糖尿病ネットワーク

当コーナーでは、足病治療やフットケアに積極的に取り組む医療従事者からの投稿をご紹介しております。
皆さまの足への想い、忘れられないエピソードなどをご投稿ください!

詳細・応募要項はこちらの「Microsoft Wordファイル」をご覧ください ▶

リレーコラム「つなごう、足への想い。」 ▶

8. 足病変治療及びフットケアに携わる看護師の役割とは?

佐賀大学糖尿病足病変予防戦略研究所客員研究員
石橋 理津子

 足病変に関わったきっかけは、透析患者の踵の褥瘡でした。

 褥瘡対策委員として関わり、黒色壊死した部位を切除しても治癒に向かわず、何故だろうと思っていたときに、循環器の医師より日本フットケア学会神戸セミナーのチラシをいただきました。フットケアってなんだろう?といった印象でしたが、何かしらの新しい情報が収集できるかもしれないと思い参加しました。このことが、その後の看護師人生を大きく変えることとなりました。

 セミナーから戻り早速、得た情報を院内すべての医師へ院内LANを活用し回覧したところ、様々な医師から多くのアドバイスをいただき、理事長先生と直接話し合い、院内のチーム構築及びフットケア外来設立の許可をもらうことができました。また、足病変を理解し治療に携わっている医師が不在であったため、佐賀医大形成外科医のU先生にご協力いただき、1年後の2006年に九州初の足専門外来の立ち上げに至りました。

 看護スタッフは当院糖尿病委員会協力のもと、週1回の褥瘡対策活動日を利用してスタッフ配置をしましたので、新たな人員配置は必要ありませんでした。フットケア技術は院内にフスフレーゲの資格を持った糖尿病療養指導士が幸いにも1名おり、そのスタッフから実技指導を受けることができました。

 日本フットケア学会での初の発表は、なんとシンポジウムという大役でした。このとき一緒に壇上に上がらせていただいた看護師の方を通じて、SNSで全国のフットケアに関心を持っている看護師の方々と交流を持つようになり、フットケアNsの輪が一気に拡がりました。

 その後、足外来の知名度は年々上がり、8年目には外来患者が延べ4,000名を超え、予防的フットケアの患者も、延べ2,000名を超えました。これだけ多くの症例に携われたことが、足病変に対するアセスメントやフットケア技術向上につながっているのものと思います。

 足病変治療は、初期段階で様々な角度から患者全体を見てアセスメントを行い、必要な検査を実施し治療内容を検討していくことが重要です。そのために主治医だけでは不可能で、様々な診療科の医師や看護師、理学療法士や義肢装具士の多職種メンバーによりディスカッションを行い、診療計画を決定していかねばなりません。国内には足病専門医という職種は残念ながら存在しないので、フットケアに携わる各コメディカルが、診断・治療に必要な情報を医師へ遠慮することなく提供していくべきだと考えます。

 足病変・フットケアに携わる看護師の役割は、爪切りや角質ケアではありません。目の前の足をアセスメントし、異常の早期発見・早期治療につなげること。これこそフットケアNsの大きな役割といえるでしょう。

 数年後には2025年問題が到来します。これからのフットケアは在宅・介護にも積極的介入が求められる時代となってきます。高齢者のサルコペニアやフレイル予防を実施するには、肝心な「足」にトラブルがあれば効果は得られないかもしれません。それまでにフットケアは、特別なケアではなく当たり前のケアになっていなければならないのです。そのためにも足病変・フットケアの啓蒙活動を続け、次世代の人材を数多く育てていく必要があると考えます。

著者プロフィール

石橋 理津子 佐賀大学糖尿病足病変予防戦略研究所客員研究員

氏 名
石橋 理津子
職 業
看護師
所 属
佐賀大学糖尿病足病変予防戦略研究所客員研究員
略 歴
2006年:社会医療法人天神会新古賀病院にて九州初の足専門外来を
    佐賀医大形成外科と共同設立(ASHEプロジェクト)
2009年:福岡県南実践フットケア研究会を聖マリア病院、
    久留米医大と共同設立
2009年:日本フットケア学会認定フットケア指導士取得
    日本褥瘡学会認定褥瘡看護師取得
    日本静脈学会認定弾性ストッキングコンダクター取得
2012年:糖尿病重症化予防フットケア加算研修受講
2014年:筑後地区糖尿病療養指導士取得
2015年:日本下肢救済・足病学会認定足病認定師取得
2015年:日本フットケア学会秋季久留米セミナー大会長
2018年より現職。臨時講師介入施設/朝倉医師会病院・ヨコクラ病院
関連学会
日本フットケア学会評議員
日本フットケア学会研修委員
日本フットケア学会総務・渉外委員
日本下肢救済・足病学会評議員
日本下肢救済・足病学会九州沖縄地方会理事
福岡県南フットケア研究会理事

(2018年03月)

Act Against Amputation
-なくそう、下肢切断-

Director Member
Faculty Member/Clinical Reporter
Advisory Member

facebook -Act Against Amputation-

ご注意ください
当会が運営するサイトは、医師法上の診療・治療行為およびそれらに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法を推奨したり、効能を保証したりするものでもありませんので、あくまで参考情報としてご利用ください。これらを十分ご認識のうえで、自己の責任において利用し、必要に応じて医療機関を受診ください。利用者の健康に関わる内容は、必ず医師にご相談ください。