり2個 たら1切れ よもぎ麩2切れ えび2尾 鶏肉1/2枚 がんもどき小2個 白菜1/4株 ほうれん草1/2束 ねぎ1本 だいこん2〜3cm 生しいたけ2枚 えのき茸1/2袋 うどん1/2個 薬味(万能ねぎ適宜)

■お雑煮

 この時期の代表的な料理、お雑煮には、いろいろな食材が含まれており、地域やご家庭によって内容がさまざまです。こういった料理は普段と違うので、エネルギー量の計算は簡単にできません。普段の食事の感覚で食べていたら、実は食べ過ぎていたということにならないよう、注意しましょう。

■おせち料理

 最近は便利なパック詰めから豪華な重詰で予約制になっているものなど、おせち料理もさまざまですが、日持ちさせるため、調理法も比較的濃い味(砂糖・醤油)で煮込んだもの、からめたものがほとんどです。そのため糖分・塩分が多くなるので注意しましょう。コツは、野菜を多くとりいれることです。野菜・こんにゃく・きのこ類などを使った料理を1〜2品付け加えましょう。

 
自宅入院
 糖尿病コラム
  
 35. インスリン療法を続けて50年
 34. 糖尿病患者さんの年末・年始の
   過ごし方
 33. 旅行者血栓症
 32. 糖尿病とたばこ

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