糖尿病ネットワーク

当コーナーでは、足病治療やフットケアに積極的に取り組む医療従事者からの投稿をご紹介しております。
皆さまの足への想い、忘れられないエピソードなどをご投稿ください!

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リレーコラム「つなごう、足への想い。」 ▶

11. 看護師だからこそできるフットケア

地方独立行政法人京都市立病院機構 京都市立病院
山内 光子

フットケアとの出会い

私がフットケアに携わるようになったのは、2010年、上司から「糖尿病専門分野における質の高い看護師育成研修」を勧められたことがきっかけでした。

それまで、特に糖尿病看護に深く携わっていたわけでもなく、研修の趣旨も内容も知らないまま、取り急ぎ研修を受けるための書類を準備し課題を提出しました。結果的にその研修に参加したことがきっかけで糖尿病看護の楽しさを知り、糖尿病看護認定看護師を目指すきっかけとなりました。

しかし、研修終了後、フットケアに関して十分な知識も技術もなかった私は、自分の行っているケアに自信がなく、「自分はいったい何をする人なのだろう」という思いばかりが募っていきました。

そんな思いから、前職を退職したことを期に一念発起し、足のナースクリニック代表の西田壽代先生のスクールを受ける決心をしました。私にとっては決して安いとは言えない授業料でしたが、スクールで学んだことが私のフットケアに対する姿勢や思いを変えるきっかけとなりました。

様々な患者さんとの出会い

この写真の患者さんは70歳代の女性で、髪は上品に白髪が混じり、近づくと衣類からは柔軟剤と思われるいい香りが漂い、足底も角質がなく滑らかでとても綺麗な足をされていました。そのような女性にとって、両母趾の傾いた爪は本当に悩ましい部分だったと思います。

フットケア外来を受診する前は、皮膚科で爪を切ってもらっていたそうですが(写真:一番左)、少し短く切ったことが原因で陥入爪となり、爪周囲の軟部組織も経年爪で圧迫されていたため盛り上がり、歩行するのに不自由な状態だということは見て明らかでした。

この足を何とかしてあげたいという思う反面、痛みの原因になっている爪を除去するということはリスクも伴うため、今後のフォローができるだろうかという不安がありました。

しかし、患者さんに私の考えを正直にお話したところ、「切ってほしい」という希望があり爪を取り除くことにしました。その後、定期的にフットケア外来を通院してもらい、テーピングの方法や時間帯、靴の大きさやサイズ感などを確認し、インソールを調整するなどきめ細かなケアや指導を行っていきました。

その結果、テーピングを継続するなどの患者さんの努力の甲斐もあり、現在では足の痛みで履く靴や歩行範囲が制限されるということがなくなり、患者さんの生活の質は爪を切る前と比べ各段によくなりました。

フットケア初診時(写真左)、爪切り後テーピング実施(同中央)、再診時(同右)
フットケア初診時(写真左)、爪切り後テーピング実施(同中央)、再診時(同右)

フットケアの醍醐味

このような患者さんの症状は、重症度の違いはありますがとても多い症例であり、爪ひとつで患者さんの生活が大きく変わります。

昨年、他業種フットケア研究会があった際、糖尿病という診断がある患者さんには医師以外の者が簡単に巻き爪治療できない現状を知り落胆していたところ、西田先生から「スクールで学んだことだけでも、できることはあると思うよ」と言われました。言い換えれば、「患者さんの生活を含めてケアをする看護師だからできることがあると思うよ。」という意味だったと思います。

看護師がフットケアを行うとき、足を見ただけでその方の生活が想像でき、また患者さんが不自由に思っていることを何とかしてあげたいという思いからケアにつながります。

私は、そこに看護師がフットケアを行う醍醐味があるのだと思います。

著者プロフィール

山内 光子 地方独立行政法人京都市立病院機構 京都市立病院看護師

氏 名
山内 光子
職 業
看護師
所 属
地方独立行政法人京都市立病院機構 京都市立病院
略 歴
1994年 看護師資格取得
2013年 糖尿病看護認定看護師取得
2016年 独立行政法人京都市立病院機構 京都市立病院就職
    JTFA指定校 足の専門校「SCHOOL OF PEDI」にて
    医療フットケアスペシャリスト取得
座右の銘
一期一会

(2018年05月)

Act Against Amputation
-なくそう、下肢切断-

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Faculty Member/Clinical Reporter
Advisory Member

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