開催報告

第34回 若い糖尿病患者さんとのグループミーティングのまとめ(1)

3月26日(日)開催、「第34回 若い糖尿病患者さんとのグループミーティング」参加医師の先生方が、当日感じられたことをご紹介します。

「心に残った今日の一言」 

新潟大学医歯学総合病院 小児科 小川 洋平 先生
(運営メンバー/ファシリテーター)

「医療者に求めすぎないほうが良い」 本日のグループミーティングで長く1型糖尿病と付き合ってこられた方の言葉です。

この方は1型糖尿病を発症してから今まで、医療機関の変更や主治医の交代をいくつも経験されてきました。その過程で1型糖尿病を持つ自分の体がわかるようになるとともに、医療者に対する過度な期待は、良い結果をもたらさないと理解されたようです。 医療者に過度に依存せず、自身の体調を主体的に管理し責任を持つ姿勢なのだと思いました。「医療者と適切な距離感を持って接する」とのことです。このような意見に対して、他のベテラン1型糖尿病の方も同感だったようです。 患者さん自身の体や人生との向き合い方、患者さんが医療者をどのような存在と考えるか、患者さんと医療者の関係について、考えさせられた一言でした。

「グループミーティングでの患者さんの言葉・感想」 

島根大学医学部附属病院 内分泌代謝内科 守田 美和 先生
(運営メンバー/ファシリテーター)

1型糖尿病患者さんと1型糖尿病患者さんの子を持つ親御さんの会話の中で、 「親から、分かっている事をいろいろ言われるのは良い気もちがしなかった」と意見がでました。 私自身もそうだよね、と思って聞いていました。

次に、「低血糖の時など、普段は自己対応しているのに、病院の採血で低血糖と分かれば、 医療者が砂糖などの糖質を持ってきて、症状をいろいろ聞かれて、何分か後に再度血糖値を測定される、というもの同じように感じる」と意見がでてハッとしました。

客観的に見れば分かる事も、自分たちのしている事は分かっていなかったと、反省しました。 と同時に、親御さんの気持ちも少し理解する事ができたような気がしました。

「第34回グループミーティングに参加して」

中野島糖尿病クリニック 大津 成之 先生
(ファシリテーター)

「自己紹介のときの言葉」 

「(1型糖尿病であることの?)孤独感」「日々、自分です(糖尿病とどうつきあうかについて)」 「私が1型糖尿病なんて、なぜ?」「自分が信じられませんでした」(発症時) 「(発症したとき)ショックだった」「先が不安」

「ディスカッションの中でのこと」

発症4年の女性。仕事の面接が明日あるのだが、そこで1型のことを話したほうがいいのかどうか、とまず司会者に訊ねてきた。 本人としては、話すことで採用されないのではと思う一方、もし仕事で低血糖になって倒れたときのことを考えると不安になると話された。 司会者から他の方々に振ったところ、いろいろな意見、自分の経験談が出たものの、結局まとまらなかった。 しかし、本人なりにどこかで納得したようで、「腑に落ちる」とはこういうことかとみていて感心し、印象に残りました。

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