開催報告

第35回 若い糖尿病患者さんとのグループミーティングのまとめ(1)

6月4日(日)開催、「第35回 若い糖尿病患者さんとのグループミーティング」参加医師の先生方が、当日感じられたことをご紹介します。

「あなたの病気は1型糖尿病です」と言われた時の気持ち

新潟大学医歯学総合病院 小児科 小川 洋平 先生
(運営メンバー/ファシリテーター)

グループミーティングの際、皆さんから「1型糖尿病」と知った時の気持ちを聞かせてもらいました。 大きなショックを受け自身の将来に絶望された方、「2型」ではなくほっとされた方(大好きな食事を制限しなくて済むから、だそうです)、まだ幼少であったためほとんど記憶されていない方、家族に申し訳ないと思った方、と一人一人が大きく異なっており、驚きました。

同じ病気なのに、どうして診断された時の気持ちがこんなに違うのでしょうか。その人の性格、年齢、取り巻く環境、そして医療者の説明の仕方、など幾つも要因が浮かびます。

私たち医療者は、「患者さん自身の病気に対する捉え方は診断時から大きく異なる」ことを知っておくべきかと思います。「その気持ち」を汲み取り、決して過剰ではない精神的サポートができればより良いはずです。「その気持ち」を十分に汲み取ることは容易ではないと思われますが、まずは意識することから始めてみたいと思います。

「グループミーティングに参加して今回思ったこと」

中野島糖尿病クリニック 大津 成之 先生
(ファシリテーター)

発症時、まだ1型かどうかわかる前に、「1型だったらごめんね」と医師から言われた方がいました。 その意味は「インスリンをずっと続けなきゃいけないから」と後にわかったそうです。医師は何気なく口にしたのでしょうが、患者さんにとってはずっと心に残り続けるのだなと改めて思い、自戒の念を持ちながらお聞きしました。

また、今回1型の方が親御さんに対しどういう思いでおられるのかいろいろと聞くことができました。 子どもであっても大人であっても、親に対し心配をかけたくないという思いを持ち、それを密かに伝えたり、あるいは伝えないことで親を気遣っていたりと様々でした。 1型という他の人よりやることが増えている中で、皆さん優しい気持ちを持ち続けていることに感銘を受け、この気遣いが遠慮や葛藤にならず適度な距離感を持ってこれからも続けていかれたらいいなと思いました。

「第35回グループミーティングに参加して」

東京女子医科大学 糖尿病・代謝内科 保科 早里 先生
(ファシリテーター)

1型糖尿病を発症し、医療者から糖尿病について、インスリン、低血糖、合併症について、様々な知識とインスリンの調整方法を教育され、自分で頑張っていながらも、この先自分はどうなるのか、これからどうしたらいいのか、糖尿病の向き合い方など漠然とした不安や悩みがあったかと思います。 不安な気持ちの中、初めてこの会に参加し、自分と同じ病気の人が周りにもこんなにたくさんいるという状況に感極まった方の気持ちを改めて実感、共感しました。

1型糖尿病は発症時やその直後に医療者から受ける印象により、そのあとの糖尿病との関わり方が変わってくるように思います。 ネット社会になり、医療者からだけでなく、情報を得られる機会が多くなったため、 発症間もなくても血糖コントロールに苦労しない人が増えている印象でしたが、糖尿病に向き合う人たちと会話することで、さらに前向きに生きていけるように思います。 医療者としても患者さんと向き合って、たくさん会話していきたいです。