糖尿病ネットワーク
「足病変と闘う現場から」
足病変との闘い——。そこには患者さんのパートナーとなる足病変治療や療養指導の達人たちの熱いサポートが欠かせません。彼らはなぜ“救肢”を志したのでしょうか。このコーナーでは、それぞれの専門分野から足に挑んでいるエキスパート達によるコラムを紹介します。
足病変とフットケアの情報ファイル

「足病変と闘う現場から」 ▶

11. 救肢の先にある歩行獲得のために

東京西徳洲会病院 形成外科
寺部雄太

 足病変の治療を行っているある日、私はふと「下肢救済はできているけど、廃用してしまい自宅退院ができない患者さんが多いな」と思いました。これでは足を切断した場合と変わらず、患者さんに対しての下肢救済にはなりません。安静を強いられる比較的長期入院となる足病変の治療には、筋力の維持や歩行の練習といったことが必要だったのです。そこで、下肢救済の上に積極的に歩行を維持できるようリハビリテーションを行ってみることを決意しました。

 ただ、リハビリテーションといっても単に歩かせただけでは足病変は悪化するだけで、治療にはなりません。これをリハビリテーションのスタッフに理解してもらうことが非常に大変でした。足病変におけるリハビリテーションの教科書や論文は皆無の状況でしたので、元々整形外科疾患や循環器疾患でリハビリテーションを行っていたスタッフに説明するのは難題でした。

 当初は手探りの状態で、いつからリハビリテーションを介入させ、どのような内容を行うべきかをチームカンファレンスや各スペシャリストと相談を重ね、披荊斬棘の如く進めていきました。時にはリハビリテーションの時期が早かったり、思った以上に効果が出て患者さんが動きすぎたために創部が悪化するなど試行錯誤はありましたが、病棟やリハビリテーションのスタッフの熱意で、1年経つとある程度形になってきました。

 リハビリテーションの方法がまとまってくると、他の病院ではどうしているのだろうと疑問が生まれてきました。我々はある程度うまくいくようになったけれど、実は他にもっと素晴らしい方法があるのではないかと。そこで他の病院の医師やスタッフに話を聞いてみたところ、我々の行っているリハビリテーションとは全く違う意見が多数を占めていたのです。

 こうなると、どの治療が最良な結果をもたらすのか、検討の必要性が出てきます。そこでリハビリテーションを含めて足病変の治療を行っている関東近辺の施設で「足病患者のリハビリテーション研究会」を立ち上げました。2〜3カ月に一度のペースで集まり、各施設で行っているリハビリテーションを含んだ治療データを集積し、1つのプロトコールを叩き出しました。これはリハビリテーションの開始時期についての有用なエビデンスを導き出すものでした。この頃になると、徐々に他の施設からどういうリハビリテーションをしているのか問い合わせも多くなってきました。

 そこで、これらのデータをもとに我々は足病変のリハビリテーションに困っている多くの施設に広く知識を得てもらおうと2017年02月05日に「第1回FREE conference」を開催しました。FREEとはFoot Rehabilitation Expert Evidenceの頭文字をとったものです。かなり強烈な想いをこめた名称で、我々の熱意を伝えられたらと思っています。

 内容は終日の計画として、講義のみならず珍しく実技も盛り込み充実した内容(と思っています)にしました。当日会場には約120名の参加があり、盛況な会となりました。一方で詰め込みすぎた感もあり、参加者からは慌ただしいとの意見も頂戴しました。そこで次回、2018年1月21日の「第2回FREE conference」では、よりsmartな会を計画予定しております。

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 ■第2回FREE conference
  日時:2018年1月21日(日)
  場所:オフィス東京
     *東京駅八重洲口徒歩5分
  参加費:3,000円(当日5,000円)
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 これを読まれている方の中にもリハビリテーションで困っている方がいらっしゃると思います。ぜひご参加ください!

(2017年08月)

Act Against Amputation
-なくそう、下肢切断-

Director Member
Faculty Member/Clinical Reporter
Advisory Member

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