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第2回 糖尿病の薬物療法と血糖コントロール
監 修:兵庫医科大学内科学糖尿病科准教授 宮川 潤一郎 先生

も  く  じ
1. 糖尿病―治療と検査の進歩―
  a. 新薬が相次いで登場し、糖尿病の治療法が進歩
  b. 治療法の進歩とともに、検査法も進歩している
  c. 治療法の進歩を生かすには的確な検査が必要
2. 経口薬(飲み薬)
  a. αグルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
  b. 速効型インスリン分泌促進薬
  c. スルホニル尿素薬(SU薬)
  d. ビグアナイド薬(BG薬)
  e. チアゾリジン薬
3. 注射薬(インスリン製剤)
  a. 超速効型インスリン・速効型インスリン
  b. 中間型インスリン・持効型インスリン
  c. 混合製剤
4. 開発中の新薬
5. 治療法の進歩を確実に生かすために必要な検査
  a. より良い血糖コントロールを目指すために、
    薬の種類や量を変ることが増えている
  b. より適した検査法とは?―検査の適正使用について―
    (1) 病状や治療内容との関係から、信頼性が高い検査を優先
    (2) 治療法を変える際、効果確認に適した検査を行う
    (3) 通院間隔にマッチした検査を選ぶ
6. 糖尿病の検査―これからの進歩―


1.糖尿病―治療と検査の進歩―

a.新薬が相次いで登場し、糖尿病の治療法が進歩
 今から十数年まで、糖尿病の飲み薬と言えば、スルフォニル尿素薬(SU薬)というタイプが‘ほぼ唯一’と言ってよい状況が続いていました。注射薬(インスリン製剤)も今ほど種類がなく、注射器具も今のように改良されておらず繁雑な操作が必要でした。このため、インスリン自己注射の壁が高く、必要があるのに始められないという患者さんも少なくありませんでした。

 ところが近年、状況が急激に変わってきています。この十数年の間に、新しいタイプの飲み薬やインスリン製剤が次々に登場しました。インスリン注射用の器具も改良が相次ぎ、今では多くの患者さんが簡単に自己注射を行えるようになっています。

 このような進歩に加えて、糖尿病そのものの研究も進み、合併症の発症や進行を確実に抑えるには、血糖値をどのように、どれくらいまでコントロールすれば良いかといったことが、より詳しくわかってきました。糖尿病患者数の急増が深刻な社会問題になりつつある一方で、糖尿病の治療法も確実に進歩しているということです。

b.治療法の進歩とともに、検査法も進歩している
 進歩しているのは治療法だけではありません。検査法も同じように着々と進歩しています。

 例えば現在、血糖測定と並んで糖尿病のスタンダードな検査である HbA1Cも、以前は HbA1でした。「A1C」ではなく、「A1 」までしか区別できていなかったのです。そのため、血糖コントロール状態との相関性が、今ほど正確にはわからないことがありました。

 その点を改良した HbA1Cにも、血糖コントロールが改善または悪化してもすぐにわからないという欠点があります。しかし検査法の進歩は続き、HbA1Cの弱点を補う検査として「フルクトサミン」という、採血時点から過去2〜4週間という比較的短期間のコントロール状態が反映される検査が開発されました。

 ところがフルクトサミンも、血液中の蛋白の量によって結果が左右されてしまい、血糖コントロールとの相関性がよくないことがありました。そこで、そのようなフルクトサミンの欠点を改良した新たな検査として登場したのが、グリコアルブミンです。グリコアルブミンは、HbA1Cと高い相関性を持ちながら、フルクトサミンと同様に比較的短期間の血糖コントロール状態がわかるというメリットがあります。

 この間、前回解説した1,5-AG などの検査も開発されてきました。

c.治療法の進歩を生かすには的確な検査が必要
検査と治療は車の両輪
 ところで、糖尿病の患者数の増加とともに、糖尿病という病気そのものも、病態が多様化してきています。

 高血糖の原因が、インスリン分泌量が減っているためなのか、それともインスリンに対するからだの感受性が悪くなっているためなのかという違いがあり、かつて日本では2型糖尿病と言えば前者が主体だったのが近年は後者が増えています。糖尿病のよし悪しを端的に示す指標として、かつては空腹時の血糖値が重視されていて今でも基本的にそれは変わっていないものの、合併症を確実に抑えるには空腹時血糖が良いだけでは不十分で、食後血糖のコントロールも重要であることが判明し、糖尿病の早期から(血糖値が糖尿病の診断基準を満たすようになる以前から)治療をスタートするようになりつつあります。

 このように多様化した糖尿病の治療には、それぞれの患者さんの病状(高血糖の原因や罹病期間、血糖値の高さなど)や治療内容にあった、最適な検査方法で血糖コントロール状態を把握する必要があります。薬と同様に、検査も、長所と短所を見極めた使い分けが大切だということです。

 シリーズ第2回目の今回は、進歩した糖尿病の薬物療法を生かす検査について考えていきます。まず、血糖コントロールのための薬の作用や特徴を簡単に解説します。

2.経口薬(飲み薬)

 現在、国内で使われている経口血糖降下薬を、薬の成分で分類すると5タイプに分けられます。それぞれ細かな相違点がありますが、最もわかりやすくて重要な違いは、「1日の血糖値全体を下げるための薬か、それとも、食後の血糖値に狙いを定めて用いる薬か」という点と、「インスリンの分泌を増やすか否か」という2点の違いです。この2点の違いを確認しながら、それぞれのタイプの特徴をみていきましょう。

a.αグルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
αグルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
下げる血糖値は…食後の血糖値
インスリン分泌を…増やさない
服用回数:1日3回、食事の直前
主な副作用:服用を始めた後しばらく、下痢や便秘になったり、おならが増えたりします。ただし数週間でよくなることが多いようです。
注意点:食事の直前に服用してください。食後に服用したり、服用から食事までの時間が開き過ぎると、効果があまりありません。
 血糖値を上昇させるさまざまな要因のうち、最も影響力が強いのが「食事」、とくに炭水化物の食品です。

 この薬は、炭水化物が消化されブドウ糖になって吸収される過程に必要な「αグルコシダーゼ」という酵素の働きを阻害する(邪魔する)ことで、食後の高血糖を抑えます。

 糖尿病の初期は、空腹時(食前)の血糖値はあまり高くないのに、食後の高血糖が目立つことがあります。そのような患者さんによく処方されます。また、このあとで解説する SU薬などを服用して空腹時の血糖値はよくコントロールできているのに、食後の血糖値のコントロールが不十分な場合に、追加するかたちで処方されます。

b.速効型インスリン分泌促進薬
速効型インスリン分泌促進薬
下げる血糖値は…食後の血糖値
インスリン分泌を…増やす
服用回数:1日3回、食事の直前
主な副作用:インスリン分泌を増やす薬なので、服用後にすぐに食事を始めないと、低血糖になることがあります。
注意点:食事の直前に服用してください。食後に服用すると、効果があまりありません。
 服用後の短時間だけ、すい臓からのインスリン分泌量を増やす薬です。食事の直前に服用すると、食後の高血糖を抑えられます。ですからαグルコシダーゼ阻害薬と同じような患者さんによく処方されます。食後血糖がとくに高い場合は、両方の薬を併用する場合もあります。

 αグルコシダーゼ阻害薬との相違点は、インスリン分泌を増やすという点です。ですから服用後に食事を摂らないと、低血糖が起きる可能性があるので注意が必要です。また、この薬は SU薬と体内の同じ部分に作用するため、SU薬との併用はできません。

 

c.スルホニル尿素薬(SU薬)
スルホニル尿素薬(SU薬)
下げる血糖値は…1日の血糖値全体
インスリン分泌を…増やす
服用回数:1日1回または2回
主な副作用:インスリン分泌を増やす薬なので、低血糖になることがあります。
注意点:インスリンの分泌量が増える影響で、食事療法をしっかり続けていないと体重が増えてしまいます。
 すい臓からのインスリン分泌量を増やす薬で、糖尿病の飲み薬の中では血糖値を下げる作用が最も強いタイプと言えます。前項で解説した速効型インスリン分泌促進薬との相違点は、作用時間の長さにあり、SU薬は服用後の長時間、作用が続きます。このため食後血糖に狙いを定めて下げるという用い方ではなく、食前と食後の区別なく1日の血糖値を全体的に下げるために使います。

 SU薬が処方されるのは、空腹時の血糖値が高く、その主要原因が、インスリンの分泌量の不足にあると考えられる患者さんです。同じように空腹時の血糖値が高くても、その主要原因がインスリン抵抗性(インスリンに対するからだの感受性の低下)にあると考えられる患者さんには、次に解説するビグアナイド薬やチアゾリジン薬が適しています。

d.ビグアナイド薬(BG薬)
ビグアナイド薬(BG薬)
下げる血糖値は…1日の血糖値全体
インスリン分泌を…増やさない
服用回数:1日2回または3回
主な副作用:非常にまれに、乳酸アシドーシスという危険な副作用が起こることがあるとされています。
注意点:脱水状態では乳酸アシドーシスの危険性が高くなることがわかっています。汗をかいたときや下痢をしたときなどは、意識的に水分を補給するようにしてください。
 肝臓から放出されるブドウ糖の量を抑える、筋肉や脂肪細胞でのブドウ糖の取り込みを促進する、などのインスリン抵抗性改善作用や、腸からのブドウ糖の吸収を抑制するといった、いくつかの作用によって血糖値を下げます。前項の SU薬と同様、食後血糖に狙いを定めて下げるという用い方ではなく、食前と食後の区別なく1日の血糖値を全体的に下げるために用いられます。

 BG薬が処方されるのは、高血糖の主要原因が、インスリン抵抗性にあると考えられる患者さんです。具体的には肥満や太り気味の患者さんが多く該当します。

e.チアゾリジン薬
チアゾリジン薬
下げる血糖値は…1日の血糖値全体
インスリン分泌を…増やさない
服用回数:1日1回
主な副作用:むくみが現れることがあります。これはとくに女性に多い副作用です。また、肝臓の働きが悪くなることがあります。
注意点:副作用のむくみは、からだの中に水分が過剰に溜まっていることを示すもので、そのような状態は心臓に負担をかけます。この薬を服用中にむくみが現れたら、いったん服用を中止し診察を受けてください。
 インスリン抵抗性を改善することがこの薬の主な作用です。その結果、すい臓から分泌されるインスリンの量に変化はなくても、その働きが強くなり、血糖値が下がります。

 SU薬や BG薬と同様、食後血糖に狙いを定めて下げるという用い方ではなく、食前と食後の区別なく1日の血糖値を全体的に下げるために用いられます。高血糖の主要原因が、インスリン抵抗性にあると考えられる患者さんによく処方されます。具体的には肥満や太り気味の患者さんが多く該当します。

3.注射薬(インスリン製剤)

 糖尿病はインスリンの作用が低下して血糖値が高くなる病気ですから、その作用を補うために、インスリンそのものを注射で補給する治療法が「インスリン療法」です。インスリン製剤にも、飲み薬と同様に、食後の血糖値を下げるために用いる短時間だけ作用する製剤と、血糖値を長時間にわたって下げる製剤があります。

a.超速効型インスリン・
  速効型インスリン
 注射後すぐに効果が現れ、短時間で作用しなくなるタイプのインスリンです。食後の血糖値をコントロールする目的で用います。超速効型インスリンは食事の直前、速効型インスリンは食事の30分前に注射します。注射後に食事を摂らずにいると低血糖が起こり得ます。

b.中間型インスリン・
  持効型インスリン
 注射後、少したってから効果が現れ始め、長時間作用が続くインスリンです。食後血糖に狙いを定めて下げるという用い方ではなく、食前と食後の区別なく1日の血糖値を全体的に下げるために、1日1回または2回注射します。

c.混合製剤
 超速効型インスリンや速効型インスリンと、中間型インスリンを混ぜ合わせた製剤が混合製剤です。食後の血糖値と空腹時の血糖値の両方を、1種類の薬でコントロールすることを狙って作られたものです。注射回数を減らせるという便利さはありますが、細かい調整をしにくく、食後の血糖管理が不十分になったり、食事と食事の間に低血糖が起こりやすいケースがあるといった注意点もあります。

下げる血糖値は…インスリン分泌を…
薬のタイプ食後の血糖値空腹時の血糖値増やさない増やす


αグルコシダーゼ阻害薬  
速効型インスリン分泌促進薬  
スルフォニル尿素薬 
ビグアナイド薬 
チアゾリジン薬 


超速効型インスリン
速効型インスリン
 ――
中間型インスリン
持効型インスリン
混合製剤

4.開発中の新薬

 小腸から大腸の消化管にある内分泌細胞から分泌されるインクレチンというホルモンは、食事を摂って血糖値が高くなり始めると同時に、すい臓に働きインスリン分泌を増やすように刺激します。このインクレチンを遺伝子工学で作った注射薬が、海外ですでに用いられています。

 血糖値が高いときだけインスリン分泌を増やすので、低血糖の心配がほとんどなく、注射回数も少ない(週1回でよい製剤も開発されています)という使い勝手の良さに加え、すい臓の働きを高める効果も期待されている新薬です。

 また、体内で自然に分泌されるインクレチンはすぐに分解されてしまうのですが、この分解を阻害することで、インクレチンの働きを長持ちさせる薬も開発されています。こちらのタイプは飲み薬ですから、より多くの患者さんに処方できると考えられています。

 いずれも、インスリンの自己分泌が残っている2型糖尿病の患者さんに用いられる薬です。国内でも開発が進んでいます。

5.治療法の進歩を確実に生かすために必要な検査

a.より良い血糖コントロールを目指すために、
  薬の種類や量を変ることが増えている
 血糖コントロールのための薬をざっと解説してきました。近年になり、このように多くの糖尿病用薬が次々に出てきたことで、患者さんの病状や希望を考慮して薬を選べるようになってきました。治療中にワンランク上の治療目標を達成するために、薬の種類や量を変更することも増えています。

 薬物療法を始めたあとや薬の種類や量を変更した際には、その効果を検査で確認しなければ意味がありません。そして、検査の方法も薬物療法と同じように進歩して種類が増えていることは、前に述べたとおりです。

 糖尿病の治療において、これからは、「薬の適正使用」とともに「検査の適正使用」も大切になってくることでしょう。

b.より適した検査法とは?―検査の適正使用について―
「薬の適正使用」とは、薬のデメリット(副作用)を最小限にし、メリット(効果)を最大限にするために求められる、薬物療法で最も基本的なことです。適正使用という言葉には、「定められた用法・用量を守る」という患者さんが守るべき事柄のほかにも、処方する医師が守るべきこととして、(1) その薬を用いてはいけない患者さんにはその薬を処方しない、(2) より適切な薬があるのならそれを処方する――などの意味を含みます。

 これを「検査の適正使用」に置き換えてみると、患者さんが行うべきこととしては、血糖・尿糖自己測定などを正確な手順で行うことが挙げられます。医師が行うべきこととしては、(1) その検査をすべきでない患者さんにはその検査をしない、(2) より適切な検査法があるのならその検査を行う――といったことが該当します。

 幸い、血糖コントロール状態を調べる検査は採血するだけなので、からだに害が及ぶ危険性はありませんから、(1) はあまり関係ありません。留意すべきは (2) です。では、「適切な検査法」とは、どんな検査なのでしょうか?

 前回お話ししたように、糖尿病の治療に必要なすべての情報を一発でわかる理想的な検査というのはありません。よって、患者さんに最適な検査法は患者さんごとに異なりますし、同じ患者さんでもそのときどきによって異なるわけです。

 血糖コントロール状態を調べる「適切な検査法」は、次のような条件で決まってきます。

(1) 病状や治療内容との関係から、信頼性が高い検査を優先
 血糖コントロールを調べる各種の検査には、それぞれ“得手、不得手”があります。“不得手”なケースでは、患者さんの病状や治療内容などに左右され、本当の血糖コントロール状態と掛け離れた結果が出てしまうことがあります。

 例えばグリコアルブミン検査は、妊娠中や透析治療を受けているときには、他の検査よりも血糖コントロール状態により近い結果が得られるので、信頼性が高いと言えます。ところが、なにか別の病気でステロイド薬を使う治療を受けているときには、グリコアルブミン検査の結果は実際の血糖コントロール状態よりも低くなり、信頼性が下がります。

 ステロイド薬によるグリコアルブミンへの影響以外にも配慮が必要な点があり、それらは前回、各検査ごとに解説しましたので参照してください。

(2) 治療法を変える際、効果確認に適した検査を行う
治療法変更の効果を素早くチェック!
 さきほども述べましたように、糖尿病の薬の種類が増え、より良い血糖コントロールを目指すために、薬の種類や量を変更することが増えてきています。薬の種類や量を変えるとき、そのことで確かに血糖コントロールがよくなるのかどうかを、変更する前後の検査値の変化で確認する必要があります。

 例えばαグルコシダーゼ阻害薬や速効型インスリン分泌促進薬、または超速効型インスリンなどによる治療を始めるとき(または薬の量を増やすとき)、その変更の効果を確認するには、HbA1Cよりも食後血糖に敏感なグリコアルブミンや1,5-AG が適していると言えるでしょう。インスリン療法中の1型糖尿病の患者さんが、炭水化物の量で食べる量を決めるカーボカウントによる食事療法をする際にも、同じことが言えます。

 上記以外の薬による治療を始めるとき(または薬の量を増やすとき)も、HbA1Cより、最近2〜4週間の平均的な血糖値が反映されるグリコアルブミンのほうが、より早く、効果が十分かそうでないかを確認できます。それによって、薬の追加変更が必要なときに素早く対応できます。

 なお、従来、血糖値以外の血糖コントロールに関する検査は、妊娠中を除いて1カ月にき一つの検査しか健康保険が適用されませんでしたが、2008年の4月から、薬物療法を始めて6カ月以内の患者さんは、1カ月につき二つ保険がきくようになり、より良い血糖コントロールを目指しやすい環境に近付きました。

(3) 通院間隔にマッチした検査を選ぶ
月に1度の通院に適した検査は…
 都市部の大きな病院では、遠方から通院する患者さんが多く、また、混雑緩和という病院側の事情もあって、一般に通院間隔が長くなりがちです。そのような場合、結果に反映される血糖コントロール期間が短い検査では、病状の把握が不十分になる可能性があります。

 反対に、自宅や職場の近くの医療機関にこまめに通院しているのであれば、前回の受診日よりも前の血糖コントロール状態まで知る必要はありません。より直近の血糖コントロールの変化がすぐにわかる検査のほうが有利です。

 かといって、結果に反映される血糖コントロール期間が通院間隔より短すぎると、やはり病状の把握が不十分になる可能性があります。


 
検査の種類ごとに、血糖コントロール状態が反映される期間が異なります


6.糖尿病の検査―これからの進歩―

「検査の適正使用」についてお話ししてきましたが、実際の糖尿病の診療で、このように検査法を細かく使い別けているのかというと、実は今のところまだ HbA1Cが中心で、その他の検査はそれほど広く浸透していません。その理由の一つはさきほどお話ししたように、これまで健康保険が1種類の検査にしか使えなかったからです。

 しかし今後は、必要性があれば HbA1Cに加えて別の検査を行ったり、HbA1Cに変えて他の検査を日常の病状把握に使うといったケースが増えてくることでしょう。こうした進歩の積み重ねによって、多くの患者さんがより良い血糖コントロールを達成し、合併症のない生活を長く送ることができるようになると期待できます。
 

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  第4回「妊婦さんや透析患者さんの血糖コントロール」へ


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※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わされるようになりました。過去のコンテンツの一部にはこの変更に未対応の部分があります。