開催報告

第28回 若い糖尿病患者さんとのグループミーティングのまとめ

東京女子医科大学糖尿病センター 小林浩子

第28回のグループミーティングは2015年9月20日に開催しました。患者さん32名、ご家族3名、医師5名(内スタッフ4名)、看護師2名、栄養士1名の皆さんにご参加いただきました。
 患者さんの5割は知人からの紹介、4割の方はインターネットで調べて、今回のミーティングに参加されました。

お子さんを出産された女性の方ですが、1型糖尿病の自己管理について、「しっかりやらなければいけないとわかってはいますが、気持ちがついていきません。」と発言されました。これまでは"元気な赤ちゃんを産みたい"という気持ちで頑張ってこられたそうですが、出産後は気が抜けてしまったそうです。
 確かに妊娠中は、食後血糖値120 mg/dL未満を目指して、厳格な血糖管理をしなければなりません。1日何回も血糖測定をして、インスリン注射を追加します。  期間限定であるからこそ、また"赤ちゃんのため"と思うからこそ、達成できたともいえましょう。しかし、出産後は子育てや仕事に追われ、血糖コントロールが負担になってしまう、とても理解できることです。

発症して間もない方は、血糖値を頻回に測定しながら糖質を制限し、とにかくストイックに自己管理をされていました。
 「どんな情報でもいいからほしい」、「今のままでいいのかが不安」、そのような気持ちとともにミーティングに参加されました。
 ミーティング終了後に、「発症間もない患者さんや、うまく折り合いをつけてコントロールしているベテラン患者さんの話など、いろいろな考え方が聞けて参考になりました」と感想をいただきました。
 参加された方からの、"血糖コントロールが中心"ではなく"自分の人生をちゃんとやっていて、でも私、1型糖尿病なんだ…"という発言のあったことが心に残ったそうです。

最後にチャプレンが19世紀の米国の詩人、エミリー・ディキンソンの"If I can stop one heart from breaking, I shall not live in vain; もし誰かの心が壊れていくのを止めることができるなら、あなたの人生は決して無駄ではない"という一節から始まる詩を紹介しました。
 自分の血糖をコントロールしていくことに気持ちがついていかない時、まず「人のために頑張ってみようか」と目標が定めてみる。社会のために、家族のために、友人のために…

グループミーティングに参加し、改めて"何のために生きるのか""何のために糖尿病とつきあっていくのか"について考えてみました。