• 糖尿病による下肢切断をなくそう
  • 糖尿病による下肢切断をなくそう
  • 一生、じぶんの足で歩く
  • Act Against Amputation -なくそう、下肢切断-
透析患者さんに対する新制度について

2016年4月からの新制度
「透析患者さんの足を守るしくみ」
を積極的に活用しよう

一般社団法人Act Against Amputation 代表理事 大浦紀彦
(杏林大学医学部付属病院形成外科・日本下肢救済足病学会理事)

今年4月より「透析患者さんの足を守るしくみ」が施行されることになりました。我々医療者が言うところの「下肢末梢動脈疾患指導管理加算」という診療報酬制度で、透析患者さんの足病重症化を予防し、下肢切断者を減らすことを目的としています。この制度を使う透析患者さんにはぜひ、このしくみについて知っていただき、ご自身の足の状態を毎日チェックする習慣をつけるきっかけにしてもらいたいと願っています。

なぜ透析患者さん限定なの?

 なぜ透析患者さんなのかというと、足病を引き起こす可能性が最も高いからです。腎臓病や糖尿病は、血管を詰まらせる病気です。特に、四肢は動脈硬化や石灰化によって血管が狭くなったり、詰まったりする「虚血」を引き起こしやすく、「虚血」を放置にしておくと血液が巡らなくなり壊疽(えそ)になります。壊疽になるとその部位を切断することになります。この足病のことを医学用語で重症下肢虚血といいます。

 今回の制度では、そんな「虚血」リスクが最も高い透析患者さんに対するものですが、透析患者さんの約半数は糖尿病が悪化した人。透析治療にまで至っていない糖尿病患者さんでも、足病変が出てくる人はたくさんいますから、もちろん日頃の足チェックは必須です。現在、糖尿病では少なくとも年間2万人の患者さんが足を切断していると言われていますが、腎臓病や他疾患の合併などを含めた全体像は、実はつかめていません。(また、今までに切断した人が累計で何万人いるのかも、把握されていません。)これは患者さんが受診した科によって足の扱われ方が変わるので、領域の垣根を超えて追跡しなくてはならず、現状では実態把握が困難なのです。ただ、切断すると生存率は短くなりますので、絶対数自体はあまり大きくないのかもしれない、とは予測されます。

足の異変を早期発見、早期治療で重症化を防ぐ

 この制度は、透析クリニックが透析患者さんの足を日頃からチェックし、血流が少ない、「虚血(末梢動脈疾患)」がみられる人を見つけ出して、足を切断することになるようなひどい状況になる前に、足病治療を行っている病院へ紹介するというしくみです。革新的なのは、領域の垣根を超えて、患者さんを専門病院へ紹介することが可能になったということ。現在は透析クリニック限定ですが、実際はどの科であっても「虚血」のような足病を見つけたら足の専門病院を紹介するのが常識となるような世の中にしなくてはならないと私は考えます。

患者さんからも積極的に「足をチェックして!」と申し出ましょう

 さて、透析患者さんは今後、受診時に「足をみせてください」と言われる機会が増えることになります。足をどのようにチェックするかというと、足の甲で脈をとり、脈がふれない時には、血流が少ない「虚血」である可能があるので、血流状態をみる検査を行います。血圧計のついたカフを手足につけて血圧比を測定するABI(足関節上腕血圧比)という方法や、足の甲や裏に血圧計のついたカフをつけて皮膚の血流の強さを測定するSPP(皮膚灌流圧)という方法などがあります。ABIが0.7より小さい場合、またはSPPの値が40mmHgより小さい場合には、足への血流が乏しい可能性があるので、医療スタッフから状況を良く説明を聞いた後、専門病院を受診いただき、必要に応じて治療を行います。

 もし、血管が詰まっている場合には循環器内科や血管外科でバイパス術や血管内治療(カテーテル)などで血流を改善する治療を行い、血流が乏しいことによってキズがある場合には形成外科などでキズの治療を受ける必要があります。このような治療は、足のことがわかる専門病院で行うことが望ましいとされています。透析クリニックは、どのような形で専門病院と連携していくかについて、これから具体的なしくみを作っていかなくてはなりません。しくみが浸透するまでには、少し時間がかかると思いますが、時間がかかってでも、このしくみを機能させる必要があります。

自分の足は自分で守るが基本

 「どうか皆さん、足に興味をもって!」と私たちが切に願うのは、足が失われ歩行できなくなると、日常生活を自力で送れなくなり、働くことも自由に外へ出ることも困難になってしまうから。透析患者さんは、透析クリニックへ通院できなくなり、入院して透析を受けることになります。自由に活動できなくなるのは、本当に辛いことです。

 この機会に、「足なんて、大したことないよ」という考えは改め、ちょっとしたことでも足のことを通院先の医療スタッフに相談してください。足があること、歩行できることは、患者さん自身の生活を守ることにつながるのです。

2016年4月
一般社団法人 Act Against Amputation
代表理事 大浦 紀彦

AAAスコアであなたの足病リスクをチェックしてみましょう!

あなたの点数はいくつ?
Q1. 糖尿病歴15年以上である
2点
Q2. メガネでも視力0.5以下である
6点
Q3. 腎臓の治療を受けている
2点
Q4. ひとり暮らし/独身
3点
Q5. 安全靴や長靴を履いて立ち仕事をしている
4点
7点以上の人は要注意!
足の定期的なチェックが必要です

足病変・足のチェックについて詳しくは
足病変とフットケアの情報ファイルをご覧ください。
足病変とフットケアの情報ファイル ▶

毎日の「足チェック」は本当に大切です!

(2016年04月08日)

  • AAA会員募集へ
  • TOP/代表あいさつ
  • AAAとは
  • 下肢末梢動脈疾患指導管理加算について
  • 活動概要/定款
  • 活動報告
  • 組織・メンバー
  • メッセージ
  • メンバー募集
  • お問い合わせ
  • フットケア情報ファイル