あなたは、「インスリンポンプ療法」をご存知ですか?
「よく知っている」と「基本的なことは知っている」を合わせると、本調査の回答者の57%が「知っている」と答えました。なかでも「(使用法も含め)よく知っている」と回答された方の多くは、インスリンポンプ療法のご経験者とみられます。
Q1で「知っている」「名称を聞いたことはある」と回答された方におうかがいします。
あなたは、「インスリンポンプ療法」について、どこで知りましたか?
 インスリンポンプ療法の関連情報を随時配信していることもあり、「糖尿病ネットワークで情報を得た」と回答した方が約半数と最も多い結果でした。また、「主治医から」は28%、「糖尿病教室で」は7%、「医療機関で配布されたパンフレット等」が5%と、通院する医療機関で情報を得ている患者さんは少ないようです。
あなたは現在、「インスリンポンプ療法」を行っていますか?もしくは、過去に行った経験がありますか?
「現在、行っている」「過去に行っていた」方を合わせて、経験者は19%でした。また、「現在は行っていないが、今後、行ってみたいと考えている」と、興味を持っておられる方が約4割いらっしゃいました。
*備考欄
・医師からの勧めがあれば検討したい
・知識がないのでよく分からない
・経験はない、あまりやりたくないが必要となれば考える
・病状次第で
・現在の症状がこの療法に適しているかわからない
・必要に応じて導入は検討したいと思う。
・必要とされる時期が来たら
Q3で「行っている」「過去に行っていた」と回答された、インスリンポンプ療法ご経験者におうかがいします。
インスリンポンプ使用にあたって、重視した理由のなかで、優先度の高いものを3つまであげてください。
  1. 生活の自由度、QOL(生活の質)を向上させる  75%
  2. 毎日数回の注射による苦痛を少しでも減らすため  40%
  3. 努力してもコントロールが不安定で高血糖・低血糖を繰り返していたから  40%
  4. インスリン注射の時間帯(就寝前・朝寝坊)、タイミング(おやつ・外食時など)、場所(自宅以外の場所)を気にするわずらわしさを減らしたかった  40%
  5. 夜間低血糖や無自覚性低血糖の予防・改善  36%
  6. 妊娠中や出産を目的とした血糖管理ができる  20%
  7. 暁現象による(明け方・早朝にかけての)血糖上昇の抑制  18%
  8. その他  18%
  9. 仕事や学校、習い事などで生活パターンが不規則だから  11%
  10. 小児・成長期に合わせた血糖管理ができる  9%
  11. わからない  7%
  12. インスリンポンプを使用している友人・知人に勧められたから(評判を聞いて)  5%
  13. 学校や幼稚園での注射が大変だったから(保健室での注射や教員らの協力体制など)  0%
 重視した理由としては、「生活の自由度、QOL(生活の質)の向上」が最も高く、「注射による苦痛を減らすため」、「高血糖・低血糖の改善」「インスリン注射のわずらわしさを減らしたかった」などが続きました。
Q3で「行っている」「過去に行っていた」と回答された、インスリンポンプ療法ご経験者におうかがいします。
使用してお感じになられたことについて、該当するものすべてに、チェックを入れてください。
  1. インスリン注射の時間、タイミング、場所を気にする煩わしさが減り、生活の自由度が上がった  71%
  2. 高血糖・低血糖が減り、血糖コントロールが安定するようになった  51%
  3. 機器の操作は、想像していたより簡単だった  51%
  4. 装着感は、慣れたら問題なかった  45%
  5. インスリン注入部位の皮膚トラブルや感染などを経験した、もしくは心配である  45%
  6. 毎日数回行うインスリン注射の苦痛、面倒から解放された  42%
  7. 装着感が不快、慣れない  24%
  8. 以外に、痛くなかった  22%
  9. インスリン療法の時と比べて、治療成績はあまり変わらない  15%
  10. 機器の操作が難しい、覚えるのに時間がかかった  4%
  11. 機器の自己管理が難しい  4%
 「生活の自由度が上がった」が最も高く約7割。約半数が「血糖コントロールが安定するようになった」、「機器の操作が簡単」、「装着感は問題なかった」と、使用のメリットをあげる方が比較的多くみられました。デメリットでは、「皮膚トラブルや感染を経験・心配」が45%、「装着感の不快さ」をあげる方も4人に1人程度いらっしゃいました。
Q3でインスリンポンプ療法を「現在は行っていない」「行うつもりはない」と回答された方におうかがいします。
使用しない理由に当てはまると思われる項目にチェックを入れてください。
  1. 主治医に勧められたことがない  40%
  2. 自分に合うのか、わからない  36%
  3. 現在の治療に満足しているから  32%
  4. 経済的負担の増加が心配  25%
  5. インスリン注入部位の皮膚トラブルや感染などを経験した、もしくは心配である  24%
  6. 不便、不快だった、もしくは不便、不快なイメージがある  21%
  7. 通院している医療機関がインスリンポンプ療法を扱っていない  15%
  8. 操作方法を覚える自信がない、機器の自己管理がうまくできるか心配  9%
  9. その他  5%
  10. 妊娠中のみの使用  1%
 インスリンポンプ療法を「行うつもりはない」理由とされる「主治医に勧められたことがない」40%、「自分に合うのか、わからない」36%が最も多く、医療機関で話題が出なかったり、情報が不足している状況が推測されます。
あなたは、「インスリンポンプ療法」について、主治医や医療スタッフに、質問や相談をしたことがありますか?
4人のうち3人が「質問や相談をしたことがない」と答えました。
Q7で主治医や医療スタッフに、質問や相談をしたことが「ある」と回答された方におうかがいします。
どのような説明でしたか?
 全回答者の1/4である、質問や相談をした経験が「ある」方からの回答で最も多かったのは、「口頭のみでの説明」でした。
*備考欄
・実際に利用されている病院の看護士さんを紹介いただいた。
・前の主治医に勧められた。頻回の血糖値測定でもコントロールがいまひとつなので
・入院なしの導入だったのですか、担当の方もポンプを使用してる方だったので、いろいろ話
 が聞けて、安心して導入できました。
・主治医に相談しても、毎回反対されるので、説明を受けるところまでたどり着いていない。
「インスリンポンプ」の機器を見たことはありますか?
 半数弱の44%が「見たことはない」との回答でした。
「インスリンポンプ療法」について、どのようなことを詳しく知りたいと思いますか?
 “知りたいこと”としては、「医療費」についてが最も多かったものの、「自分に合う治療法か」「インスリン強化療法との違い」「どのような治療法か」といった、情報を求める声も根強くみられました。
*備考欄
・どの医療機関で、どのメーカーのポンプを採用しているか。ポンプに替えるときは入院が必要か。
 どういう時間・曜日に通院する必要があるか。地域ごとに一覧なってみることが出来ればとても
 助かります。
・長時間装着時の皮膚への影響
・運動する時にも支障がないか
・入浴方法
・導入のメリットとデメリット
・新しい機器などの情報
・体にかかるリスク
インスリンポンプを使用することで、あなたが支払う医療費(診察費、薬剤やSMBGなどを入れた総額)は、使用前と比べてどのように変化すると思いますか?また、使用経験のある方は、医療費がどのように変化しましたか?
医療費が“高くなるというイメージ”の方、および経験から“高くなった”とする方は、55%と最も多い結果でした。
現在の医療制度で、インスリンポンプを購入しなくても、通院している病院から「貸与(通院しなくなる場合には貸与先の病院へ返却)」で使用できる(患者さんの経済負担が軽減)ことを、ご存知ですか?
約8割が「知らない」とのことでした。また、「知っている」と答えた2割の方は、インスリンポンプのご経験者が多いことが予測されます。
インスリンポンプ療法についてのご意見など
  • 皆さんに使って頂きたいモノですがポンプを使いこなせる医師が田舎の病院にも必要です。長い時間とお金を掛けて通院してます。
  • もっと詳しくいろいろ知りたいし、実際に使用している人たちの話もたくさんの人にいろいろ聞きたい。
  • ポンプに興味があるが担当医からの推奨もなく、こちらから申し出たら「じゃあ、取り扱ってくれる病院へどうぞ!」って言われそうだし、ドクタ−との関係が気まずくなるのが辛いです。希望する患者は気軽に使える制度なるように(なっているなら徹底させられるように)して欲しいです。
  • インスリンポンプ療法は、IDDM患者にとって、一番自然に近い療法であると思うので、もっと普及させてもらいたいと思う。
  • ポンプ療法を受けようと思うと平日の日中に通院しなければならない医療機関がほとんどのようで、治療以外のスケジュールとの兼ね合いなど、悩むところがあります。土日に受診できるインスリンポンプを扱っている医療機関がたくさん出来る事を希望しています。
  • 血糖測定器と同期できるようになったら早急に使いたい。欧米でできて日本で使えないのは電波法の規制と聞いている。それだけの理由なら電波法を(例外適用をつけてでも)改訂すべきだ。
  • 成長期の子供には生活に合わせた治療が出来るので、合っていると思う。しかしポンプ治療について詳しい医師と医療機関が少ない為、注射方法と同じ指導をされることがあったり、使用したくてもかかりつけの医院が扱かっていないと使用できない。実際担当医が替わってから指導方法が変わり、混乱している。元の担当医のいる病院ではポンプを扱っていない為、転院も難しい。一番頼れるのはネットでの情報(他の患者さんの情報)とポンプを輸入している会社の方である。ただ、医師の中にはポンプの説明をしてくださった方にいろいろ情報をもらうことを良しとしない人もいて、これも前任の担当医とは正反対である。一番詳しいのは機器を取り扱っている人からの情報であるにも関わらず医師がこのようでは使用しても不安が多くなると思う。
  • インスリンポンプが絶対いいわけではないが、使用したいと思っている人が使用できるような医療環境にない。もっと普及して、ペンかポンプが選択できるようになったらいいと思う。 導入するにあたって、ペンのときと比べ医療費が高くなるので、ペンと同様ぐらいまでに抑えて欲しい。
  • なかなか情報が入ってきません。インスリンポンプ療法の説明会や研修会があればいいなと思います。
2009年09月更新
インスリンポンプ情報ファイル