開催報告

第34回 若い糖尿病患者さんとのグループミーティングのまとめ(2)

東京女子医科大学糖尿病センター 小林浩子

第34回グループミーティングには患者さん33名(内、医療者2名)、ご家族9名、医師7名(内スタッフ4名)、看護師6名の方にご参加いただきました。

今回のミーティングでは、発症15年目のKさんの言葉「1型糖尿病とうまく付き合うには、自分が自身の最高の主治医になることです!」、が心に残りました。ミーティングで他の患者さんの工夫を聞き、“なるほど”と思ったことは実際に試してみるそうです。医学的に偏った治療にのめり込むのは危険ですが、医療者や知人からの様々なアドバイスも、結局は自分の考えや生活に合わないと、実行してみる気にはなりません。例えば低血糖の時はブドウ糖をとるのか、ジュースを飲むのか? スポーツジムに行く日にはインスリンを減らすのか補食をとるのか?などです。自分にとってベストな対処法を決定できるのは自分自身であり、そのような意味で確かに最高の主治医は自分自身なのだと思います。

日本の有名な心理学者、河合隼雄先生が生前に日本における糖尿病診療について「医師が糖尿病をどう見ているかじゃなくて、患者が糖尿病をどう見ているかという風にシフトしてきたわけです。面白いですね。」とおっしゃいました。自身の最高の主治医でもある患者さんに、医療者がどうサポートできるのか。今後の我々の課題です。

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