糖尿病ネットワーク
足病変とフットケアの情報ファイル
症例から学ぶみんなの足カルテ

探してみよう、あなたの足病変 ▶

合併症のある人

総 論
知る:知っておくべきこと

 著明な高血糖状態にある糖尿病では、口渇、多飲、多尿、全身倦怠感などの自覚症状を認める場合もありますが、高血糖が著しくない場合は自覚症状がないこともあります。しかし、例え症状がなくても高血糖の状態を放置していると、やがて全身にさまざまな合併症を起こすのが糖尿病の特徴であり、糖尿病の“怖さ”でもあります。

 糖尿病特有の慢性合併症としては、「網膜症」、「腎症」、「神経障害」の、いわゆる三大合併症があります。網膜症では眼底出血による視力障害や失明、腎症では蛋白尿から腎不全をきたし、人工透析に至るケースもあります。また神経障害は、下肢を中心とした知覚神経障害、様々な自律神経障害の出現を多くみます。三大合併症はいずれも体における細い血管障害が基盤として生じる事から細小血管合併症とも呼ばれています。

 一方、糖尿病は高血圧や脂質異常症、肥満とともに、動脈硬化性疾患の合併も多く、心臓や頭の血管、下肢閉塞性動脈硬化症といった大血管合併症の危険因子の一つでもあります。言い換えるならば、糖尿病は細い血管から太い血管にいたる全身の血管に傷害をきたす疾患です。

 糖尿病の足潰瘍(あしかいよう)は神経障害や血流障害などの合併症を基盤として、高血糖による免疫機能の低下、糖尿病網膜症や白内障などによる視力障害、透析などの腎不全、足に合わない靴などが原因となり足潰瘍や壊疽になることがありますので合併症がある方は、足に靴擦れやキズができていないか確認することが重要です。

調べる:必要な検査・チェック

糖尿病神経障害の検査

アキレス腱反射
打鍵機を使って、アキレス腱反射が起こるか調べる検査です。神経障害が進行すると反射はなくなってしまいます。
振動覚検査
音叉(おんさ)という器具を使って、震えが感じられるかを調べる検査です。
振動覚検査
モノフィラメント検査
足の裏を、柔らかくて細いナイロンの糸で触り、足の裏の感覚がどの程度あるか調べる検査です。
モノフィラメント検査

血流の検査

足の動脈拍動のチェック
足には足背動脈(そくはい)動脈と、後脛骨(こうけいこつ)動脈の2つの動脈がありますが、これらの動脈は手首と同じように指で脈を感じることができます。
血流の検査
足関節上腕血圧比(ABI)の測定
両腕と両足首の血圧を同時に測り、足への血流の流れを調べます。
下肢動脈超音波検査
超音波検査で腹部〜足の動脈の流れを調べます。
行動する:何をすべきか

 糖尿病の足潰瘍(あしかいよう)の原因は、靴ずれやケガなど些細なものが多く、水虫が原因のこともあります。また糖尿病患者では、神経障害が進行すると皮膚の痛みや温度に対する感覚が鈍くなります。そのため靴ずれやけがに対する処置が遅れてしまい小さなキズから細菌が入って炎症がひどくなり、腫れて血流を障害して足先が腐っていくこともあります。また暖房器具を高めに設定して低温やけどを起こしやすくとなります。

 特に足潰瘍(かいよう)の重症の方では足首からだめになっていることもあります。こうなると切断以外には治療はありません。また糖尿病の方では、切った傷の治りも悪い場合もあります。たかが靴擦れ、水虫と考えないでください。何とかなると高をくくらないでください。足を毎日観察して、清潔に保って、足に合う靴を履いてください。

症例File

(2014年06月)

Act Against Amputation
-なくそう、下肢切断-

Director Member
Faculty Member/Clinical Reporter
Advisory Member

facebook -Act Against Amputation-

ご注意ください
当会が運営するサイトは、医師法上の診療・治療行為およびそれらに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法を推奨したり、効能を保証したりするものでもありませんので、あくまで参考情報としてご利用ください。これらを十分ご認識のうえで、自己の責任において利用し、必要に応じて医療機関を受診ください。利用者の健康に関わる内容は、必ず医師にご相談ください。