糖尿病ネットワーク
「足病変と闘う現場から」
足病変との闘い——。そこには患者さんのパートナーとなる足病変治療や療養指導の達人たちの熱いサポートが欠かせません。彼らはなぜ“救肢”を志したのでしょうか。このコーナーでは、それぞれの専門分野から足に挑んでいるエキスパート達によるコラムを紹介します。
足病変とフットケアの情報ファイル

「足病変と闘う現場から」 ▶

6. 透析施設で行うフットケアの重要性

医療法人社団豊済会 下落合クリニック
菊地 勘

 1990年末に10万人程度であったわが国の透析患者数は、2013年末には314,180人となり、実に国民全体の405人に1人が透析患者です。この透析患者の増加は、糖尿病を原疾患とする透析患者の増加に伴うものであり、このことから動脈硬化関連疾患の合併症(心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患など)が増加しています。このような背景のなかで糖尿病性足病患者が増加しており、下肢潰瘍を発症して、下肢切断を受ける患者は年々増加しています。そして、下肢切断によりADL(日常生活動作:activities of daily living)が低下することから、週3回の透析施設への通院が困難になること、更に下肢切断後の生命予後が低率となることが問題となります。

 透析医療のレベルが向上したことから患者の生命予後は著しく向上して、週3回の治療を受ける必要があること以外、腎機能正常者と大きく変わらない生活ができるようになりました。透析医療従事者は、透析患者が仕事や趣味を継続して、家族や友人との生活を楽しみながら長生きしていく、このサポートを行っていくことが必要です。透析医療は週3回の通院を余儀なくされることはデメリットですが、週3回の通院を通して医療者の診察や治療、サポートが受けられるメリットがあります。患者一人一人が自分自身の足で歩き続けられるように、日頃から足の観察やケアを行うことが透析施設での重要な課題となります。下落合クリニックでは全患者の足観察やケアを定期的に行っていますが、まだ多くの透析施設ではフットケアが行われていないのが現状です。

 われわれ豊済会3施設では、フットケア指導士を中心に看護師と臨床工学技士を対象にフットケア講習会を定期的に開催して、3施設の職員全体の知識および技術のレベルアップと3施設での均一な医療の提供に努めています。そして、透析患者のADLの維持やQOL(生活の質:quality of life)の向上に貢献したいと考えています。

 AAAの活動を通して全国の透析施設でのフットケアへの取り組みが普及することを期待しています。

 豊済会3施設のフットケア勉強会のPDFです。主な内容は以下のPDFを参照してください。

■第1回 豊済会 フットケア勉強会(PDF) ▶

  1. 透析施設での末梢動脈疾患の管理と治療に関する総論と各論
  2. 透析施設で行うフットケアの実技指導
  3. 下肢血流の評価として、ABI(足関節上腕血圧比)やSPP(皮膚灌流圧)測定の実践
  4. 下肢血流改善方法の一つとして、LDLアフェレシスの実践

(2015年02月)

Act Against Amputation
-なくそう、下肢切断-

Director Member
Faculty Member/Clinical Reporter
Advisory Member

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