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糖尿病3分間ラーニング

6. 食事のエネルギー密度

本田 佳子(女子栄養大学栄養学部教授)
2007年08月

 食事療法を良好に行うために、“ゆっくり・よく噛む”食行動の実践は大切です。今回はその結果を高める方法として「エネルギー密度」を考えてみました。

食事療法の基本は「ゆっくり・よく噛む」

 “ゆっくり・よく噛む”食べ方は、2型糖尿病の食事療法のポイントの一つで、食行動を修正する方法です。この食事療法は、食後の過血糖の是正と満腹感を得る効果が期待できます。

 “ゆっくり・よく噛む”食事療法の実践では、

  • 料理の盛り付け方
  • 食物の大きさ・硬さなどの形態
  • 食物繊維の量を調整

などがポイントとなります。

摂取総エネルギー量の適正化と食事の「エネルギー密度」

 エネルギー量の適正化には、食品や料理のエネルギー量がどれくらいあるのかを覚えます。これには、よく食べる食品や料理を列挙して予めエネルギー量の確認をして記憶します。次に、エネルギー量の多いものは避けたり、減らしたりすることが求められます。

 同じエネルギー量であったら、どちらを食べたらよいのか“同じエネルギー量なら多いものを選ぶことができる”こんな患者心理とフィットし、“ゆっくり・よく噛む”食行動への実践を容易にしたら、きっと自己効力感も高まるのではないでしょうか。

 “同じエネルギー量なら多いものを選ぶことができる”食品や料理の「エネルギー密度」という尺度を紹介します。

「エネルギー密度」を考えよう

 「エネルギー密度」は、その食品が重量に対してどのくらいのエネルギーをもっているかということです。100kcalの食事であっても、ほんの1かけらにすぎないものもあれば、両手いっぱいになるものもあります。

 肥満者には、嵩(体積)があってもエネルギーが少ないエネルギー密度の低いものを選び、摂取エネルギー量の減少と満腹感を得ることができ、体重の是正を図ることができます。逆に太りたければエネルギー密度が高いものであれば効率よくエネルギー補給が可能となります。

食事例(一品料理を含む)にみるエネルギー密度(kcal/g)

脂肪分が多いと「エネルギー密度」は高くなる

調理法とエネルギー密度の変化

 食品のエネルギー密度は、糖質・たんぱく質・脂質の含有量により決定されます。糖質とたんぱく質はそれぞれ1グラムにつき4kcal、脂質は1グラムにつき9kcalですから脂肪分が多いことでエネルギー密度が高くなります。

 しかし、食品を料理して摂取する食事は、調理法によってもエネルギー密度が変わってきます。つまり、エネルギー密度を低く抑えられる調理法を選択することが必要になります。

 揚げ物料理、カレーライスのように油やルーを使う料理はエネルギー密度を高めます。調理方法は、焼く、蒸す、煮る、炒めるといった方法を上手に組み合わせましょう。

「エネルギー密度」をどのように利用するか

 実践的には、食事全体として考え、1品エネルギー密度の高い料理があったら他の1〜2品の料理は低いものにします。

 このようにして、摂取総エネルギー量の適正化とゆっくり・よく噛む食べ方の実践に、エネルギー密度の概念も活用してみましょう。

©2007 本田 佳子

2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した
「NGSP値」で表わされるようになりました。過去の記事はこの変更に未対応の部分があります。

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