<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom">
    <title>私の糖尿病50年-糖尿病医療の歩み</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/" />
    <link rel="self" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/atom.xml" />
   <id>tag:www.dm-net.co.jp,2026:/gotoh//30</id>
    <link rel="service.post" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30" title="私の糖尿病50年-糖尿病医療の歩み" />
    <updated>2014-11-12T10:14:00Z</updated>
    
    <generator uri="http://www.sixapart.com/movabletype/">Movable Type  7.9.5</generator>
 

<entry>
    <title>炭水化物消化阻害薬(α-GT)</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#005477" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=5477" title="炭水化物消化阻害薬(α-GT)" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2007:/gotoh//30.5477</id>
    
    <published>2007-03-15T05:48:39Z</published>
    <updated>2012-12-21T11:14:35Z</updated>
    
    <summary>1. その新薬は何が適応なのか 　いまα-グルコシダーゼ阻害薬（以下α-GI）は...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="51" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. その新薬は何が適応なのか</div>

　いまα-グルコシダーゼ阻害薬（以下α-GI）は糖尿病治療薬として汎用されているが、はじめAcarboseはドイツのバイエル社からは何に有効な薬か分からないまま導入された。バイエル社の研究所でもこの適用疾患が分からなかったのであろう。それで日本のバイエル社では消化吸収に関係あることから、消化器病学会のその分野の研究者にあたった。<br />

　しかし適応となる疾患が見当たらないことから、次に肥満や高脂血症が適応とならないかということで、1977年より五島雄一郎教授が世話人となってその分野の研究が始まったが、やがて対象は糖尿病であることが分かり、五島教授の下11名の中央委員が選ばれ、1982年7月より治験が開始された。

<div class="title3">2. Acarbose（BAYg5421）の臨床試験</div>

　対象にしたのは一定期間食事療法を行っても空腹時血糖（FBS）120mg/dL以上または食後血糖（PBS）2時間値200mg/dL以上で35-75歳の人。インスリンや経口血糖降下薬で治療中の人や、重篤な併発症、妊娠の可能性のある人、胃腸疾患のある人は除外された。治験はA群、アカルボース50mg錠を1日3回（150mg/日）朝・昼・夕食中に服用、B群100mg錠を1日3回（300mg/日）食中に服用。4週間の観察期に続いて8週間の治療期、さらに4週間の追跡観察期というプロトコールであった。<br />

　治験は1983年3月に終了し、A群、B群ともに食後2時間値は有意に低下した。特にPBS200mg/dL以上の群では両群ともにP<0.001の有意差で下降がみられた。FBS140mg/dL以上の例でも有意に下降し、B群がより著明であったが、PBS200mg/dL以下の例やFBS140mg/dL以下の例では有意の下降は認められなかった（医学のあゆみ 149巻 7号、1989）。<br />

　五島教授は血清脂質の研究者であったので、血清脂質への影響も検討された。我々のグループでは丸浜喜亮博士が小腸よりの糖質吸収も含め詳細に検討し発表した（Tohoku J. exp. Med. 130、243-252、132、453-462、1980）。全国の治験成績では高脂血症例に対しては有意の下降が認められたが、正常例をさらに低下させる作用は認められなかった。<br />

　1981年10月8日-10日にスイス・レマン湖畔の風光明媚なChillon城のあるモントレで第1回アカルボース国際シンポジウムが開催され出席した。アカルボースに関する総説は丸浜教授により1982年に報告された（医学ジャーナル 18、1167-71）。第2回のシンポジウムは1987年11月12日-14日ベルリンで開かれ、筆者は日本の成績をまとめて報告した。<br />

　1988年7月にDCCTの世話人をやったMGH（マサチュセッツ総合病院）のD. M. Nathan博士より抗糖尿病治療探求の国際委員会を結成するので参加して欲しいとの手紙をいただき受諾した。バイエル薬品がスポンサーで年に3度ほど委員会が開かれいろいろの発表を聞くことができた。STOP-NIDDMのChiasson教授、ドレスデンのHanefeld教授などもメンバーであった。

<div class="title3">3. 日本でも作っていた</div>

　1985年5月に第28回日本糖尿病学会が大津で開催された。そのとき武田薬品の方からアカルボースと似た作用をもつ物質が細菌より分離されたので、治験の世話人になって欲しいとの話があった。それから治験に賛同くださる方々にお願いしてプロトコールを作成し、第2相の用量反応試験を行った。その結果は副作用が多過ぎて不評であった。そこで用量を1/10に下げたところ、今度は結果が現れないことが分かった。もうひとつのdosisでやって欲しいとの会社の要望があり、「もう一度ですか」と言う治験担当の方々にお願いして第3度目の用量試験を行った。<br />

　その結果は納得できる結果であったので（臨牀と研究 69、1237-1256、1992）、第3相二重盲検比較試験のプロトコロールを検討し0.2mg錠1日3回とブラセボ錠1日3回との比較試験を開始。1992年5月に治験223例の解析結果がまとまった。その成績では食後1時間値の抑制が最も著しく、次いで2時間値の抑制であった。血中インスリン値、血清脂質には大きな変動はなく、また副作用はアカルボースを参考にしたためか、重症のものは少ない傾向がみられ、日常臨床に使用可能と判断され<nobr>た。</nobr>

<div class="title3">4. α-GIの作用機序の解析</div>

　α-GIの食後過血糖抑制作用を納得できるほどに明確にしたいと考え、動物実験室のない病院に移った筆者らは武田薬品中研の松尾隆夫氏らにお願いして正常ラットに蔗糖を負荷してボグリボースの投与による影響を検討していただいた。小高裕之氏らの成績は<b>図1</b>のように、対照では1時間後に小腸上部に蔗糖がみられるだけで、その下部にはなく、一方ボグリボーズ0.1mg/kg投与群では6時間後にもなお小腸下部、大腸に蔗糖が認められ、0.03mg/kg投与群ではそれらの中間の変動であった。

<div align="center"><table cellpadding="12" cellspacing="0" border="0" bgcolor="000000">
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff" align="left" class="moji3">
<b>図1　消化管内sucrose量の時間的変化</b><br />
<img src="/gotoh/51/zu01.gif" border="0" vspace="4">
</td></tr></table></div>

　腸内に未消化の炭水化物があると大腸で細菌により分解されて水素ガスを発生したり酢酸、酪酸、乳酸などの有機酸になり腹部膨張、下痢その他の症状を招くことになる。水素ガスは腸管壁より吸収されて呼気として排出されるので、呼気中の水素ガスを測定すれば腸管内でのガス発生を間接的に知ることができる。人工的二糖類のlactuloseは小腸内で消化されることがないので大腸で分解されて水素ガスを発生する（<A href="http://www.dm-net.co.jp/gotoh/46/" target="_blank">No.46</A> 参照）。<br />

　そこで健康なボランティアにlactulose13gを経口投与して経時的にみた(<b>図2-1,2,3</b>)。<b>図2-3</b>のように水素ガスが発生する。蔗糖100gとブラセボを投与したときには小腸で消化吸収されるので、ガスの発生はみられない。ボグリボース0.2mgと蔗糖100gを投与したときにはわずかに発生するのが小量であることが分かった。これらは糖尿病グループの山田憲一博士、大山武博士、それに武田薬品の井上氏らが外来の休診の土曜日にボランティアに来院いただいて検討を行ったので、井上氏らは大阪より何度も来仙された（Diab. Res. Clin. Pract、28、81-87、1995）。

<div align="center"><table cellpadding="12" cellspacing="0" border="0" bgcolor="000000">
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff" align="left" class="moji3">
<b>図2-1　血糖推移</b><br />
<img src="/gotoh/51/zu02-01.gif" border="0" vspace="4">
</td></tr></table></div>

<div align="center"><table cellpadding="12" cellspacing="0" border="0" bgcolor="000000">
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff" align="left" class="moji3">
<b>図2-2　血中インスリン推移</b><br />
<img src="/gotoh/51/zu02-02.gif" border="0" vspace="4">
</td></tr></table></div>

<div align="center"><table cellpadding="12" cellspacing="0" border="0" bgcolor="000000">
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff" align="left" class="moji3">
<b>図2-3　呼気水素ガス濃度推移</b><br />
<img src="/gotoh/51/zu02-03.gif" border="0" vspace="4">
</td></tr></table></div>

　このような成績を基に考えられた模式図が<b>図3</b>のようなものであり、アカルボースとの違いは<b>図4</b>に示されている。<br />

<div align="center"><table cellpadding="12" cellspacing="0" border="0" bgcolor="000000">
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff" align="left" class="moji3">
<b>図3　糖質の吸収遅延と吸収阻害の関係（模式図）</b><br />
<img src="/gotoh/51/zu03.gif" border="0" vspace="4">
</td></tr></table></div>

<div align="center"><table cellpadding="12" cellspacing="0" border="0">
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff" align="left" class="moji3">
<b>図4　炭水化物の消化・吸収過程とα-グルコシダーゼ阻害薬の作用部位</b><br />
<img src="/gotoh/51/zu04.gif" border="0" vspace="4">
</td></tr></table></div>

　このようにしてアカルボースは1993年10月に製造が許可されて同年12月13日より販売、ボグリボースは翌年8月に製造許可、9月より販売となった。

<div class="title3">5. 膵島変性を改善</div>

　武田薬品中検ではGKラットの膵島が加齢とともに障害されていくことに注目し、ボグリボース4.1mg/kg/日を9週間投与し、GTT時のインスリン値と膵島のインスリン分泌細胞を対照と比較した。そして同週齢のGKラットに比較してインスリンの分泌が良好で、インスリン分泌細胞が明らかに多いことを見出した。α-GIには膵島の保護作用のあることも分かった。この他にも小高氏らはGKラットを用いてSU剤との併用などについても多くの研究を行った。

<div class="title3">6. インスリン療法に併用</div>

　インスリン治療で全ての症例をコントロールできるわけではない。食事療法が守られていなければ当然コントロールは不良であるが、また食後の急速な血糖上昇を抑制しようとすると、インスリンは過量になり低血糖を起こす。そこでα-GIを用いて食後の上昇を緩和しインスリンを利かせればよいと考えた。筆者はブドウ糖二重負荷試験の研究で血糖曲線は個々の血糖曲線の和で説明できることを証明していた（<A href="http://www.dm-net.co.jp/gotoh/05/" target="_blank">No.5</A> 参照）。今回は食後の血糖上昇をα-GIで抑え、それをさらにインスリンで抑えるという方式である。血糖曲線の和だけでなく減（引き算）も成りたつことがわかり<b>図5</b>のような説明図を考えた。いずれにしても食事摂取後の急激な血糖上昇の緩和策にはα-GIの使用が有効といえる。

<div align="center"><table cellpadding="12" cellspacing="0" border="0" bgcolor="000000">
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff" align="left" class="moji3">
<b>図5　インスリン治療へのα-グルコシダーゼ阻害薬の併用</b><br />
<img src="/gotoh/51/zu05.gif" border="0" vspace="4">
</td></tr></table></div>

<div class="title3">7. ミグリトール</div>

　アカルボースはグルコバイ、ボグリボースはベイスンとして販売され、グルコバイは中国でも発売された。武田薬品でも天津にある武田公司が1995年にベイスン（倍欣）の発売記念講演会を開き筆者が担当した。さらに2年後には北京を中心として上海その他の主要都市を結ぶテレビ討論会が行われ大成功であった。<br />

　アカルボースは<b>図4</b>にみるように二糖類に対する作用は強くない。バイエル社では小腸粘膜上皮細胞刷子縁の二糖類水素酵素を阻害するα-GIを開発しミグリトールとして欧米で発売していた。わが国でも1991年より第1相試験が行われ、第2相・用量反応試験の世話人代表を引き受けることになった。1回25mg、50mg、75mgの3用量で行うことにし1994年1月から82施設で行われ97年4月に終了した。50mg錠が効果や副作用の点から妥当と結論された（薬理と治療 33巻11号、1099-1111、2005年）。<br />

　第3相試験からは堀田饒院長（中部労災病院）が世話人代表として三和化学研究所が行うことになり、全て成功し現在セイブルとして発売されている。]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>アルドース還元酵素阻害薬</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#005638" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=5638" title="アルドース還元酵素阻害薬" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2007:/gotoh//30.5638</id>
    
    <published>2007-04-25T11:20:37Z</published>
    <updated>2010-04-12T07:57:10Z</updated>
    
    <summary>1. ポリオール代謝 　ブドウ糖をはじめ単糖の第1位のCはCHOとアルデヒド基と...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="52" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. ポリオール代謝</div>

　ブドウ糖をはじめ単糖の第1位のCはCHOとアルデヒド基となっている。このCにH<font size="-2">2</font>が結合して<img src="/gotoh/52/model.gif" border="0">となり糖アルコールになったものはポリオールで、ブドウ糖のポリオールはソルビトールと呼ばれる（<b>図1</b>）。<br />

<div align="center"><table border="0" cellpadding="0"><tr><td>
<table border="0" cellpadding="8" cellspacing="0" class="moji3">
<tr><td align="left"><b>図1　ポリオールの種類と前駆物質</b><br />
<img src="/gotoh/52/zu01.gif" border="0" vspace="8">
</td></tr></table>
</td></tr></table></div>

　ソルビトールは1900年に発見され、それが精子のエネルギー産生経路であることがHers（1956年）により明らかにされた。続いてVan Heyningen（1959年）はアロキサン糖尿病家兎の白内障レンズの中にソルビトールが、異常高値であることを見出した。マサチュセッツ総合病院（MGH）眼科研究部のJ. H. Kinoshitaはラットの飼料にガラクトースを加えて飼育し、ラットが白内障になってからレンズを分析し、そこにガラクチトール（dulcitol）が蓄積していることを認め、このポリオールの蓄積が白内障の原因であることを指摘した。<br />

　ガラクトースはdulcitolになってもさらに代謝されないのでレンズやその他の組織に蓄積する（<b>図2</b>）。Kinoshita博士がMGHのカンファレンスでその成績を発表するのを聴いていたレジデントのK. H. Gabbyは、糖尿病でも同様にポリオールがレンズのみらなず神経にも蓄積するのではなかろうかと考えた。そしてアロキサン糖尿病ラットの神経を分析し、ソルビトール、果糖が増量していることを見出した。続いてJ. Wardらもそれを確認した（1972）。

<div align="center"><table border="0" cellpadding="0"><tr><td>
<table border="0" cellpadding="8" cellspacing="0" class="moji3">
<tr><td align="left"><b>図2　ポリオール経路</b><br />
<img src="/gotoh/52/zu02.gif" border="0" vspace="8">
</td></tr></table>
</td></tr></table></div>

<div class="title3">2. アルドース還元酵素阻害薬（ARI）の開発</div>

　このようにポリオール経路が明らかにされると、次はこの経路の阻害薬を見出すことに目が向いた。1980年になると多くのARIが開発され、わが国でもその治験が行われた。Ayerst社のAlrestatin、Tolrestat、ICI社のStatil、ファイザー社のSorbinilなどであるが、いずれも皮疹などの副作用が強く、わが国では治験が中止された。糖尿病ラットに対する効果は確実であったので、重症の副作用のないARIを探すことが行われた。<br />

　小野薬品工業ではEpalrestatを開発し筆者はそれが臨床で使用できるかについて第2相試験を依頼された。当時は糖尿病性神経障害の診断は、神経障害の症状があり、原因と思われる疾病が糖尿病以外にないこと、あるいは原因として糖尿病がもっとも妥当なことが診断の根拠となった。神経伝導速度の測定や、振動覚閾値の測定などについては標準化がなされておらず、各クリニックのやり方で行われていたという状況であった。<br />

　Epalrestatの第2相試験は1982年2月より83年5月まで行われた。参加施設は10施設で、知覚障害や自発痛などの末梢神経障害の症状が認められ、かつ血糖コントロールが安定している152例で67例に1日300mg、85例に600mgを2週間、4週間投与し､その有効性、副作用を比較した。その結果Epalrestat大量群に有効性が高く、自覚症状の改善が認められた。次に用量を少なくしメコラバミンを対照として比較試験が行われ150mg/日でも有効であることが認められた。<br />

　1984年の11月27日から12月2日までホノルルで米日アルドース還元酵素ワークショップがKinoshita博士の共同研究者のKador. PF博士の世話で開催され出席した。当時、小野薬品工業ではEpalrestatの治験中で槇田氏も出席していた。Epalrestatが薬となるのかと心配しながらホノルルの浜辺を眺めていたのを思い出す。

<div class="title3">3. ARIの治験</div>

　Epalrestatの第3相試験は1987年10月より89年3月まで行われた。メコラバミンとの比較試験で150mg/日でも有効性が認められたので、毎食前50mgを1日3回服用するA群と実薬群は尿が黄色となるので、ブラセボを対照とすることができず、Epalrestat 3mgを含む錠剤を1日3回服用するものをP群とした。12週間服用し、自覚症状（自発痛、しびれ感、感覚麻痺、冷感）を投与前、2、4、8、12週後に100mmのアナログスケールを用い、主治医が任意の場所に印を記入する方法が用いられた。<br />

　自覚症状の改善はA群47％、P群27％で、A群が有意に優れていた。神経伝導速度はA群では腓骨神経（MCV）、正中神経（MCV、SCV）とも投与前に比べ投与後は有意に伝導速度が増加した（P<0.05）。振動覚閾値にも両群間に有意の差が認められた。自律神経機能 CV<font size="-2">R-R</font> ではA群24％、P群13％の改善率（P<0.1）、また薬剤投与前2.5％以下の症例でみるとA群32％、P群11％（P<0.01）の改善率であった。全般改善度はA群46％、P群28％（P<0.05）でA群が優れていた。安全度はA群94％、B群96％で差はみられなかった。全般改善度および安全度を総合した有用度はA群49％、P群33％でA群が優れていた（P<0.01）。<br />

<div align="center">
<table border="0" cellpadding="20"><tr><td align="left">
<table border="0" cellpadding="8" cellspacing="0" class="moji3">
<tr><td valign="top"><b>表　</td><td><b>血糖コントロールの良否別に比較したエバルレスタット（キネダック）の<br />臨床効果（二重盲検試験成績）</b></td></tr>
</table>
<table border="0" cellpadding="0" align="center"><tr><td class="moji3">
<table border="0" cellpadding="4" cellspacing="2">
<tr><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3" rowspan="2"><nobr>評価項目</td><td bgcolor="99ffff" class="moji3" rowspan="2"><nobr>群</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3" colspan="3"><nobr>全症例</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3" colspan="3"><nobr>HbA1c 7.0％未満</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3" colspan="3"><nobr>HbA1c 7.0％以上</td></tr>

<tr><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3"><nobr>例数</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3">改善例</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3">％</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3">例数</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3">改善例</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3">％</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3">例数</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3">改善例</td><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3">％</td></tr>

<tr><td bgcolor="99ffff" class="moji3" rowspan="2"><nobr>自覚症状改善度</td><td bgcolor="99ffff" class="moji3" align="center">A</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">92</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">43</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">47**</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">29</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">11</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">38</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">51</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">28</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">55**</td></tr>

<tr><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3"><nobr>P</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">93</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">25</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">27</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">31</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">10</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">32</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">56</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">14</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">25</td></tr>

<tr><td bgcolor="99ffff" class="moji3" rowspan="2"><nobr>神経機能改善度</td><td bgcolor="99ffff" class="moji3" align="center">A</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">89</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">29</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">33</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">26</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">4</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">15</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">51</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">22</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">43*</td></tr>

<tr><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3"><nobr>P</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">90</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">22</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">24</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">30</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">9</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">30</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">55</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">12</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">22</td></tr>

<tr><td bgcolor="99ffff" class="moji3" rowspan="2"><nobr>全般改善度</td><td bgcolor="99ffff" class="moji3" align="center">A</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">89</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">41</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">46*</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">26</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">8</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">31</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">51</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">30</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">59**</td></tr>

<tr><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3"><nobr>P</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">90</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">25</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">28</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">30</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">10</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">33</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">55</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">14</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">25</td></tr>

<tr><td bgcolor="99ffff" class="moji3" rowspan="2"><nobr>有用度</td><td bgcolor="99ffff" class="moji3" align="center">A</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">89</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">44</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">49*</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">26</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">10</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">38</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">51</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">31</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">61**</td></tr>

<tr><td align="center" bgcolor="99ffff" class="moji3"><nobr>P</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">90</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">30</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">33</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">30</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">12</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">40</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">55</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">16</td><td bgcolor="ddffff" class="moji3" align="center">29</td></tr>
</table>
A：エバルレスタット群　　P：ブラセボ群　　**P<0.001　　*P<0.05
</td></tr>
</table></td></tr>
</table></div>

　このようにしてEpalrestatは薬剤として臨床に用いられることになった（医学のあゆみ、152、No6、405-416、1990）。<br />

　当時は明確なエンドポイントが示されなくともよい時代だったので、Epalrestatはキネダックとして市販された。なによりも皮疹をはじめ重篤な合併症が起こらなかったのがよかった。]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>神経障害治療薬の開発</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#005684" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=5684" title="神経障害治療薬の開発" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2007:/gotoh//30.5684</id>
    
    <published>2007-05-15T05:54:38Z</published>
    <updated>2012-12-21T11:27:14Z</updated>
    
    <summary>1. ARIの開発競争 　キネダック（小野薬品）が治療に用いられ、しかも他のAR...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="53" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. ARIの開発競争</div>

　キネダック（小野薬品）が治療に用いられ、しかも他のARI（アルドース還元酵素阻害薬）のような強い副作用がないことから、次第に広く用いられるようになった。医師の中には神経痛様作用の軽減など速効性効果を期待する者も多く、作用機序の理解をいただくのに時間を必要とした。<br />

　製薬会社では内外を問わずARIの開発に熱心で藤沢薬品K.K.ではZenarestatを開発し、第1相試験を終え第2相試験より治験を依頼された。キネダックの治験では有効性の評価に厳格な客観指標のエンドポイントはなかったが、やはりそれをやらなければ国際的にも認められないだろうという考えになった。振動覚計もnm単位で測定できる機器も作製していただいた。

<div class="title3">2. 神経興奮伝導速度測定の標準化講習会</div>

　末梢神経興奮伝導度（NCV）は1966年より外来診療に用いていたが（<A href="/gotoh/33/" target="_blank">No.33</A>参照）、ロンドンで研究を終えた弘前大学第三内科の馬場正之博士、また京都大学神経内科の木村淳教授より有益な助言をいただいた。特に木村教授は米国でNCVの実施講習会をやっておられたとお聞きして、ぜひその方式でやってくださることをお願いし快諾を得た。<br />

　Zenarestatの開発にはぜひ評価にNCVを用いたいという藤沢薬品の要望もあって治験に参加するグループのNCV担当者を一箇所に集めてNCVを実施させ、細部に至るまで木村教授と教室の方にチェックしてご指導いただき、実施法が均一になるようにした。実施したNCVの波形はFaxで京大に送り、評価に耐えうるか否かを判定し、駄目なものは合格するまでやり直した。この講習は1991年に行った。<br />

　32施設の実施者が実施方法が正しいことをチェックを受け、健常者を対象として上肢、下肢について正中神経、脛骨神経、腓骨神経について運動神経伝導速度（MCV）、知覚神経興奮速度（SCV）、F波伝導速度を測定し、その記録波形を京都大学神経内科にFaxで送ってチェックを受け、2週間後に同一健常者、同一測定者が再度測定を行って波形と測定値のチェックを受けた。それまでこのような講習会は開かれたことがなかったので参加者からはたいそう好評であった。<br />

　第1回目と2回目との記録をFaxで送ったものと比較し、その相関をみると<b>図1</b>のようにもっとも相関の良いのはF波最小潜時で（<b>図の下</b>）、ついでF波伝導速度（<b>図の中央</b>）で運動神経伝導速度（<b>図の上</b>）は最も相関が良くなかった。通常の伝導速度に比べてF波伝導速度の方が相関が良いのは、測定する神経の距離が前者に比べてF波では長いことによるものである。そしてF波最小潜時が最も良いのは、その測定に最もアーテファクトが入りにくいことによると説明された。

<div align="center"><table border="0" cellpadding="0"><tr><td>
<table border="0" cellpadding="8" cellspacing="0" class="moji3">
<tr><td align="left" width="583"><b>図1　神経伝導速度を同じ人が健康な人を1〜4週間間隔で2回測定したときの再現性の比較</b>
<div align="center">△印は男性○印は女性。Rは相関係数。</div>
<div align="center"><img src="/gotoh/53/zu01-2.gif" border="0" vspace="8"></div>
<div align="right">脳波と筋電図 22(4)、384-393、1994より</div>
</td></tr></table>
</td></tr></table></div>

　第3相試験に進み参加施設は65施設に拡大し、同様に講習を行い、そして糖尿病をもつ人についても同意を得て1〜4週間をおいて同じ人が同じ方法で2度目の測定を行った。その第1回と第2回目の検査値の測定間変動範囲（RIV）は

<div align="center"><img src="/gotoh/53/zu02.gif" border="0" vspace="8"></div>

として求めた。また異なるパラメーター間の信頼性比較の指標として級内相関係数（ICC）を用いた。測定誤差が全くない場合はICCは1で、誤差が大きくなるとICCは0に近くなり信頼性が低くなることを示す。<b>表1</b>の(2)には健常者と糖尿病をもつ人に分けてICCを示した。この値が1に近いほど再現性が良いことを示し1より遠ざかるほど再現性が悪いことを示す。このようにして表1をみると(1)の相関係数では最も良いのが正中神経のF波最小潜時（r=0.908）ついで脛骨神経のF波最小潜時（0.899）であり、次にはF波伝導速度で正中神経（0.849）、脛骨神経（0.846）である。<br />

　また(2)のICCをみてもF波最小潜時が良く、次はF波伝導速度という傾向は変わらない。これらのことからARIの治験のエンドポイントはF波最小潜時で行うことになった。

<div align="center">
<table border="0" cellpadding="8"><tr><td align="left" class="moji3">
<b>表1　神経伝導速度等の測定値の再現性の検討</b>
<table border="0" cellpadding="4" cellspacing="2"><tr><td valign="center" align="center" rowspan="2" bgcolor="99ffff">
神経と測定
</td><td valign="center" rowspan="2" bgcolor="99ffff">
<table border="0"><tr><td valign="top">(1)</td><td>1回目と2回目の<br />測定値の相関係数<br />（分析例数）</td></tr></table>
</td><td valign="center" colspan="2" bgcolor="99ffff">
<table border="0"><tr><td valign="top">(2)</td><td>1回目と2回目の検査値の<br />級内相関係数（ICC）</td></tr></table>
</td></tr><tr><td valign="center" bgcolor="99ffff">
健常者（人数）
</td><td valign="center" bgcolor="99ffff">
糖尿病のある人（人数）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
正中神経（運動）<br />
<dd>複合筋活動電位（CMPA）の振幅（mV）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.756（101）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.777（101）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
-
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
<dd>末端潜時（TL）（msec）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.818（101）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.826（101）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.945（148）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
<dd>F波最小潜時（FWL）（msec）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.908（90）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.939（90）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.927（147）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
<dd>運動神経伝導速度（MCV）（m/秒）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.496（101）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.592（101）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
-
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
<dd>F波伝導速度（FCV）（m/秒）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.842（90）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.853（90）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.875（147）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
正中神経（感覚）<br />
<dd>感覚神経活動電位（SNAP）（μV）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.821（103）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.834（103）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.909（126）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
<dd>感覚神経伝導速度（SCV）（m/秒）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.491（103）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.613（103）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.934（126）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
脛骨神経（運動）<br />
<dd><nobr>複合筋活動電位（CMAP）の振幅（mV）</nobr>
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.834（107）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.846（107）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.886（142）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
<dd>末端潜時（TL）（msec）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.586（107）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.617（107）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.663（143）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
<dd>F波最小潜時（FWL）（msec）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.899（70）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.921（70）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.925（140）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
<dd>運動神経伝導速度（MCV）（m/秒）<br />
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.579（107）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.542（107）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.742（143）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
<dd>F波伝導速度（FCV）（m/秒）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.846（70）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.873（70）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.920（139）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
腓腹神経（感覚）<br />
<dd>感覚神経活動電位（SNAP）（μV）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.684（101）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.767（101）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.909（126）
</td></tr><tr><td valign="bottom" bgcolor="99ffff">
<dd>感覚神経伝導速度（SCV）（m/秒）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.797（101）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.699（101）
</td><td valign="bottom" bgcolor="ddffff" align="center">
0.934（126）
</td></tr></table>
<div align="right">(1)脳波と筋電図 22巻4号、384-393、1994より　　(2)糖尿病 42巻 12号、983-989、1999より</div>
</td></tr></table></div>

<div class="title3">3. 手技を標準化し治験を行う</div>

　木村淳教授らによる講習会は藤沢薬品の骨折りで東京などのホテルで行われ、それによって電気生理学的検査の手技は標準化された。これはわが国のこの分野における画期的なことであった。これをもとに藤沢薬品のFK-366（Zenarestat）の治験が進められた。そして第3相が終了し、エンドポイントを比較したが、残念ながら有意の差はなく薬とすることができなかった。<br />

　米国ではミシガン大学のD. A. Greene教授らが中心となってZenarestatの第2相試験が進められ、腓骨神経の伝導速度、また神経生検による神経線維密度などが、ブラセボ、150、300、600mg投与の4群について比較され用量反応的に良好な成績が得られた（Neurology 53巻 580-194頁、1999年）。残念ながらそれ以上は進められなかった。<br />

　またロシュでもARIを開発し、その説明会にも出席しアリゾナ州フェニックスでリサーチ・コーデネーターと治験医師に対する説明会が開かれ出席した。3cm程もある分厚い説明書をもとに4、5時間みな熱心に耳を傾けているのをみて、将来はわが国でもこのようになるだろうと思いながら参加した。ARIについてはこの他にも1、2治験が行われたが、まだ第3層をクリアしたものはなく、ARIについても悲観的に考えてる研究者もいる。

<div class="title3">4. キネダックの有効性が再評価</div>

　ARIの中で薬剤として使用されているのはわが国のキネダックだけである。弘前大学の馬場正之博士らは神経症状のある症例を2群にわけて3年間追跡し、キネダック投与群では症状のみならず神経伝導速度も改善されることを証明した。また名古屋の堀田饒院長らもやはり電気生理学的に有効性を証明された。ARIの開発は現在もなお続いている。]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>人間ドックと糖尿病</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#005830" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=5830" title="人間ドックと糖尿病" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2007:/gotoh//30.5830</id>
    
    <published>2007-06-22T10:31:04Z</published>
    <updated>2011-10-21T10:37:40Z</updated>
    
    <summary>1. 1、2週間かかった人間ドック 　戦争のひもじさから解放され朝鮮戦争で一息つ...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="54" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. 1、2週間かかった人間ドック</div>

　戦争のひもじさから解放され朝鮮戦争で一息ついた頃、ようやく健康への関心が高まってきた。おそろしいのは胃がんで、初期にみつかり手術すれば助かることはわかっていた。こんなことから症状がなくともどこかに悪い所はないかを検査してほしいという希望が多くなった。<br>

　こうして人間ドックは1954年に国立東京第一病院（旧陸軍病院）で始まり、全国に広がった。身体検査の後、翌朝には胃のX線検査、次の日は糖負荷試験、次の日は十二指腸液採取で､太さ5mmほどの軟らかいゴム管の先端に小さな孔が数箇所ある金属球が付いているのを飲み込ませ、胃を通り抜けて十二指腸に入ると胆汁が混じってくるのをみとどけて、ゴム管から硫酸マグネシウム液を入れると胆嚢が収縮して胆汁を採取できる。また日をおいて腸のX線検査、というわけで毎日朝飯を抜くこともできないので、1日おきにやったりする｡1、2週間かかったわけである。<br>

　胸部X線検査、ようやく普及しはじめた心電図検査を行い、喀痰、検便、尿一般、血液像をすべて担当医が検査した。中央検査部がまだなかったからである。そのため赤血球数、白血球数を測定する10cmほどの長さで中程に血液を薄める球部のある混合ピケット（m&#233;langeur）は各自がもっていた。肝機能、クレアチニンなども担当医が測定した。<br>

　こんなわけで大変だったわけである。しかしこの検査を受けると安心できるということで金と時間のある人たちは人間ドックをうけるようになった。<br>

　1960年代になると胆嚢のX線撮影が可能になり胆石の診断も容易になった。胃X線検査はバリウムを飲ませ、被検査の背部よりX線を照射し、腹部にある蛍光板に写る影像を観察し、良い部分を写真に納めるという方法であった。良い写真を撮ろうとして被検者の腹部に手を当てたまま放射することもやった。夕方になるとひ脛がピリピリするような日もあった。それから30年も経ってみると熱心にX線検査を行った同僚の中にはレントゲン障害が現れ指を切断した方もいる。<br>

　1960年代に同級生の西山正治博士は間接撮影法を考案し、現在はX線を被爆することはなくなった。西山博士は河北文化賞を受賞され、医療には多大の貢献をなされた。残念ながら1993年に故人となられた。

<div class="title3">2. 人間ドックの普及と健診</div>

　このようにして人間ドックが始まり、医学が進歩し検査法が次々に開発され、そしてなによりも病院には中央検査部ができ、検査はオーダーし伝票を出せば検査成績が届けられるようになった。<br>

　また人間ドックで癌ももつかることから、西山博士の発明したX線装置をバスに積み、病院のない地域でも検査できるようになった。このようにして胃癌の集団検診が次第に普及した。また血液も調べて血糖、血清脂質、そして血圧などの測定も行う健康診断も行われるようになった。<br>

　検診と健診、癌検診とか、一般健診といった言葉が使われている。癌、高血圧、糖尿病などの病気を絞って検査するのを検診、より多くの異常の有無を検査するのを健診（健康診断）と区別して用いるが、癌健診といっても誤りというわけではない。

<div class="title3">3. 糖尿病の検診<br>　 ―飽食試験では100万人いるという結果だったが実際は</div>

　樺太連理草が発端でメゾキサンという経口糖尿病治療薬が創られ市販されたことは<A href="http://www.dm-net.co.jp/gotoh/06/" target="_blank">No.6</A>に記した。それを創った東京大学薬理学教室の小林芳人教授が中心となり1957年2月頃に糖尿病学会を設立しようという会議が始まったが、そこに戦勝国でつくった国連に1949年に設置されたWHO（世界保健機構）から、日本の糖尿病の頻度についての問合せがあった。<br>

　それでメゾ蓚酸塩の研究会を中心に日本の糖尿病の頻度を調査することになった。いままでこのような調査を行った経験もなく、研究会の方々は苦心されたようである（<A href="http://www.dm-net.co.jp/gotoh/07/" target="_blank">No.7</A>参照）。<br>

　著者も検診に参加し、仙台の工場の40歳以上の方々にお願いし実施した。研究班の方式は朝に米飯300g（茶碗2杯以上）をとり、2時間後に耳朶血を採り血糖をHagedorn-Jensen法変法で測定し、尿糖も検査し、血糖140mg/dL以上の方々には二次検査を行った。やはり米飯300g以上に菓子をとらせるもので飽食試験と呼んだ。当時は米飯中心の食事であったので､米飯を毎食2杯ずつ食べるのは普通であった。蛋白質も米飯の蛋白質を主要なものとしていた時代であった。この飽食試験では食後2時間および3時間の血糖を測定し、両方とも140mg/dL以上ならば糖尿病、いづれか1つが140mg/dL以上なら疑糖尿病､両方とも140mg/dL未満なら非糖尿病と判定するものであった。<br>

　1957-58年の全国集計では1万2,798名中糖尿病342名（2.67％）、疑糖尿病576名（4.47％）、1962年の3,273名では糖尿病248名（7.58％）、疑糖尿病230名（7.02％）であった。1957-58年の結果をもとに、1955年の全人口8927万4900人中40歳以上は2370万人であることから､40歳以上の糖尿病人口は約100万人と推定され、その数字が小林芳人教授により第15回日本医学会総会（1959年）、第16回（1964年）総会で発表された。<br>

　当時は糖尿病が100万人もいると驚いたものであったが、その後糖尿病の診断基準がめまぐるしく変わった。現在はブドウ糖75gを飲んで2時間後の静脈血グルコース値200mg/dL以上の場合に糖尿病と判定される。そこでこの基準に直してみることにした。<br>

　1泊人間ドック受検者3,845名のうち2時間値140mg/dL以上の方々は1,114名で、そのうち200mg/dL以上の方は290例（26.0％）であった。したがって100万人という数字は26万人になってしまう。また血糖の測定法がHagedorn-Jensen法と現在の酵素法とでは、前者が約20mg/dL高くでる。したがって当時140mg/dLといっていたのは現在の測定法では120mg/dLということになる。そこで一泊人間ドック受検で75gGTT120mg/dL以上だった方々1,978名についてみると、糖尿病（200mg/dL以上）の方は290名（14.7％）であった。<br>

　したがって100万人という数字は現在の基準に直すと14万人ということになる（健康医学 10巻3号、226頁、1996年 参照）。

<div class="title3">4. 社保病院の全国糖尿病調査</div>

　健康保険が1927年より発足、少しずつ普及し、日支事変より太平洋戦争が始まり、健康保険事業の影も薄れかけた。そこで社会保険協会（1937年設立）では、44年より全国主要都市に社保病院設置を始めた。戦後の混乱と闇市経済から脱した頃には社保病院も40以上になった。<br>
　1985年社保中央病院の日野佳弘院長らは全国の社保病院に呼びかけ34施設で糖尿病検診を行った。対象としたのは政管検診で二次テスト（50gGTT）が必要とされた方2,708名、一泊人間ドックを受けられた1,623名の方々である。<br>
　政府管掌保険者約14万名のブドウ糖負荷試験（50gGTT）の成績と既知糖尿病の例数などが<b>表1</b>に示されている。14万人のうち新たに糖尿病とわかったのは299例（男性0.25％、女性0.11％）の低率であった。既知糖尿病は男性2.16％、女性0.93％と低率であった。<p />
<div align="center"><table border="0" cellpadding="0"><tr><td>
<div align="left" class="moji3">
<b>表1　政管健診総受診者中の糖尿病などの頻度</b>
</div>
<table border="0" cellpadding="3" cellspacing="3" class="moji3">
<tr><td rowspan="2" valign="center" bgcolor="99ffff">年齢</td><td colspan="5" align="center" bgcolor="99ffff">男性（100,097名）</td><td colspan="5" align="center" bgcolor="99ffff">女性（39,988名）</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="99ffff">総数</td><td valign="top" bgcolor="99ffff">既知<br>糖尿病</td><td valign="top" bgcolor="99ffff">新規<br>糖尿病</td><td valign="top" bgcolor="99ffff">境界型</td><td valign="top" bgcolor="99ffff">腎性<br>糖尿</td><td valign="top" bgcolor="99ffff">総数</td><td valign="top" bgcolor="99ffff">既知<br>糖尿病</td><td valign="top" bgcolor="99ffff">新規<br>糖尿病</td><td valign="top" bgcolor="99ffff">境界型</td><td valign="top" bgcolor="99ffff">腎性<br>糖尿</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff"><30</td><td align="right">4,229</td><td align="right">17</td><td align="right">2</td><td align="right">28</td><td align="right">1</td><td align="right">1,832</td><td align="right">1</td><td align="right">0</td><td align="right">4</td><td align="right">2</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">30代</td><td align="right">17,506</td><td align="right">180</td><td align="right">25</td><td align="right">271</td><td align="right">9</td><td align="right">5,090</td><td align="right">15</td><td align="right">2</td><td align="right">23</td><td align="right">3</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">40代</td><td align="right">40,830</td><td align="right">838</td><td align="right">102</td><td align="right">1,085</td><td align="right">35</td><td align="right">18,874</td><td align="right">148</td><td align="right">19</td><td align="right">204</td><td align="right">5</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">50代</td><td align="right">27,776</td><td align="right">839</td><td align="right">93</td><td align="right">984</td><td align="right">32</td><td align="right">12,217</td><td align="right">155</td><td align="right">20</td><td align="right">209</td><td align="right">6</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">60代</td><td align="right">9,042</td><td align="right">266</td><td align="right">29</td><td align="right">314</td><td align="right">10</td><td align="right">1,864</td><td align="right">50</td><td align="right">5</td><td align="right">50</td><td align="right">1</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">70代</td><td align="right">701</td><td align="right">28</td><td align="right">2</td><td align="right">23</td><td align="right">1</td><td align="right">111</td><td align="right">2</td><td align="right">0</td><td align="right">4</td><td align="right">0</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">80代</td><td align="right">13</td><td align="right">0</td><td align="right">0</td><td align="right">1</td><td align="right">0</td><td align="right">0</td><td align="right">0</td><td align="right">0</td><td align="right">0</td><td align="right">0</td></tr>
<tr><td valign="top" align="center" rowspan="2" bgcolor="ddffff">計<br>（％）</td><td align="right">100,097<br>100</td><td align="right">2,168<br>2.16</td><td align="right">253<br>0.25</td><td align="right">2,706<br>2.70</td><td align="right">88<br>0.08</td><td align="right">39,988<br>100</td><td align="right">371<br>0.93</td><td align="right">46<br>0.11</td><td align="right">494<br>1.23</td><td align="right">1<br>0</td></tr>
</table>
<div align="left" class="moji3">
* 年齢など記載のない例は除外した、GTT判定基準は学会基準による。<br>
日野佳弘ほか：糖尿病健診の効率化に関する研究（1985年）全国社会保険連合会より引用
</div>
</td></tr>
</table></div>
<br>
　次に一泊人間ドックの成績をみると<b>表2</b>のようになる。第1日目の午前中は胃X線検査を行い、その他の一般検査を行い、第2回目にブドウ糖負荷試験が行われる。その結果は<b>表2</b>のようにまとめられている。糖尿病型のものは男性5.8％、女性2.4％、境界型は男性50.3％、女性56.6％となっている。現在から20年前の成績であり、その頻度は低い。これはその当時の糖尿病を示す貴重なものと思い、ここに引用させていただいた。<br>

　当時日野先生はわざわざ仙台までおいでになり、筆者に意見を求められたのを記憶している。なお、日野先生らが引用されているGTT判定基準は<b>表3</b>のようであった。<p />
<div align="center"><table border="0" cellpadding="0"><tr><td>
<div align="left" class="moji3">
<b>表2　社保病院一泊人間ドックの50gGTT成績（1985年）</b><br>
</div>
<table border="0" cellpadding="6" cellspacing="3" class="moji3">
<tr><td rowspan="2" valign="center" bgcolor="99ffff">年齢</td><td colspan="3" align="center" bgcolor="99ffff">男性（1,296名）</td><td colspan="3" align="center" bgcolor="99ffff">女性（293名）</td><td colspan="3" align="center" bgcolor="99ffff">合計（1,589名）</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="99ffff">糖尿病</td><td align="center" bgcolor="99ffff">境界型</td><td align="center" bgcolor="99ffff">正常</td><td align="center" bgcolor="99ffff">糖尿病</td><td align="center" bgcolor="99ffff">境界型</td><td align="center" bgcolor="99ffff">正常</td><td align="center" bgcolor="99ffff">糖尿病</td><td align="center" bgcolor="99ffff">境界型</td><td align="center" bgcolor="99ffff">正常</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">20代</td><td align="right">0</td><td align="right">3</td><td align="right">5</td><td align="right">0</td><td align="right">0</td><td align="right">2</td><td align="right">0</td><td align="right">3</td><td align="right">7</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">30代</td><td align="right">6</td><td align="right">72</td><td align="right">91</td><td align="right">0</td><td align="right">12</td><td align="right">16</td><td align="right">6</td><td align="right">84</td><td align="right">107</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">40代</td><td align="right">30</td><td align="right">245</td><td align="right">226</td><td align="right">0</td><td align="right">46</td><td align="right">40</td><td align="right">30</td><td align="right">291</td><td align="right">266</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">50代</td><td align="right">28</td><td align="right">242</td><td align="right">167</td><td align="right">6</td><td align="right">77</td><td align="right">52</td><td align="right">34</td><td align="right">319</td><td align="right">219</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">60代</td><td align="right">12</td><td align="right">80</td><td align="right">74</td><td align="right">0</td><td align="right">29</td><td align="right">8</td><td align="right">12</td><td align="right">109</td><td align="right">82</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">70代</td><td align="right">0</td><td align="right">10</td><td align="right">5</td><td align="right">1</td><td align="right">2</td><td align="right">2</td><td align="right">1</td><td align="right">12</td><td align="right">7</td></tr>
<tr><td valign="top" align="center" bgcolor="ddffff">計<br>（％）</td><td align="right">76<br>（5.8）</td><td align="right">652<br>（50.3）</td><td align="right">568<br>（43.8）</td><td align="right">7<br>（2.4）</td><td align="right">166<br>（56.6）</td><td align="right">120<br>（40.9）</td><td align="right">83<br>（5.2）</td><td align="right">818<br>（51.4）</td><td align="right">688<br>（43.3）</td></tr>
</table>
<div align="left" class="moji3">
* 既知糖尿病は含まれていない。年齢、性別の記載のない例は除外した。<br>
日野佳弘ほか：糖尿病健診の効率化に関する研究（1985年）全国社会保険連合会より引用
</div>
</td></tr>
</table></div>
<br>

<div align="center"><table border="0" cellpadding="0"><tr><td>
<div align="left" class="moji3">
<b>表3　GTTと判定基準<br>　　　グルコース濃度（静脈血漿あるいは血清）</b><br>
</div>
<table border="0" cellpadding="6" cellspacing="3" class="moji3">
<tr><td valign="center" bgcolor="99ffff">　</td><td align="center" bgcolor="99ffff">　</td><td align="center" bgcolor="99ffff">グルコース<br>75mg負荷</td><td align="center" bgcolor="99ffff">グルコース<br>50mg負荷</td><td align="center" bgcolor="99ffff">グルコース<br>100mg負荷</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">糖尿病型</td><td valign="top" align="center" bgcolor="eeeeee">空腹時<br>または（および）<br>2時間値</td><td valign="top" align="center" bgcolor="eeeeee">140mg/dL≦<br>200mg/dL≦</td><td valign="top" align="center" bgcolor="eeeeee">140mg/dL≦<br>180mg/dL≦</td><td valign="top" align="center" bgcolor="eeeeee">140mg/dL≦<br>240mg/dL≦</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">正常型</td><td valign="top" align="center" bgcolor="eeeeee">空腹時<br>および<br>1時間値<br>および<br>2時間値</td><td valign="top" align="center" bgcolor="eeeeee">＜110mg/dL<br>＜160mg/dL<br>＜120mg/dL</td><td valign="top" align="center" bgcolor="eeeeee">＜110mg/dL<br>＜160mg/dL<br>＜110mg/dL</td><td valign="top" align="center" bgcolor="eeeeee">＜110mg/dL<br>＜160mg/dL<br>＜130mg/dL</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">境界型</td><td colspan="4" bgcolor="eeeeee">糖尿病型にも正常型にも属さないもの</td></tr>
</table>
<div align="right" class="moji3">日本糖尿病学会判定基準</div></td></tr>
</table></div>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>糖尿病検診と予防</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#005902" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=5902" title="糖尿病検診と予防" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2007:/gotoh//30.5902</id>
    
    <published>2007-07-19T05:25:36Z</published>
    <updated>2009-07-21T11:59:34Z</updated>
    
    <summary>1. 糖尿病ときめる基準 　糖尿病と診断するには根拠が必要である。糖尿病の特徴が...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="55" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. 糖尿病ときめる基準</div>

　糖尿病と診断するには根拠が必要である。糖尿病の特徴が高血糖とわかってからは、WHO（世界保健機構）は食後2時間血糖130mg/dL以上（1965年）を糖尿病とみなすことにした。1979年4月米国のNational Diab. Data GroupがNIH（National Institutes of Health）で会議を開き糖尿病の診断に関する基準をきめた。空腹時140mg/dL以上なら糖尿病、75gブドウ糖負荷試験では2時間値200mg/dL以上が糖尿病、140mg/dL以下は非糖尿病、140-199mg/dLの場合はIGT（耐糖能障害）と判定することにし1979年に公表した。これを受けてWHOもほぼ同様の基準を発表、日本糖尿病学会では診断基準検討委員会を設けて検討し、ほぼこれと同様な基準をつくり、数年後には全く同じものに直して現在にいたってい<nobr>る。</nobr>

<div class="title3">2. アルマアタ宣言</div>

　わが国の厚生省は強兵を目的として1932年に設立された。敗戦により戦争をしない国になったので、国民の福祉、健康を守る機関として事業を行ってきた。その主要なものを挙げたのが<b>表1</b>である。<br>

<table border="0" cellspacing="10" align="right" width="250"><tr><td>
<div align="left" class="moji3">
<table border="0" bgcolor="fceed7"><tr><td valign="top"><nobr><b>表1</b>&nbsp;&nbsp;</td><td><b>わが国の健康対策関連事項の年表</b></td></tr></table>
</div>
<table border="0" cellpadding="3" cellspacing="3" class="moji3" bgcolor="fceed7">
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1951</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">脳卒中が死因の1位になる</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1956</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">成人病予防対策協議会が設置され成人病が行政用語として用いられる</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1958</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">第1次悪性新生物実態調査実施（以下 1960、1962、1979、1989に実施）</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1961</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">成人病基礎調査実施</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1971</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">成人病基礎調査実施</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1978</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">第1次国民健康づくり運動発足</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1980</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">循環器疾患基礎調査実施</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1981</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">がんが死因の1位になる</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1982</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">老人保健法に基づく（老人）保健事業第1次5か年計画</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1983</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">対がん10か年総合戦略決定</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1985</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">健康づくりのための食生活指針（厚生省）</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1985</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">がんを防ぐための12か条（国立がんセンター）</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1987</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">（老人）保健事業第2次5か年計画</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1988</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">第2次国民健康づくり対策</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1990</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">循環器疾患基礎調査実施</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1992</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">（老人）保健事業第3次8か年計画</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1992</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">循環器疾病有病状況調査実施</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1994</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">がん克服新10か年戦略開始</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1996</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">生活習慣病の概念導入を公衆衛生審議会意見具申</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1997</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">生活習慣病対策（公衆衛生審議会）</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1997</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">糖尿病実態調査実施（第1回）</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">1999</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">健康日本21の検討</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">2002</td><td valign="top" bgcolor="ffffff">糖尿病実態調査実施（第2回）</td></tr>
</table></td></tr>
</table>

　1974年カナダの保健大臣ラロンドは公衆衛生の方針を疾病予防から健康増進に転換した。これが契機となって以下のような運動が展開されたといわれている。WHOの会議が1978年カザフ共和国のアルマアタで開かれたときマーラー事務長は、医療の重点を高度医療中心からprimary health careに転換することを提唱し、これはアルマアタ宣言として採択された。<br>

　その骨子は(1)健康は基本的な人間の権利である、(2)健康は南北関係、地域、社会階層などによって格差があってはならない、(3)全ての人は個人または集団として、自分たちの保健サービスの企画と実践に参加しなければならない、(4)PHCは自助と自決を基本として地域社会の行える範囲で実施し、全ての人達がその恩恵にあずかるサービスである。(5)平和を前提とすれば、21世紀までには満足すべき健康水準への到達は可能である。<br>

　このように、途上国を視野に入れたものであるが、先進国でも次のような活動が展開された。<br>

　1979年米国厚生省のマクギニスは個人の生活習慣の改善による健康を目標としたHealthy People政策を打ちだし、この運動は1980年代にヨーロッパではHealth for All 2000として展開された。アメリカでは第2期の目標を2000年におきHealthy People 2000として具体的な300の目標を設定し、さらに第3期を2010年に目標を設定している。わが国では従来の成人病という用語が、加齢により避けられないものととられるので、「健康日本21」を打ちだし、成人病をやめて生活習慣病という用語を用いることにした。このようにして目標値も細かに設定された。

<div class="title3">3. グリコアルブミンやHbA<font size="-1">1c</font>で検診できないか</div>

　1970年代にグリコヘモグロビンが臨床の指標として用いられるようになりHbA<font size="-1">1c</font>として記されるようになった。それでは検査に2時間が必要なGTTの代わりにHbA<font size="-1">1c</font>を使えないかという研究が盛んに行われた。またグリコヘモグロビンと同様に蛋白質の糖化をみる方法としてアルブミンを用いる方法が開発され広く行われる状況になった。HbA<font size="-1">1c</font>よりも短時間で大量の検体を処理でき、また一般生化学検査と同様に扱えるという利便性があり普及している。<br>

　そこでブドウ糖が血液の蛋白に結合する度合から糖尿病をスクリーニングすることを検討した。政管健保の一泊人間ドックを行っている3病院が共同でGTT時のHbA<font size="-1">1c</font>とグリコアルブミンをルシカGA-L（第一化学、旭化成）で測定し対比してみた。参加いただいた970名のGTTの成績は<b>表2</b>のようであり、またグリコアルブミン、HbA<font size="-1">1c</font>で拾いあげる率などを比較したのが<b>表3</b>である。<p />
<div align="center"><table border="0" cellpadding="0"><tr><td class="moji3" align="left">
<b>表2　1泊人間ドック　75gGTT成績（n=970）</b>
<table border="0" cellpadding="3" cellspacing="3" class="moji3">
<tr><td rowspan="2" bgcolor="99ffff"><nobr>空腹時血糖値<td bgcolor="99ffff" colspan="3" align="center"><nobr>75gGTT 2時間値（mg/dL）</nobr></td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>正常（＜140）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>IGT（140-199）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>糖尿病（≧200）</nobr></td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">正常（＜110）</td><td align="right" bgcolor="ffffff">604&nbsp;&nbsp;</td><td align="right" bgcolor="ffffff">182&nbsp;&nbsp;</td><td align="right" bgcolor="ffffff">17&nbsp;&nbsp;</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">IFG（110-125）</td><td align="right" bgcolor="ffffff">47&nbsp;&nbsp;</td><td align="right" bgcolor="ffffff">58&nbsp;&nbsp;</td><td align="right" bgcolor="ffffff">21&nbsp;&nbsp;</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff">糖尿病（≧126）</td><td align="right" bgcolor="ffffff">4&nbsp;&nbsp;</td><td align="right" bgcolor="ffffff">11&nbsp;&nbsp;</td><td align="right" bgcolor="ffffff">26&nbsp;&nbsp;</td></tr>
</table>
<div align="left">IFG：Impaired fasting glucose<br>
IGT：Impaired glucose tolerance　耐糖能障害</div></td></tr>
</table></div>
<br>
<div align="center"><table border="0" cellpadding="0"><tr><td class="moji3" align="left">
<b>表3　空腹時血糖、グリコアルブミン、HbA<font size="-1">1c</font>および組合せによる耐糖能障害の検出感度</b>
<table border="0" cellpadding="4" cellspacing="0" class="moji3">
<tr><td rowspan="2" bgcolor="99ffff">検出方法<br>（糖尿病として拾い上げる方法）<td bgcolor="99ffff" colspan="3" align="center"><nobr>GTT 正常<td bgcolor="99ffff" colspan="3" align="center"><nobr>GTT 耐糖能障害<td bgcolor="99ffff" colspan="4" align="center"><nobr>GTT 糖尿病</td></tr>
<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>NFG<br>（604）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>IFG<br>（47）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>計<br>（655）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>NFG<br>（182）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>IFG<br>（58）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>計<br>（251）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>NFG<br>（17）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>IFG<br>（21）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>糖尿病<br>（26）</nobr></td><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>計<br>（64）</td></tr>

<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>空腹時血糖≧110</td><td align="right" bgcolor="ffffff">0</td><td align="right" bgcolor="ffffff">47</td><td align="right" bgcolor="ffffff">51</td><td align="right" bgcolor="ffffff">0</td><td align="right" bgcolor="ffffff">58</td><td align="right" bgcolor="ffffff">69</td><td align="right" bgcolor="ffffff">0</td><td align="right" bgcolor="ffffff">21</td><td align="right" bgcolor="ffffff">26</td><td align="right" bgcolor="ffffff">47</td></tr>

<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>グリコアルブミン≧14.5％</td><td align="right" bgcolor="ffffff">175</td><td align="right" bgcolor="ffffff">17</td><td align="right" bgcolor="ffffff">196</td><td align="right" bgcolor="ffffff">54</td><td align="right" bgcolor="ffffff">24</td><td align="right" bgcolor="ffffff">86</td><td align="right" bgcolor="ffffff">7</td><td align="right" bgcolor="ffffff">17</td><td align="right" bgcolor="ffffff">26</td><td align="right" bgcolor="ffffff">43</td></tr>

<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>HbA<font size="-1">1c</font>≧5.5％</td><td align="right" bgcolor="ffffff">81</td><td align="right" bgcolor="ffffff">21</td><td align="right" bgcolor="ffffff">106</td><td align="right" bgcolor="ffffff">53</td><td align="right" bgcolor="ffffff">32</td><td align="right" bgcolor="ffffff">92</td><td align="right" bgcolor="ffffff">12</td><td align="right" bgcolor="ffffff">17</td><td align="right" bgcolor="ffffff">26</td><td align="right" bgcolor="ffffff">43</td></tr>

<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>空腹時血糖≧110<br>またはグリコアルブミン≧14.5％</td><td align="right" bgcolor="ffffff">175</td><td align="right" bgcolor="ffffff">47</td><td align="right" bgcolor="ffffff">226</td><td align="right" bgcolor="ffffff">54</td><td align="right" bgcolor="ffffff">58</td><td align="right" bgcolor="ffffff">123</td><td align="right" bgcolor="ffffff">7</td><td align="right" bgcolor="ffffff">21</td><td align="right" bgcolor="ffffff">26</td><td align="right" bgcolor="ffffff">64</td></tr>

<tr><td valign="top" bgcolor="ddffff"><nobr>空腹時血糖≧110<br>またはHbA<font size="-1">1c</font>≧5.5％</td><td align="right" bgcolor="ffffff">81</td><td align="right" bgcolor="ffffff">47</td><td align="right" bgcolor="ffffff">132</td><td align="right" bgcolor="ffffff">53</td><td align="right" bgcolor="ffffff">58</td><td align="right" bgcolor="ffffff">122</td><td align="right" bgcolor="ffffff">12</td><td align="right" bgcolor="ffffff">21</td><td align="right" bgcolor="ffffff">26</td><td align="right" bgcolor="ffffff">64</td></tr>
</table>
NFG：normal fasting glucose 正常空腹時血糖
<div align="right">人間ドック 21(6) 11-13、2007</div></td></tr>
</table></div>
<br>
　この970名の集団には75gGTTで2時間値が200mg/dL以上で糖尿病と判定される方は64名おられる。しかしGTTを行わずに空腹時血糖値110mg/dL以上あれば糖尿病、グリコアルブミンが14.5％以上、あるいはHbA<font size="-1">1c</font>5.5％以上ならば糖尿病と判定するという基準で判定すると<b>表3</b>に示すようになる。もしこれで糖尿病とスクリーニングできれば2時間もかかる75gGTTをやらなくともよいので非常に検診が簡単になるわけである。<br>

　しかし<b>表3</b>をみるとGTT2時間値200mg/dL以上の方でもグリコアルブミンやHbA<font size="-1">1c</font>では必ずしも全例を拾いあげることができないことがあきらかになった。またGTTで糖尿病と判定されない正常や耐糖能障害の方でもグリコアルブミンやHbA<font size="-1">1c</font>で拾いあげられる方が少なくないことがわかった。すなわち、ある程度重症の方はどの方法ではも拾いあげられるが、軽症の方は必ずしも一致しないことがわかった（人間ドック 21巻、11-13頁、2007年）。しかし、食事などに影響されないことから厚生省はHbA<font size="-1">1c</font>で調査を行った。

<div class="title3">4. HbA<font size="-1">1c</font>による糖尿病の実態調査</div>

　1997年厚生省は国民栄養調査のおりに協力できる人たちから採血しHbA<font size="-1">1c</font>で糖尿病か否かを判定する方法で糖尿病の実態調査を行った。<br>

　HbA<font size="-1">1c</font>のカット・オフ値は我々のものよりも0.6％も高いところに設定し、HbA<font size="-1">1c</font>≧6.1％の人は糖尿病が強く疑われる人として、HbA<font size="-1">1c</font> 5.0〜6.0％の人は糖尿病の可能性を否定できない人と判定した。そして調査結果<nobr>から</nobr>
<BLOCKQUOTE>
<table border="0">
<tr><td valign="top">糖尿病が強く疑われる人</td><td>&nbsp;&nbsp;690万人</td></tr>
<tr><td valign="top">糖尿病の可能性を否定できない人</td><td>&nbsp;&nbsp;680万人</td></tr>
</table>
</BLOCKQUOTE>
と推定された。そこで、糖尿病を減らすために毎日男女ともに1,000歩歩数を増やすことにより糖尿病を2010年までに7.5％減少させることができると予測された。<br>

　2002年に同一の方法で第2回目の実態調査を行ったところ
<BLOCKQUOTE>
<table border="0">
<tr><td valign="top">糖尿病が強く疑われる人</td><td>&nbsp;&nbsp;740万人</td></tr>
<tr><td valign="top">糖尿病の可能性を否定できない人</td><td>&nbsp;&nbsp;880万人</td></tr>
</table>
</BLOCKQUOTE>
と前回より多くなっているのがみられた。<br>

　現在はメタボリック症候群（MSと略）が注目されている。糖尿病に高血圧が併発することは1930年代より記載され併発の有無により型別された。わが国では健診が広く行われ、高血圧、高脂血症、血糖の上昇などが併発してみられる人が多いことが、1980年代に気付かれていた。そして米国のGM Reaven教授の指摘によりそれが急に注目され、2005年わが国ではMSと呼称されることになり、内臓肥満が重視され、腹囲の測定が判定に必要とされている。

<div class="title3">5. 糖尿病の予防</div>

　世界的に糖尿病と肥満が増加している。食糧不足は一部の国に限られているのは幸いなことである。しかし今後、車の普及により運動不足がより蔓延するとこれらはさらに増え、冠動脈疾患や脳血管障害の増加が懸念される。努めて体を動かすことを世界規模で展開すべきである。]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>中国医学と糖尿病</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#006009" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=6009" title="中国医学と糖尿病" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2007:/gotoh//30.6009</id>
    
    <published>2007-08-23T11:57:05Z</published>
    <updated>2010-04-12T07:57:10Z</updated>
    
    <summary>1. 尿の甘味を最初に記載 　糖尿病を思わせる病気をはじめて記載したのはアレキサ...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="56" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. 尿の甘味を最初に記載</div>

　糖尿病を思わせる病気をはじめて記載したのはアレキサンドリヤで医学を学び現トルコ領カッパドキヤで医療を行っていたアルテウス（AD30-90）であるといわれている。<br />

　彼は多尿、多飲、やせ、そして死亡するケースを経験し「この病気になると、とめどもなく放尿し、尿は小川のように流れ続け、少しの間でも飲むのをやめると口は渇き、火が腹の中を狂いまわるように感ずる。肉も骨も尿に溶けてしまう奇病である。原因は寒冷と湿気で経過は進行性で最後は死に至る」と記し、これをdiabetesと呼んだ。<br />

　アルテウスの記載したのは多尿症であり、重症の糖尿病か尿崩症か区別はできないが、食事療法も述べられている。<br />

　一方、エジプトではより古くより文明が開け多尿症やその治療が記されたパピルスが知られている。そのひとつはルクソールで1872年に発見され、BC1570頃のものといわれるEbersパピルス、その2、3世紀後のものといわれるHearstパピルス、Brugschパピルスにも多尿症やその治療法が記されているという。<br />

　インドではAyurveda（生命の知識書）が編纂され、BC600〜400にはCharak、Susrutaの著作集があるといわれている。インド医学では尿に関する病態はすべてPramehとして扱われ、尿の色、香り、味などから20に分類されている。このうち密尿Madhumehといわれるものが糖尿病ということになる（日本東洋医学誌 44巻2号 145頁、1996年に詳述）。

<div class="title3">2. なぜ中国医学を学んだか</div>

　著者より1学年後に入局した石川誠山形大学第2内科教授は、消化吸収の専門であったが東洋医学にも関心をもたれ、第44回日本東洋医学会会頭に指名されておられた。しかし、同教授は1991年定年退職後、町立病院長となられたが、翌年2月に急逝なされた。<br />

　同門の筆者が会頭を引き受けることになった。そこで急遽仙台市の漢方に詳しい方々に集まっていただき学会の枠組みなどを相談、また矢数道明先生にも招かれて多くのことを教えられた。当時漢方専門医制度が設けられ1990年より会員数が急増し1994年には1万876名と最大となった。<br />

　このような状況であったが、一方筆者は漢方についてはほとんど知識をもちあわせていなかった。会頭は会頭講演を担当しなければならないのであれこれ考えたが、東洋医学では糖尿病をどう理解しているかということを題に選んだ。<br />

　筆者は、年金病院の院長が倒れ、その後任にと請われて第85回日本内科学会開催を終えた翌月より大学を定年前に退職し着任した。幸い中国から、袁群医師が留学しておられたので中医学の考え方、パラダイムを教えていただくことができた。筆者は中国の糖尿病に関する研究には以前から関心をもち、上海第二医学院の鐘学礼教授の疫学研究の論文は読んでおり、上海でお目にかかる機会もあった。このようにして中国の考え方を学ぶことになった。

<div class="title3">3. 消渇</div>

　消渇という言葉はわが国でも古くから用いられている。中国では、張仲景（150-219）が190年代に古訓と当時の処方を整理し「傷寒雑病論」16巻（196-204）を著し、その雑病部分が「金匱要略方論」である。日本語訳もあるが、表現が曖昧なところもあるので、上海で求めた英訳本を対照してみると、金匱要略はSynopsis of prescription of the golden chamber、傷寒論はTreatise on febrile diseases caused by coldと訳されている。消渇の記載のあるのは前者で、「男子の消渇、小便反って多く、飲むこと一斗を以って小便も一斗なるは、腎気丸これを主る」と記されている。<br />

　蜜尿を記載したのは<img src="/gotoh/56/moji01.gif" border="0">（675-755）で外台秘要に、「口が渇いて水を多く飲み小便も多く脂がなく麸片のように甘い味のするのは消渇である」と記している。<br />

　中医学では、人体の胴体を横隔膜の上の部分と下の部分に分け、腹腔も上部と下部に分け、これらをそれぞれ上焦、中焦、下焦（upper, middle and lower viscera）と呼んでいる。上焦にあたるのが心、肺、心嚢、中焦には五臓の脾、肝と六府の胃と胆嚢、下焦には腎と六腑の小腸、大腸、膀胱がある。そして上、中、下の全体の機能を合わせたものが三焦である。三焦は整体、個体を意味するのものであって、解剖学的な胴体の意味ではない。五臓六腑をわかりやすく<b>表1</b>に示した。<p />
<table border="0" cellpadding="8"><tr><td class="moji3">
<b>表1　五臓六腑の分担機能と障害徴候の発現部位</b><br />
<img src="/gotoh/56/table01.gif" border="0" vspace="4">
</td></tr></table><br />

　五臓六腑の障害は顔色や耳や目などの五官に徴候が現れるといわれ外から内を知る（従外知内）ことが行われる。五官では心臓に対応するのは舌であり、腎に対応するのは耳で、そこに徴候が現れるという。<br />

　金時代の4大家の1人といわれた劉河間は、消渇を上消、中消、下消に分け、上消は上焦の疾患で隔消ともいい、多尿だが少食で尿は薄く、これは邪気が上焦にあることで起こり、治療は湿を流して燥を潤すこと。中消は胃であり食べると栄養はすぐに燃えるので多食になり尿は黄色。治療は熱があるので熱を下げること。下消（腎消）ははじめ尿の出が悪く尿線に勢いがなく尿は粘稠性で混濁し進行すると顔色が黒くなり、痩せて耳朶が脱水状になる。治療は血を養い熱を除き下げること。その後の補足、修正を入れたのが<b>表2</b>である。<p />
<table border="0" cellpadding="8"><tr><td class="moji3">
<b>表2　消渇（糖尿病）の三消</b><br />
<img src="/gotoh/56/table02.gif" border="0" vspace="4">
</td></tr></table>

<div class="title3">4. 近年の糖尿病の理解</div>

　では、医学の進歩した近代では糖尿病はどのように理解されているのであろうか。中医研究院第2内科林蘭教授の論文によると（糖尿病的中西医結合論治：1-8、54-59、143-151、北京科学技術出版社、北京 1992）、<b>図1</b>のように説明される。<p />
<table border="0" cellpadding="8"><tr><td class="moji3">
<b>図1　消渇（糖尿病）の成因と発症機序（林蘭、一部改変）</b><br />
<img src="/gotoh/56/zu01.gif" border="0" vspace="4">
</td></tr></table><br />

　中医学では外因があっても内因性異常がなければ内因性疾患は発症しないと考えるので、糖尿病になりやすい先天的素因があり五臓が虚弱なことが第1の条件である。<br />

　これに外因性因子が加わって発病するのであるが、外因性因子の第1は風・寒・暑・湿・燥・火の外感六淫といわれる6つの過酷な自然環境、気象で、これが持続すると肺機能を障害し肺が燥となり、肺は陰に属するので燥という邪気により陰が不足し肺陰虚となり、肺は上焦なので上消と分類される消渇となる。<br />

　第2の外因は食事の不摂生（飲食不節）で食事の過剰摂取によって胃に熱がたまって脾胃の陰の不足を来たし脾胃陰虚となる。<br />

　第3は肉体的過労（労倦）で、これは筋肉と関係している脾を障害し、脾の陰が不足して脾胃陰虚となり、中消と分類される消渇となる。<br />

　第4の外因は房事過多（房労）で腎の陰が不足し腎陰虚になる。<br />

　第5の外因は七情がうっ積する精神的ストレスで、七情とは喜・悲・怒、驚、恐・憂・思をいうが、このうち憂・思を除く5つを五志といい、それぞれ心・肺・脾・肝・腎に対応させている。このことから喜びも度を過ぎると心臓に悪いことになる。五志の精神的ストレスが継続すると、このような異常の精神は肝の関連なので肝陰虚となり、腎陰虚とあいまって肝腎陰虚となり、下消と分類される消渇となる。<br />

　その詳細は省略するが、このようにエビデンスに基づかない理論で構築されている体系である。<br />

　糖尿病の経過は北京中医学院の呂仁和教授（中医雑誌、216-219、1992年）は<b>表3</b>のように病期を区分している。経験した885例の糖尿病を分けると第1期 20例（2.3％）、2期 240例（27.1％）、3期 390例（44.1％）、4期150例（16.9％）、5期 85例（9.6％）となっている。<p />
<table border="0" cellpadding="10" cellspacing="0"><tr><td class="moji3" bgcolor="eeeeee">
<b>表3　糖尿病の病気（呂仁和による）</b>
<ol>
<li>陰虚期（壮健期）<br />
紅舌黄苔が特徴、壮健、肥満、精力的にみえるが易疲労、食欲亢進<br />
2高1無：高血糖、高脂血症、常在性糖尿（-）、ストレス時に（+）
<li>化熱傷気期（症状期）<br />
冷を好み暑さをさけるのが特徴。3多2小3高：多尿・多飲・多食、体力・体重減少、高血糖、高脂血症、高尿糖
<li>燥熱傷陰血脈障害期<br />
燥熱により陰が障害される。舌口腔の乾燥が主症状。腰腿部倦怠、無気力、暗紅舌 これは腎の陰が障害されて経脈のめぐりが悪い現象。血糖不安定。時に合併症出現（機能代償性：抹消および自律神経障害、腎症、網膜症、冠動脈疾患）、代謝障害（ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス、脂肪肝<nobr>など）</nobr>
<li>陰陽虚、於血期（合併症中期）<br />
寒熱に弱く無気力、筋の易疲労・労作不能、これは於血の現象、血糖不安定、合併症（<nobr>機能</nobr>非代償性）
<li>合併症重篤期<br />
病状篤期で積極的に治療しないと廃疾状態となる。死の恐れもある。
</ol>
</td></tr></table>

<div class="title3">5. 治療</div>

　わが国の漢法は現在中国で用いられているものとは異なっている。中国の病院の薬局には300種類ほどの薬が1つずつ棚に並べられている。ムカデといえば12、3cmの乾燥したムカデが100匹以上も引き出しの中に収まっており、薬石というように鉱石もある。わが国では東洋というと中国やインドまで包含する言葉のように思われるが、中国では日本のことを東洋と呼んでいたのである。したがって東洋医学という言葉もそのことを理解して使うべきである。<br />

　さて、中国で現在糖尿病治療に用いられている薬剤は趙志剛、張春玲によれば次のようなものがある。<p />
<div align="center">
<table border="0" cellpadding="0"><tr><td class="moji3" align="left" width="441">
<b>表4</b><br />
<img src="/gotoh/56/table04.gif" border="0" vspace="4" width="441" height="409"><br />
<div align="right">金沢編、糖尿病治療･教育ヒストリー、医歯薬出版 2005年、28頁より引用</div>
</td></tr></table>
</div>
<br />
（詳細は日本東洋医学誌 44、145-158、1993 参照）]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>日本糖尿病協会の発展</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#006168" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=6168" title="日本糖尿病協会の発展" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2007:/gotoh//30.6168</id>
    
    <published>2007-09-25T00:51:20Z</published>
    <updated>2012-12-21T11:27:59Z</updated>
    
    <summary>1. 日糖協の歩み 　日本糖尿病協会（日糖協）が設立されたのは1961年である。...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="57" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. 日糖協の歩み</div>

　日本糖尿病協会（日糖協）が設立されたのは1961年である。日本糖尿病学会が1958年に設立され、国際糖尿病連盟（IDF）に入会を申し込んだところ、患者の会はどうなっているかと聞かれ、患者の会を作るようにと要請されて、1960年12月に全国から80人ほど集まって会議が開かれ、61年9月29日に東京虎ノ門の共済会館で創立総会が開かれた。<br />

　会長はアサヒビールの山本為三郎社長であった。当時新聞社に勤務しておられた橋本関蔵氏（後の理事長）も堀内光先生（東京都済生会中央病院長）に頼まれて手伝ったと述べておられる（設立総会については本シリーズ <A href="/gotoh/16/" target="_blank">No.16</A> 参照）。<br />

　日糖協の結成には東京、宮城、千葉、長野、京都、大阪、和歌山、岡山、徳島、西日本の10支部が参加し、会員数は3,295名であった。<br />

　日糖協が設立された年の10月より機関誌「さかえ」が発行された。編集委員長は東京女子医科大学内科の中山光重教授で、隔月に発行された。

<div class="title3">2. 日糖協法人化への苦難の年月</div>

　1968年2月に常任理事会が東京で開かれ、法人化について協議された。同年7月東京で開かれた第7回日糖協総会であかばね会の橋本関蔵さんが理事長に選出された。橋本さんが理事長になられてから日糖協は大きく様変わりした。すべてがより積極的に行われるようになった。<br />

　しかし、日本糖尿病学会の幹部の対応や支援はきわめて頼りないものであった。橋本理事長はそれから法人化のことで厚生省に足を運ぶことになる。若い担当官に話しても話が上に上がるわけではない。そのうち担当官は他の部署に移る。そこに移ったから後任の人と話すようにとは言わない。来なければそのまま放っておくのである。今度の年金問題とやり方は似ている。ただ役所を動かす方法はある。それは役所のOBに役職についてもらって給料を支払うことである。<br />

　橋本さんは根気強く通った。学会の幹部が橋本さんと同行するなどということはなかった。


<div class="title3">3. 法人化！　18年ぶりについに実現</div>

　このタイトルは橋本さんが第27回日糖協総会のプログラムに書かれたものである。そして次のように述べられておられる。

<blockquote>
　遂に実現しました。私どもの悲願だった日糖協の法人化が遂に実現しました。想えば、去る昭和45年熊本で開かれました第10回総会で始めて法人化問題が取り上げられ、法人化委員会が発足、委員長には故栂野善三氏（東京あけぼの会）が就任、その実現を目ざして第一歩を踏み出しまして以来、実に18年ぶりに実現したのでした。<br />

　始めは順調に進むかに見えましたが、政府の法人化抑制方針にあい、厚生省との折衝は遅々として進まず、そのままの状態で月日は進み、創立20周年を迎えた昭和56年以来再び法人化問題が見直されて参りました。そして学会がひと足先に一昨年法人化を実現、それに刺激されて日糖協の法人化問題も急速に取り上げられ西川顧問弁護士が精力的に努力されたり、厚生省の担当係長が1年間に5人もかわって、その都度資料の出し直しをくり返し、ふリ出しに戻った交渉が進められましたが、全く思うに任せず、こんどは三枝副理事長が懇意にされておられる兵庫県第四区選出の戸井田三郎代議士（元厚生省政務次官）の協力を求め、昨年9月以来新たな交渉に入ると共に厚生省に30年間勤められたOBの吉野浩正氏を依嘱、老人保健課の大西課長補佐との折衝に入りました。<br />

　始めは1年がかりと予想されましたが、本年2月に入って以来急速に進展、定款の審議や公益性を持つ事業計画、予算案等の検討に入り、去る3月16日法人化が許可になった場合に備えての従来の日糖協の解散総会を午前11時から、法人化が許可になった場合の社団法人日本糖尿病協会の設立総会を午後1時からそれぞれ相ついで東京新宿の野口英世記念会館で開催、小室副理事長を議長に選出、諸定の議案を満場一致で議決、申請書を整えまして、3月26日付で提出、連日息づまるような折衝が繰り拡げられまして、4月1日付で斉藤厚生大臣名による許可書が正式に交付されたのでした。
</blockquote>

　どんなに嬉しかったか、この挨拶文から溢れてくる。

<div class="title3">4. 日糖協の英文名が変わった</div>

　このようにして橋本さんは1990年まで面倒な理事長の仕事を22年間も続けられた。事務所は日本橋の小舟町から浜松町1-27-4に移った。コンクリート4階建てで、日糖協事務所は3階にある8畳間ほどの広さ。書類や事務机が入ると来客は坐る所もないような状態で、階段には荷物がおいてあって、小さなエレベーターで出入りする状況であった。しかし、このような事務所を整えてくださったのは橋本さんのご功績である。<br />

　橋本さんは法人化をみられて1990年引退を表明。5月の第30回総会（東京）で東京女子医科大内科の平田幸正教授が選出された。<br />

　平田理事長は日糖協の英文名をJapan Diabetes Association（JDA）からJapan Association for Diabetes Care and Education（JADCE）に変えた。特別に会議を開いて決めたわけではなかった。日糖協は患者と医師だけでなくコメディカルの人達が多く入会してほしいということであったのだろう。

<div class="title3">5. 日糖協に関わる</div>

　平田理事長は1期で引退することになった。その理由はわからないが東京の事情があったのであろう。そこで突然、東京の石渡和男会員から理事長に立候補してほしいと要望され、急遽その手続きをとり、理事長に選出された。1992年6月12日、芝にある東京郵便貯金会館で決まったことであった。<br />

　筆者は日糖協に対しては何かしてやらなければならないと常々考えていたので、理事長に選ばれたことを困ったとは思わなかった。常日頃、糖尿病という慢性病をもって制限しながら生活している人達に対してはよりQOLの高い生活ができるように考えてあげる責務があると思っていた。<br />

　そこで理事長になって、まず手近なことでは機関誌「さかえ」を読まれる内容、喜ばれる内容のもの、そして会員の声が聞こえるものにしよう、と考えた。<br />

　当時「さかえ」は新書判の大きさで、医学的解説を主要記事とする内容であった。診察のとき手渡しても待合室に置いていくということで、会員が内容が難しいのか理解しづらいのか読まれないということであった。読まれないものを発行しても無駄なので、早速内容を変えることにした。<br />

　幸い医歯薬出版が応援してくれることになり、サイズもA6判とやや大きくし、表紙はエムナマエさんに毎号描いていただくことになった。また皆さんに喜ばれるような紙面になるように、医歯薬出版の会議室を借りて編集委員の方々に集まっていただき編集会議も開き、内容は著しく改善され<nobr>た。</nobr>

<div class="title3">6. 事務所の移転、代表者会議の開催</div>

　1990年に4万5,395人だった会員はそれから激増し5年後には6万人を超えた。各地方連絡協議会の方々には多くの立派な方々がおられ、京都の近藤正社長には会議でいろいろのことを教えていただいた。そして1995年7月に事務所もより明るく広い所（芝大門2-4-4 中根ビル4階）を見つけていただき、そこに移った。<br />

　1993年から全国で1、2箇所を選んで東と西とで糖尿病の講演会・シンポジウムを開くことにし、94年は東京、95年は横浜と富山市で、96年は秋田市と京都市で開催、それぞれ野球の新浦壽夫氏、歌手の村田英雄氏に特別発言をしていただき、来場者に強い感銘と楽しみと喜びの半日を過ごしていただいた。

<div class="title3">7. 日糖協35年の歩み</div>

　橋本元理事長は日糖協創立20周年のおりに写真にあるような式典記念号を発行して祝賀会を開催された（<b>写真1</b>）。その後は25周年も30周年もなかったので機会をみて開かなければと思っていた。<br />

　20周年にはB5判で分厚い箱入り上製本を2冊出版しておられる（<A href="/gotoh/16/" target="_blank">No.16</A> 参照）。<br />

　そこで<b>写真2</b>にある35周年記念誌を発行した。いろいろな記録や一覧表も詳しく掲載して後々の人達が困らないように作った。<br />

<div align="center">
<table border="0" cellpadding="8"><tr><td align="center" class="moji3">
日糖協20年の歩み<br />
創立20周年記念式典特集号<br />
<img src="/gotoh/57/book01.jpg" border="1" vspace="4"><br />
1981年9月15日発行
</td><td align="center" class="moji3">
日本糖尿病協会創立35周年記念誌<br />
日糖協35年の歩み<br />
<img src="/gotoh/57/book02.jpg" border="1" vspace="4"><br />
1997年1月20日発行
</td></tr></table>
</div>

　記念会は半年遅れの1997年1月24日(金)、丸の内にある東京商工会議所で行った。さて当時、厚生省のOBが事務をみていた。おそらく法人の許可と引き換えに預かるようになったのであろう。橋本さんもお出でになられた。ところが厚生省OBの事務長が橋本さんからも会費をとったらしい。橋本さんは怒って帰られてしまったとのことであった。申し訳ないことをしたと悔やんだ。橋本さんを知らないわけはなかったろうに。OBの方も故人となられた。

<div class="title3">8. 日糖協が保健文化賞に輝く</div>

<table border="0" cellpadding="8" align="right"><tr><td align="left" class="moji3" width="250">
<b>写真1</b><br />
<img src="/gotoh/57/photo03.jpg" border="0" vspace="4"><br />
第50回保健文化賞　受賞の盾と記念品<p />
<b>写真2</b><br />
<img src="/gotoh/57/photo04.jpg" border="0" vspace="4"><br />
授賞式にて<br />
左から、後藤由夫前理事長、宮下創平厚生大臣、近藤正理事長（いずれも当時）
</td></tr></table>

　日糖協に何か良いことはないかと考えているときに、毎年第一生命保険相互会社が保健文化賞を公募しているのに気付いた。昔GHQがあったビルの会社と思いながら出した。幸いにも受賞が決まって理事長が代表していただきに行くことになった。ホテルオークラで贈呈式があり近藤正さんと出席、式が終わってから祝賀会があった（<b>写真1</b>、<b>2</b>）。<br />

　翌朝はGHQのあったビルの6階に集合、昼食後1時30分に全員出発し、城下門より宮城に入り、長和殿の東庭で下車、北東寄より階段を昇り、元旦に陛下が参賀の人達に挨拶される廊下を通って波の門に誘導され、そこで両陛下に拝謁、お言葉をいただいた。その後は係の人の案内で豊明殿、正殿をみながら中庭を抜けて南庭の2匹の亀の形をした刈込みに感嘆して東庭に戻った。ここには2万人が入れるとのことであった。そこから正面鉄橋に出たが、橋の上から二重橋の向こうに東商ホールから日東紡の道路を通して絶え間なしに行き交うJR（E電）がすぐにそこに見える近さなのには驚いた。そこから上道灌濠を右手に歩き、滅多に見ることのできない宮中3殿を見、生垣越しに養蚕用桑畑をみて吹上研究所の前を通り、樹齢300年以上の盆栽に感嘆し、この毎日の手入れが大変だろうと思いながら下道灌濠を右手に見て、左手の濠の向こうに


石垣が本丸のあったところ、右手は大奥のあったところと説明を受けながら、およそ50分位で宮内庁の建物の前に出て、宮城の遠足も終わった。外から見るのと内から見るのとでは広さがずいぶん違う印象を受けた。<br />

　このようにして日糖協は保健文化賞を受賞することができた。もっと以前に受賞できたかもしれないが、ちょうど第50回のときであった。<br />

　近藤正さんは協会の事務局の会計その他のやり方が普通とは違う役所方式であったのを普通の方式に改めてくだされるなど、効率的にしてくださった。2000年より近藤正さんが理事長となられ、日糖協は活性化した。]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>学会賞</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#006284" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=6284" title="学会賞" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2007:/gotoh//30.6284</id>
    
    <published>2007-10-16T06:36:42Z</published>
    <updated>2010-04-12T07:57:10Z</updated>
    
    <summary>1. リネゴ社長に研究奨励賞を要望 　1960年頃、わが国でインスリンを発売して...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="58" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. リネゴ社長に研究奨励賞を要望</div>

　1960年頃、わが国でインスリンを発売している会社は、デンマークのノボ社よりインスリン製剤を輸入していた小玉KKであった。1980年代になるとデンマークのインスリン製造会社ノルディスク社が日本ノルディスクKKを設立した。
<p />
　1986年の初夏だったように思い出すが、社長のクヌード・E・リネゴ氏が仙台にみえられ大学病院を訪れ、夕方は評定河原球場を見下す春風亭で会食した。デンマークのオルフスの大学を訪れたり、またコペンハーゲンの研究室などを3度訪れたことなどで話が弾んだ。当時、筆者は若い研究者に研究奨励賞があればよいと考えていたので、そのことを話したら良い返事を得た。
<p />
　その後、正式の書類が学会事務局に届いた（<b>図1</b>）。これが日本糖尿病学会賞のハーゲドン賞となっている。リリー社からも同様の申し出があった。実際に募集してみたら定年間近の応募が多いということになり、リリー社のは若手ということになっ<nobr>た。</nobr>
<p />
<div align="center">
<table border="0" cellpadding="0"><tr><td align="left" class="moji3">
<b>図1　リネゴ社長の学会賞了承の手紙</b><br />
<img src="/gotoh/58/zu01.gif" border="1" vspace="5"><p />
<b>図2　ハーゲドン賞のメダル</b><br />
<img src="/gotoh/58/zu03.jpg" border="0" vspace="5">
</td></tr></table>
</div><br />

　ではハーゲドンはどんな人だったのか。デッカート著『ハーゲドン情熱の生涯 理想のインスリンを求めて』（時空出版、2007年）を参考に以下のようにまとめてみた。

<div class="title3">2. デンマークのインスリン製造</div>

　インスリンの抽出に成功したのはBantingとBestで1922年より臨床に用いられた。その精製はCollipの協力によるものであった。ではハーゲドンがインスリン製造に関与するようになったはどのような経緯からだろうか。
<p />
　Hargedon Hans C.は航海士の第2子として1888年3月6日出生、乳幼児期は船内で暮らすことが多かった。船がノルウェーを北上し、ノール岬を東に白海に入り、アルハンゲリスクに停泊した。1人の船長が「坊やはどこの土地の子かい」と聞くと、ハンスは「僕は土地の子じゃないよ、海の子だよ」と答えた。船長は感心してハンスを高々と持ちあげた。
<p />
　妹も生まれハンスが学齢期になると家で暮らしたが、父は家で暮らすことは少なかった。ギムナジウムから医学部に入り1912年に卒業し1913年にヘニアン病院（36床）で実地を学び、1915年にBrande村に開業した。
<p />
　その村にマリア・スタヴンストルップが歯科を開業、ハンスとマリアは結婚し開業を続けた。ハンスは父と弟が糖尿病になったこともあって糖尿病に興味をもっていた。そのブランデ村に化学に詳しいNorman Jensenが薬局を開業した。
<p />
　北欧ではルンド大学生化学のBang教授がすでに血糖の微量定量法を考案していたが、ハーゲドンはJensenとともにフェリシアニド法による微量血糖測定法を考案した。これがHargedon-Jensen法として1960年頃までわが国でも広く用いられていたものである。
<p />
　ハーゲドンは呼吸商について研究し、ノーベル賞生理学者のAugust Krogh教授の指導を受けていた。クロー教授の妻も糖尿病になりハーゲドンに相談するようになった。
<p />
　クローは1923年米国に講演に招かれ、そこでインスリンのこと、またその効果を知り、すぐにハーゲドンに報せた。クロー教授の帰国を待ってハーゲドンは自宅でインスリンの製造を開始した。1週間後には血糖降下の実験成績が得られた。レオ製薬会社の協力も得て、抽出した製剤で1923年3月には市立病院で最初の治療が行われた。
<p />
　最初の患者は重症で血糖は降下したが翌日死亡。続いて7名の患者に注射し有効性が確かめられた。この成功の噂は野火のように拡がっ<nobr>た。</nobr>
<p />
　そして5月にはレオ社の生産部門としてノルディスクインスリン研究所（NIL）が設立された。ハーゲドンの自宅研究室で製造されたインスリンをノボ社に販売する話ももちあがったが、クローとハーゲドンはこれを拒否したので生産を行っていたベダーセン兄弟は自分たちでノボテラピューテック研究所を設立し別個にインスリンを製造することになった。ハーゲドンらも3棟からなるNIL（ノルディスクケントフテ）を設立した。

<div class="title3">3. ステノ記念病院</div>

　ハーゲドンは自分たちの病院をもつ必要性を感じていたが1929年に理事会でその提案が採択され、1931年に着工し32年に20床の病院が開院された。これがSteno Memorial Hospitalである。
<p />
　Nicolaus Steno（1638-1686）はコペンハーゲン生れ、解剖学では耳下腺のductus stenonius、canales nasopalatini stenonianiなどに名が残り、数学、古生物学、地質学そして神学など多分野にわたって研究した万能学者でデンマークの学徒に崇められている人である。そこでハーゲドンもその名をとってステノ記念病院としたものと思われ<nobr>る。</nobr>

<div class="title3">4. プロタミンインスリン</div>

　ハーゲドンらのインスリンは純度が高くなるにつれて血糖降下作用は強くなったが、作用時間は短くなった。医師も患者も作用時間の長いものを求めていた。
<p />
　ハーゲドンらはインスリンを溶解しにくい塩の形で投与すれば作用時間が延長するのではないかと考えた。エンセンはプロタミンを研究していたが、酸性のインスリンとアルカリ性のプロタミンを結合させることを考えた。このようにしてNILにはプロタミン工場が設けられC. H. Krayenbuhlらが研究にも参加し、プロタミンとしてはニジマスの精子より抽出したものがもっと良いことなどを見出した。
<p />
　またインスリンプロタミン飽和化合物（溶液には遊離したインスリンやプロタミンが存在しない状態）のisophane pointでのインスリン、プロタミンの量的関係は、プロタミン1分子につき約6分子のインスリンがカルボキシル基で結合していることなどのこともあきらかになった。イソフェンインスリンの名もこれから出たものであ<nobr>る。</nobr>
<p />
　1933年にこのプロタミンインスリンはステノ病院でN. B. Krarupにより41人に臨床応用され、またハーゲドンも独自に44名に治験を行い成績は1935年に発表された。ハーゲドンはこの製剤をneutral protamine crystal、NPCと呼んだが、米国のFADはこれにハーゲドンの名を入れてNPHと名づけその栄誉を称えた。NPHの結晶も得られた。
<p />
　同じ頃カナダではScottとFisherがプロタミン亜鉛インスリンを開発し特許出願していた。一方、ハーゲドンらは1940年にはプロタミンインスリンの結晶化に成功し、速効型との混合も可能になっ<nobr>た。</nobr>

<div class="title3">5. ハーゲドンの晩年</div>

　ハーゲドンは気難しく、ときには激昂する性格であった。そしてプロタミンインスリンをめぐって協同研究者のJensenと仲違いし「完成するかしないかのうちに金銭的報酬、科学的功績の配分について同意に至らず、我々は反目のうちに別れた」と記録にとどめている。
<p />
　ハーゲドンは60歳頃よりパーキンソン病になった。最後の旅はドイツの北にある大学町、膵摘糖尿病を発見したミンコウスキーが内科教授として膵より有効物質の抽出をしていたGreifswaldであった。1971年10月6日死亡、83歳、死因は心筋梗塞と両側肺炎。

<div class="title3">6. 日本でのデンマークインスリン</div>

<div class="img">
<b>図3　ノボ社のロゴマーク</b><br />
<img src="/gotoh/58/zu02.gif" border="0" vspace="5">
</div>

　ハーゲドンらから共同製造を拒否されて別個にノボテラピューテック研究所でインスリンを製造したベターセン兄弟らの事業も発展し、ライデンで開発を進めレンテ、セミレンテ、ウルトラレンテなどを開発し1951年に特許出願した。当時のデンマークのインスリン製造のトップはノボ社であった。
<p />
　わが国では糖尿病が徐々に増加し、戦時中入手に苦労したインスリンも1950年代後半から普通のルートで得られるようになった。ノボ社のインスリンを扱ったのは小玉KK（1955-89年）。<b>図3</b>は小玉の冊子（1970年）にあるノボ社のロゴマークであり、現在のノボ ノルディスク ファーマのものとは異なることがわかる。
<p />
　その後1989年-1990年末まではノボ社のインスリンは小玉と住友製薬との併売となり、1991年より日本ノルディスクKKとなり山之内製薬併売となり、1986年4月にはノルディスクNPH50年記念講演会が東京、仙台、名古屋、大阪、福岡で開かれた。1998年よりノボ ノルディスク ファーマKKがインスリン製剤の自販を開始した。]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>糖尿病の病期</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#006420" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=6420" title="糖尿病の病期" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2007:/gotoh//30.6420</id>
    
    <published>2007-11-30T04:50:06Z</published>
    <updated>2013-08-14T13:36:03Z</updated>
    
    <summary>1. 病気の分類 　diseaseはdesaise由来のアングロフレンチで、ea...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="59" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. 病気の分類</div>

　diseaseはdesaise由来のアングロフレンチで、easeと反対の意味であり、disorderはラテン語の&#245;rd&#245;（秩序、順序）でないことで、心身機能の不調、障害を意味する。maladyはフランス語由来でmal（悪い、不完全な）状態であり、illnessのillはwellの反対語で、sickはsuckとの共通語に由来し、古代ゲルマン人は悪魔に吸いこまれて病気になると思っていたことに由来するという。
<p />
　古代には、中医学の証のように、ギリシャ医学でも症状を区別して治療することが行われ、疾患として区別する考えはなかった。したがって疾患を分類するという考えもなかったわけである。
<p />
　自然界の物を分類し整理したのはアリストテレスであり、自然界の物に命名する方式を考えたのはCarl von Linne（1707-1778）である。リンネの生家には姓がなかったが近く菩提樹があったことからLindeliusと名のり、そしてリンネになった。
<p />
　リンネは婚約者の父の援助でオランダのHarderwijk大学で医学を学び、1735年にSystema Naturaeを出版した。45×58cmの2つ折判8枚に動植物を一覧表として列記したもので、版を重ねるごとに内容を増した。このようにして彼の2名法（binomial nomenclature）が拡がった。ストックホルムで開業した後、1741年にUppsala大学の医学と植物学の教授になった。リンネは疾病を11群325種に分類した。
<p />
　19世紀になり疾病の国際統計が行われるようになり、現在のように国際疾病分類がDRG/PPSにも利用されるようになった。

<div class="title3">2. 病気の病期</div>

　疾病が分類され、その経過が観察されるにつれ、その経過が詳細に記述され、そして病期がいくつかに分けられるようになった。
<p />
　疾病が急性伝染性のものであっても慢性伝染性のものであっても、症状や徴候の出現、消失などの経過はほぼ共通していることが明らかにされ、病期が区分されるようになった。
<p />
　潜伏期、前駆期（prodromal stage）、発熱期、高熱期、休止期などである。また1期、2期、3期という分類も行われた。

<div class="title3">3. 糖尿病の病期は</div>

　1970年代になってから糖尿病は1型と2型とに分けられるようになった。それまでは持発性糖尿病はすべて同じ原因で起こるものと漠然と考えられていた。そしてもっとも糖尿病らしいものは小児の糖尿病と考えられていたのである。おそらく高血糖状態が高度なことからそのように思われたのであろう。
<p />
　1950年代よりprediabetesという概念が生まれた。糖尿病は次第に進行するので、逆の方を探ればprediabetic stageとなるわけである。高血糖にもなっていないが、何らかの異常はないだろうかと、各地で研究が行われた。筆者らが本シリーズ <A href="/gotoh/19/" target="_blank">No.19</A> に記したように、両親とも糖尿病であると子供は50歳を超えると100％糖尿病になることから、そのような人たちはまさしくprediabetic stageにあるといえるわけである。筆者らはその時期にもいくつかの異常をみいだすことができた。
<p />
　では糖尿病の病期はあったろうか。残念ながら糖尿病がどうにも救いようのない状態はKimmelstielとWilsonが1936年に記載した腎症の末期の状態であった。当時は降圧剤もなく、透析療法もなく、ただ拱手傍観するだけであった。尿蛋白が強陽性で高血圧、そしてしだいに増強する浮腫が起これば、そこからもう治せない状態と思う以外になかった。そこで漠然と末期と思っていたわけである。それから網膜症、腎症、特に腎生検による臨床像との対比が行われるようになって合併症の進行が区分されるようになった。

<div class="title3">4. 合併症と続発症</div>

　われわれは網膜症、腎症などを合併症と呼んでいる。しかし医学事典でcomplicationをみると、Dorlandには「ほかの疾患と共存する疾患、同一患者に起こった2つまたはそれ以上の疾患の共存」とあり、Stedmanには「ある疾患そのものに起因するか、それと無関係な原因によるかを問わず、経過中に生じるその疾患の本質的ではない病的課程または事象」とある。
<p />
　一方、sequelae（続発症、後遺症）をみるとDorlandには「ある疾患に続いてあるいはその原因として生じる病巣ないし影響」とあり、Stedmanには「病気の結果として続いている病的状態」とある。これからすれば現在われわれが糖尿病性合併症と呼んでいるものは糖尿病続発症と呼んだ方が妥当なのである。

<div class="title3">5. 糖尿病（高血糖）合併症の3つの特徴</div>

　日本臨床内科医会では2000年の事業として、会員の診療している糖尿病患者の神経障害の有無を、アキレス腱反射、音叉による足内踝または外踝の振動覚、音叉の金属棒の冷たい部分を足背にあてて冷覚、爪楊枝で足の第一趾腹を突いて痛覚を調べる（すべて両側）、足部の潰瘍と切断の有無の観察と他の合併症に関する調査を行った。回収された1万2,860枚の調査表から記載不備のもの39枚を除外し、1万2,821例を解析対象とした。

<div class="title3">6. 合併症と病期の区分</div>

<a name="table02"></A>
<table border="0" cellpadding="15" align="right" width="300"><tr><td>
<div align="left" class="moji3">
<table border="0"><tr><td valign="top"><nobr><b>表2</b>&nbsp;&nbsp;</td><td><b>高血糖の続発症・併発症</b></td></tr></table>
</div>
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0" class="moji1">
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff">
<dl>
<dt>
<div class="info2">高血糖による続発症</div>
<dd>末梢神経障害（異常感覚、感覚鈍麻、筋力低下）
<dd>腎症（蛋白尿、慢性腎不全、尿毒症）
<dd>網膜症（眼底出血、緑内障､失明）
<dd>糖尿病足
<dd>糖尿病昏睡（ケトアシドーシス、高浸透圧昏睡）
<dt>
<div class="info2">高血糖と併発しやすいもの（併発症）</div>
<dd>大血管障害（動脈硬化症、心筋梗塞､脳梗塞、ASO等）
<dd>高脂血症（脂質異常症）
<dd>脂肪肝
<dd>胆石
<dd>白内障
<dd>感染症（肺炎､腎孟炎など）
<dd>皮膚疾患（真菌症、化膿症、水疱症、掻痒症など）
<dd>骨減少症
<dd>関節症（関節変形、骨破壊）</td></tr>
</table></td></tr>
</table>

　これらのエビデンスをもとに糖尿病に関連する合併症を<A HREF="#table02" target="_self"><b>表2</b></A>のように(1)高血糖による続発症（網膜症、腎症、末梢神経障害、糖尿病昏睡）と(2)高血糖と併発しやすいものとに分けるのが妥当と思われる。大血管障害は当然のことながら後者に分類される。
<p />
　病気の病期には古くから多くの提案がある。1期、2期、3期という分け方、早期、晩期、末期という分け方などである。筆者は糖尿病の病期を<A HREF="#table01" target="_self"><b>表1</b></A>のように前期、初期、早期、中期、晩期、末期に区分することを試みた。
<p />
　前期は血糖が正常な時期（englycemic stage）ともいえるが、もっと日常的に糖尿病と診断される値までに達しない血糖値の時期（prediagnostic stage）とした方が混乱しない。1980年以前は、WHO専門委員会では1965年に勧告したままで食後2時間静脈血130mg/dL以上を糖尿病としていた。1979年に米国NDDGの75gGTT診断基準が設定されてからは静脈血漿空腹時120mg/dL以上、2時間値200 mg/dL以上を糖尿病、空腹時120mg/dL以下で2時間値140〜199mg/dLのものはIGTと呼称されIGTが明確に区分されるようになった。したがって、<A HREF="#table01" target="_self"><b>表1</b></A>ではIGTは前期に区分される。
<p />
　現在ではprediabetesという概念をもちこむと混乱が予想されるのでprediagnostic stageとした。そしてGTTが糖尿病基準を満した時点から初期（initial stage、onset stage）とした。しかしこの時点を指摘されないで次の早期（early stage）ではじめて診断される症例は現在でも少なくない。中には神経障害、網膜症などの症状が契機になって糖尿病を指摘される例もある。
<p />
　次が中期（intermediate stage）で、最も糖尿病らしい時期である。しかしこの時期でも膵島の機能が比較的保たれているときは続発症は軽く、インスリン分泌が障害されて高血糖がコントロールしにくい症例では続発症が進行しやすい。<A HREF="#table01" target="_self"><b>表1</b></A>に示した発病後の年数は筆者の経験的なおよその年数であり、また治療状態の良い症例では、最後まで中期にとどまり晩期に進行しない症例も多い。すべてが末期まで進行するわけではない。
<p />
　中期からさらに進行すると晩期（late stage、advanced stage）となる。活動的でなくなり、外見でも何か病気をもっているようにみえる。検査すると多くの異常がみられる。筆者らの研究でも1つの器官が障害されておれば他の臓器もそれぞれに障害されているのが実証された。これが治療が不充分であったり病勢が強い場合は、晩期から末期（terminal stage）に進行する。
<p />
　<A HREF="#table01" target="_self"><b>表1</b></A>には続発症の腎症、神経障害、網膜症について病期による程度を示した。腎症は近年は蛋白尿とともに微量アルブミン尿の検査が行われている。しかし久保田、山内らの生検を行って腎糸球体の組織像と対比した成績では、結節性病変があっても尿蛋白陰性例、尿蛋白陽性でも組織像正常例がある。したがって、正確に診断するにはクレアチニン・クリアランスなどで糸球体機能を検査することが必要である。無害の蛋白尿があるために無意味な食事制限を一生させられた、などということがないように注意が必要である。この点から筆者は<A HREF="#table01" target="_self"><b>表1</b></A>の中期からクレアチニン・クリアランスと血清クレアチニン値から「軽度」と「進行」とに分け、クリアランス35〜15mL/分のもの、血清クレアチニン3mg/dL以上を晩期とし、クリアランス15mL/分以下、血清クレアチニン5mg/dL以上は末期に区分した。]]>
        <![CDATA[<a name="table01">
<div align="center">
<table border="0" cellpadding="10"><tr><td align="left" class="moji3">
<b>表1　高血糖症の病期</b><br />
<img src="/gotoh/59/table01.gif" border="0" vspace="5" width="565"><br />
</td></tr></table>
</div>

<div id="main">

　神経障害は自覚症状（疼痛、しびれなど）、アキレス腱反射、知覚検査、自律神経症状を筆者の臨床経験をもとに病期に対応させた。廃疾的症状、感覚麻痺のあるものは末期とした。網膜症は網膜所見より病期が分けられるが、prediabelic stageにおいても網膜症が観察されることがある。健診のGTTで初めて糖尿病と診断されて経過観察した症例では、網膜症が観察されるのは平均8.6年である。
<p />
　さて大血管障害はどうであろうか。動脈硬化による脳梗塞、心筋梗塞、ASOは非糖尿病症例にも起こってくる。したがって、古くから糖尿病に特徴的な合併症とはみなされていなかった。筆者もこれを別個のものとして<A HREF="#table02" target="_self"><b>表2</b></A>にみるように併発症に分類した。動脈硬化疾患はIGTにもみられることから、IGTの時期より血糖コントロールを厳格にすべきであるという主張もある。しかしながら、DCCTやUKPDSでは10年間追跡した結果、前者ではHbA1cに約2％、後者で1％の差があったにもかかわらず心筋梗塞などの発症には有意の差はみられず、むしろ血圧のコントロールによる差の方が有意であったという。動脈硬化は加齢とともに進行するので糖尿病の罹病期間とともに増加する傾向はみられるが、コントロールの良否、治療法との関連など3つの特徴のすべてはみられない。
<p />
　以上により<A HREF="#table01" target="_self"><b>表1</b></A>のように病期を分類した。

</div>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>食事療法から夢の実現へ</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#006524" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=6524" title="食事療法から夢の実現へ" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2007:/gotoh//30.6524</id>
    
    <published>2007-12-28T05:19:11Z</published>
    <updated>2010-04-12T07:57:10Z</updated>
    
    <summary>1. 食事療法はどう変わったか 　糖尿病の治療はインスリンの発見によって大きく変...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="60" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. 食事療法はどう変わったか</div>

　糖尿病の治療はインスリンの発見によって大きく変わった。その発見も遠い昔のように思われるが、まだ100年にもなっていない。インスリン発見以前は、小児が糖尿病と診断されることは現代でいえば進行癌といわれるようなもので、食事療法はちょうど盆栽を育てるようなものであった。なるべく食べる量を少なくして血糖の上昇を抑え、同時に発育に必要な栄養をとらせることであったが、インスリンの併用なしにはそれは不可能なことであった。それで厳重な食事療法、飢餓療法も行われたわけである。<br />

　インスリンの発見以後は食事療法は大幅に緩和されて小児の発育は良好になった。しかし食事制限は厳しいものであった。インスリン療法の効果をみて炭水化物摂取の緩和を提唱したのはウィーンからニューヨークに移住したAdlersbergであり、わが国では山川章太郎教授（東北大）であった。はじめはなかなか受け入れられなかったが、1950年以後は次第にひろまり、特に食品交換表が学会より発行された1965年には、1日に炭水化物を250g以上とることが勧められるようになった。<br />

　さて、日本人の栄養摂取量をみると、<b>表1</b>にみるように1人当り炭水化物は400g以上、穀類は450g以上とっていたのであるが、1970年以後は急速に減少して400g以下となり、1990年以降は300g以下となり、炭水化物の摂取量も300g以下となり、2006年に264gとなった。このような日本人の食事量の変化によって糖尿病の人たちの食事のとり方も変わってきている。<br />

<div align="center"><table cellpadding="12" cellspacing="0" border="0" bgcolor="000000">
<tr><td valign="top" bgcolor="ffffff" align="left" class="moji3">

<div align="center">
<img src="/gotoh/60/zu01.gif" border="0" alt="日本人1人1日当たり栄養素摂取量の推移">
</div>
<br />

<b>表1　日本人1人1日当たり栄養素摂取量の推移</b><br />

<table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top">
<table border="0" cellpadding="10" cellspacing="0" class="moji3">
<tr><td valign="top" align="center" bgcolor="99ffff">年次</td><td valign="top" align="center" bgcolor="99ffff">エネルギー<br />（kcal）</td><td valign="top" align="center" bgcolor="99ffff">タンパク質<br />（g）</td><td valign="top" align="center" bgcolor="99ffff">動物性タン<br />パク質（g）</td><td valign="top" align="center" bgcolor="99ffff">脂肪<br />（g）</td><td valign="top" align="center" bgcolor="99ffff">炭水化物<br />（g）</td><td valign="top" align="center" bgcolor="99ffff">穀類<br />（g）</td></tr>

<tr><td align="center" bgcolor="ddffff">
1911〜15<br />
1921〜25<br />
1926<br />
1931〜35<br />
1946<br />
1950<br />
1955<br />
1960<br />
1965<br />
1970<br />
1975<br />
1980<br />
1985<br />
1990<br />
1995<br />
2000<br />
2006

</td><td align="center">

2110<br />
2310<br />
2249<br />
2170<br />
1902<br />
2098<br />
2104<br />
2096<br />
2184<br />
2210<br />
2226<br />
2119<br />
2008<br />
2026<br />
2042<br />
1948<br />
1891

</td><td align="center">

50.0<br />
58.0<br />
64.8<br />
64.0<br />
59.2<br />
68.0<br />
69.7<br />
69.7<br />
71.3<br />
77.6<br />
81.0<br />
78.7<br />
79.0<br />
78.7<br />
81.5<br />
77.7<br />
69.8

</td><td align="center">

&nbsp;3.0<br />
&nbsp;6.0<br />
12.7<br />
&nbsp;7.0<br />
10.6<br />
17.0<br />
22.3<br />
24.7<br />
28.5<br />
34.2<br />
38.9<br />
39.2<br />
40.1<br />
41.4<br />
44.4<br />
41.7<br />
37.5

</td><td align="right">

15.0<br />
17.0<br />
15.2<br />
15.0<br />
14.7<br />
18.0<br />
20.3<br />
24.7<br />
36.0<br />
46.5<br />
55.2<br />
55.6<br />
56.9<br />
56.9<br />
59.9<br />
57.4<br />
54.1

</td><td align="center">

444<br />
481<br />
463<br />
445<br />
383<br />
418<br />
411<br />
399<br />
384<br />
368<br />
335<br />
309<br />
298<br />
287<br />
280<br />
266<br />
264.4

</td><td align="center">

−<br />
−<br />
−<br />
−<br />
−<br />
476.8<br />
479.6<br />
452.6<br />
418.5<br />
374.1<br />
340.0<br />
319.1<br />
308.9<br />
285.2<br />
278.8<br />
270.1<br />
−

</td></tr></table>
1946年以降は厚生省国民栄養調査による。1950年以前の炭水化物は計算により求めた。<br />穀類は農林水産官房調査課、食糧有給表によ<nobr>る。</nobr>
</td></tr></table>
</td></tr></table></div>

　ドイツの食事療法は炭水化物の量を中心に考えられており、その量はBrot Einheit（パン単位）として、パンの炭水化物量にすれば何単位かというものであった。近年は米国でも炭水化物のcarboと先の部分をとって呼び、これで炭水化物の摂取量を決めている。わが国では、交換表を用いるエネルギー中心の食事療法から抜け出せない状況なので、カーボ・カウントを受け入れるには年月がいると思われる。<br />

　米国ではカーボの単位を炭水化物15gとしているが、最近のわが国の速効性インスリン治療に対応するカーボではカーボの単位を10gと計算しやすいようにしている。<br />

　わが国では食品交換表ができてから40年以上にもなるが、患者さん方にはこの食事療法が覚えにくく複雑なようである。もっと簡単で使いやすいものに作り替える工夫と努力をするべきであろう。カーボ・カウント法が出てきたのでわが国でも考えみる必要があるのではなかろうか。<br />

　食品交換法を専門職の人たちは良く理解していても、これを利用される患者さんたちが手軽に利用できないのでは問題である。現在、改訂が進められている日本糖尿病学会編「糖尿病治療ガイド」をみても、食事療法は従来のものと変わっていない。実情に即したものに替えることを考える時期に来ていると思われる。

<div class="title3">2. 家族数と食事</div>

　わが国で世帯構成人数が多かったのは1935年で1世帯当りの平均人数は5.03人で、3世帯同居は25.4％であった。3世帯同居はその後、急速に減少して1971年に17.0％、1986年に15.3％、そして2001年に10.6％となり、2004年に9.7％となった。これと対照的に、単独世帯は1960年には4.7％であったのが、1989年に20.0％となり、2005年に24.6％となっている。<br />

　すなわち時代とともに多世代同居が少なくなって単独世帯が多くなっている。したがって大勢の家族がいっしょに食事をすることは少なくなって、ひとりで食べているのが多くなった。また家族が多くても仕事や学校の時間などでそれぞれ別々の時間に食事をとることも多く、専業主婦が少なくなって主婦もパートで働くことが多くなっている。<br />

　さて、ひとりで食べる人口が多くなると、それに便利なように業界が反応するので、より生活しやすくなっていく。一方糖尿病食をとることになると、出来合いの調理された食品にはその内容や調味料の明示されていないものは避けなければならないことになる。便利な世の中になったが、いつも同じものにならないように注意も必要である。<br />

　また近年は市場の国際化によって生鮮食品も航空機で世界各地から供給されるので、有害物質の混入の有無にも注意が必要になった。

<div class="title3">3. 食事療法のチェックポイント</div>

　食事療法で大切なのは大まかなエネルギー量と蛋白質量である。蛋白質を多く含む食品と、それを1日にどれくらい食べればよいかを教えること、次は炭水化物を含む食品とその量である。<br />

　筆者は、朝、昼、夕食の時間と、主に食べるものを聞いている。また主菜、副菜なども聞いて、その人の嗜好や食事のとり方（食行動）も理解するようにしている。特に調理の仕方などから摂取量の多寡も推定できる。2〜4日間の食事の内容と量を書かせるのはもっとも効果的であり、秤量してあるときはその人の食事療法に対する意気込みもうかがえる。<br />

　このような調査をときどき行って血糖コントロールと対比してみれば食事に問題があるかどうかが評価できる。

<div class="title3">4. 夢が現実になる</div>

　2007年11月21日ヒト皮膚から人工多能性幹細胞を作るのに、京都大学 山中伸弥教授らとウィスコンシン大チームが成功したと報じられた。<br />

　したがって、インスリンを分泌するβ細胞集塊や膵島を作ることができれば、それを移植し、さらにそれらの細胞が血糖値の変動を感知してインスリン分泌量も加減することができるようになれば、糖尿病は完治できることになる。<br />

　そうなれば食事療法からも、インスリン注射からも、また低血糖の恐怖からも開放されることになる。これはもはや夢ではなくなった。この治療法の完成のために総力を結集すべきである。
]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>インスリン治療と注射量</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#006615" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=6615" title="インスリン治療と注射量" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2008:/gotoh//30.6615</id>
    
    <published>2008-01-30T10:37:35Z</published>
    <updated>2012-12-21T11:32:53Z</updated>
    
    <summary>1. インスリン治療の必要な高血糖の人 　糖尿病の治療は食事療法が基本である。し...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="61" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. インスリン治療の必要な高血糖の人</div>

　糖尿病の治療は食事療法が基本である。しかし自分が糖尿病になっていることを知らずにいて、体がだるい、のどが渇く、就寝後に排尿に起きるようになった、などの症状が現れて医療機関を訪れる方もいる。このような人の中には血糖が300mg/dL以上になっている方もいる。
<p />
　よく聞いてみると5年も前に健診で「糖が出ている」と注意されたことがあったが、自分としては何の苦痛もなく、仕事が忙しかったのでそのままにしていた、というのである。注意はされなかったのかと尋ねると、健診結果を受け取っただけ、とのこと。
<p />
　政府ではこれから健診に力を入れて、結果の悪い人には、十分説明・注意をし、フォローアップするという方針が<nobr>予告</nobr>されている。こうすることで成人病といわれた生活習慣病が減少して医療費が少なくて済むようになると予測してい<nobr>る。</nobr>
<p />
　しかし医者嫌いの人がいたり、病気がみつかると昇進のハンディになると受診しない人も出てくる。世の中、奴隷の集団でもないので、指示通りに動いてくれるのはどれくらいになるか。
<p />
　さて、もとに戻って、しばらく放置して糖尿病と診断される人達の中には上述のように血糖が300mg/dL以上になっている人もいる。このような人には入院していただいて、食事療法をし同時にインスリン療法をすれば血糖値は改善する。しかし仕事が忙しかったり、入院できない事情を抱えている方もいる。
<p />
　その場合は、外来でインスリン注射法を教えて、自宅で実行させるよりない。ひと昔前なら入院以外に方法がなかったが、現在は検査法も注射器具も簡単なものが開発されて、それが可能になっ<nobr>た。</nobr>
<p />
　使い捨て注射器が開発される以前は、ガラス製注射器を注射針とともにガーゼに包んで、小鍋で煮沸消毒し、それでインスリンの瓶からインスリンを吸い取り注射していた。ディスポーザブル注射器が開発されてから注射器の消毒がなくなり、インスリン療法はより実施しやすくなった。そして1985年にはノボ社がペン型インスリン注射器ノボペンを発売し、インスリン療法の実施がいっそう容易になった。ペン型注射器にはその後改良が加えられ、より実施しやすくなった。
<p />
　医師ではない糖尿病の人が自分の体であっても注射することは法律では認められなかった。したがって医療機関に遠い糖尿病小児は長く生きていることはできなかったのである（<A href="/gotoh/17/" target="_blank">No.17参照</A>）。インスリン自己注射が公認されたのは1981年6月であり、それまでは先進諸国では考えられないことが行われていたのであり、また日本糖尿病学会でもその問題を避けていた事情がある。
<p />
　現在ではインスリン治療が非常にやりやすくなってありがたく思っている。

<div class="title3">2. 血糖自己測定</div>

<table border="0" align="right" style="margin:10px 10px 10px 20px;" width="163">
<div class="moji3" align="center">
「自己管理ノート」<br />
<img src="/gotoh/61/61-3.jpg" vspace="5" alt="日本糖尿病協会「自己管理ノート」">
(社)日本糖尿病協会 発行
</div>
<br />
<div class="moji3" align="left">
「自己管理ノート」は2007年に改定された。下記写真は改定前の表紙。<br />
</div>
<div align="center">
<img src="/gotoh/61/61-2.jpg" vspace="5" alt="日本糖尿病協会「自己管理ノート」">
</div>
</table>

　インスリンの注射量は病状によって異なり、重症なほど多く、軽症なものほど少なくてよいのであるが、インスリンが効きやすい人と効きにくい人とがある。したがってインスリンの注射量は実際にやってみて反応をみなければわからない。
<p />
　幸い現在は血糖自己測定（SMBG: self monitoring of blood glucose）が簡単に行えるようになっている。1948年にKeilinとHartreeがブドウ糖酸化酵素を用い消費されるO<font size="-2">2</font>量を測定することによりブドウ糖を測定し、1956年にKestonとTellerがこの酵素系にperioxidase反応を組み合わせて比色定量法が考案されTes-Tapeが開発された。
<p />
　この比色を光学的測定系に取り入れた簡易測定器Reflectance meterが1970年にAmes社で開発、わが国でも1971年より用いられるようになったが、高価で（当時40万円といわれた）普及しなかった（日本医事新報 2475号 31頁、1972）。
<p />
　その後マイルス・三共社ではグルコスター／グルコスティックス系を開発市販、そして京都第一科学でグルテストを開発販売後は各社で次々に製品を発表している。わが国では価格破壊が起こらないようにしているためか、国産品でも米国で求める方が安価である。また1986年9月より血糖自己測定が健保適用となり普及している。
<p />
　このような状況にあるので、インスリン治療を在宅で行う人には血糖の自己測定を正確に覚えさせ、目の前でやれることをチェックすることが大切である。これが不正確に行われると治療に誤りが起こるこになり危険である。この血糖自己測定に必要とされる血液の量はきわめて微量なので、消毒用のアルコールが吸い込まれると低い値が現れる。
<p />
　実際はアルコールで皮膚を消毒しないで針を刺して血液を出しても化膿することは稀なので、アルコール消毒は測定が済んでから行ってもよいし省略してもよい。血糖の測定は<b>図</b>のノートに記入し医師に報告する。ノートは医師から支給される。

<div class="title3">3. インスリンの注射量</div>

　インスリンの注射療法の進め方には一定した方式はない。特に近年はインスリン製剤が多様化しているので、その中で手慣れたものを使用することになる。はじめにやりやすい方法を述べる。
<p />
　ご承知のように、膵島のβ細胞からは絶えず少量のインスリンが分泌されている。そして食物をとるとその食物に応じた量のインスリンが分泌される。前者の絶えず少量分泌されているのを基礎分泌、食物をとったときに血糖の上昇に対応して分泌されるのを追加分泌と呼んでいた。
<p />
　健常者で1日に分泌されるインスリン量は24〜37単位（平均31単位）（Genuth S、1973）で、超肥満の非糖尿病では114単位の例もあったという。このような健常者の成績をもとに、インスリンがほとんど分泌されていないと思われる糖尿病の人には1日体重kg当たり0.5〜0.7単位を注射すると言われている。
<p />
　空腹時血糖200mg/dL以上の身長170cm、体重80kgの男性には0.6単位/kgとすれば48単位となる。そこで毎食前15単位ずつ1日3回計45単位の注射から開始する。この量であれば不都合が起こることはない。インスリン製剤も多くの種類があるが、超速効型インスリンにゆるやかな中間型インスリンが混合されたもの、ノボラピッド30ミックス、ヒューマログミックス50などがよいと思われる。
<p />
　食事5〜10分前に15単位を皮下注射し、食事をとらせる。次の食事の前に血糖自己測定を行わせ、結果をノートに記入させる。やはり15単位を注射させる。このようにして1日3回注射し、3回食事をとる。
<p />
　翌朝も血糖を検査し同様のことを繰り返す。4、5日しても血糖が下がらず、かえって上昇するようなときは医師に連絡をとり指示を待つ。おそらく食事量が多いか、血糖を上げるなんらかの疾患が起こっていたり、血糖を高くするプレドニンなどの薬剤を服用しているときはインスリンの効果が現れにくい。
<p />
　4、5日して朝食前の血糖値が200mg/dL以下となり例えば185mg/dLになったとすれば、食後には250mg/dL以上になるであろうから、そのまま15単位1日3回続けていく。もし160mg/dL台になったら、低血糖がなければそのままの量の注射を続ける。120mg/dL台になったり、低血糖の症状が起こった場合には次回からインスリンを10単位に減量させる。もっとも恐いのは低血糖なので、低血糖については詳しく説明する（次回解説）。自動車を運転しているときに低血糖を起こすのがもっとも危ないのでその注意と対処法を具体的に話し理解させることである。
<p />
　インスリンの注射手技については実際にやらせて、正しく実践できることを確かめておくこと。実際にインスリンや生食水などで注射させてみること。在宅自己注射の場合には医師と連絡がとれるようにしておくことが前提である。インスリン注射量の減量も医師の指示で行うことである。

<div class="title3">4. 効果が現れたときの減量</div>

　低血糖が現れたり食前血糖が120〜140mg/dLまで改善した場合は、毎食前15単位ずつ注射していたのを10単位ずつに減量する。もし10単位に減量しても食前血糖が120〜140mg/dLのときは8単位1日3回にする。減量は急がずゆっくりやった方が治療の成功率がよい。
<p />
　インスリン治療のやり方にはいろいろな方法がある。少量から増量する方法や、持効型インスリンを用いる方法などもある。次回から解説する予定である。]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>インスリン治療と低血糖</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#006770" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=6770" title="インスリン治療と低血糖" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2008:/gotoh//30.6770</id>
    
    <published>2008-03-07T09:16:37Z</published>
    <updated>2009-08-18T09:03:49Z</updated>
    
    <summary>1. 血糖の恒常性 　糖尿病は血糖が異常に高くなる状態（高血糖）である。血糖は血...</summary>
    <author>
        <name>DM-NET</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="62" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. 血糖の恒常性</div>

　糖尿病は血糖が異常に高くなる状態（高血糖）である。血糖は血液に含まれるブドウ糖（グルコース）で、普通は500mLの缶ビールに小さな角砂糖（6g）の1/10個を入れたくらいの濃度である。炭水化物の多いものを食べると血糖は上昇して150mg/dLくらいになるが、糖尿病では　200〜300mg/dLにもなる。また1日絶食しても70mg/dL以下になることは少ない。事故などで1カ月間も食物をとらず、水だけをとっていても、血糖60〜80mg/dLでそれ以下になることはない。
<p />
　食物をとらないでも血糖が下がらないのは、体の脂肪や蛋白質が分解して脂肪酸やアミノ酸となって、それが肝臓でブドウ糖に合成されて放出されるからである。これを糖新生という。
<p />
　このように空腹状態でも血糖が保たれるのは、脳細胞はブドウ糖をエネルギー源としているので、それを確保するためである。心臓を拍動させるのは脂肪酸でもできる。脳細胞だけはブドウ糖が必要なのである。それでどうにかして血糖値を維持するように体ができている。

<div class="title3">2. 低血糖</div>

　糖尿病は高血糖なので、それを是正するためにインスリンを注射したり、インスリンを分泌させる薬などを服用する。しかしそれらが量が多すぎたり、食べる量が少なかったり、いつもより多く運動したり、力仕事をすれば、血糖の消費が多くなって血糖が下がりすぎる。
<p />
　血糖が60mg/dL以下は低血糖と言われている。しかし糖尿病の人は高血糖なので80mg/dLでも低血糖の症状を起こす人もいる。特に高齢だったり、脳血管障害のある人は血糖の低下に弱く、症状を起こしやすい。低血糖が進行すると意識が朦朧となり、もっと進行すると昏睡状態となり、いくら揺り動かしても反応しないようになる。この状態が長時間続くと血糖が回復しても植物人間になってしまう。手当が遅れれば死亡することもある。このように低血糖は危険なものである。したがって、よく知っておく必要がある。

<div class="title3">3. 低血糖の症状は多様で動悸・冷や汗だけではない</div>

　低血糖の症状として教えられるのは動悸と冷や汗が多い。しかし症状は多様で気付かないでいる症状が少なくない。症状の現れ方、その順序などはその人によってだいたい一定しているので、よく気を付けて、覚えておかなければならない（<b>表1</b>）。
<p />
<table border="0" cellpadding="15" align="right"><tr><td align="left" class="moji3">
<b>表1　低血糖の症状</b>
<table border="0" cellpadding="8" class="moji3"><tr><td>
<div class="info2">自律神経症状</div>
空腹感<br>
発汗<br>
動悸<br>
心拍数増加<br>
ふるえ（振戦）<br>
熱感<br>
顔面紅潮<br>
脱力感<br>
倦怠<br>
むかつき<br>
頭痛<br>
荒い呼吸<br>
四肢のうずき<br>
暑くて目がさめる
</td><td valign="top">
<div class="info2">脳機能低下の<nobr>症状</nobr></div>
□周のチクチク感<br>
めまい、しびれ、耳鳴り<br>
計算がおそくなる<br>
考えがまとまらない<br>
単純作業にミスをする<br>
人の話が聞きとれない<br>
物を落とす、ねむ気<br>
仕事遂行に努力がいる<br>
失語、片麻痺<br>
読む、話すのが困難<br>
呂律が回らない<br>
千鳥足（協調運動拙劣）<br>
二重視・霧視<br>
閃光暗点、視野の空白点
</td><td valign="top">
<div class="info2">気分の異常</div>
不安感<br>
冷静になれない<br>
いらいら感<br>
けんか腰（怒り）<br>
頑固<br>
あわてる感じ<br>
神経質<br>
疲労感<br>
悲しみ、不幸感<br>
抑うつ的<br>
多幸感
</td></tr>
</table>
<div class="moji3" align="center">
後藤由夫：千万人の糖尿病教室、文光堂、p93、2006
</div>
</td></tr>
</table>

　低血糖になると、なんとなく体が変だと思う、力が入らない、だるい感じがして仕事ができにくくなる、次第にものがはっきり見えなくなったり二重に見えたりする。手足が重く感じ、思うように動かない。口の周りや口の中がしびれたり、ピリピリする感じが起こったりする。口や舌の筋肉の動きも悪くなるので、呂律の回らない、酔っぱらっているような話し方になる。足がよろけて話が呂律が回らないので、酔っ払っているように見えるわけである。
<p />
　そのときすぐに糖質を食べさせたり、飲ませたりすれば10分もすれば正常になる。しかし、そのことを知らない人ばかりだったりすると、手当が遅れたり、とんでもないことが起こるわけである。例えば学校でそれが起これば、友達や教師が低血糖のことを知らなければ大変なことになる。取り返しのつかないことにならないように一緒にいる人たちには話しておくことがなによりも大切である。
<p />
　一番危険なのは自動車運転中に低血糖が起こることである。手足が思うように動かず、反応も鈍くなるので事故を起こすことになる。また、非常に重要な計器、メーターの監視を担当することなども要注意である。米国では以前、計器のミスで大事故（洪水）が起こったことがあったそうである。このようなことが起こると糖尿病をもつ人の職場が制限されることになりかねないので注意が必要である。睡眠中に起こるとどうなるか。低血糖になると大抵の人は暑くて目が覚めたり、怖い夢で目が覚めたりする。汗で気付く人も多い。
<p />
　軽い低血糖でも何度も起こすと脳細胞が障害されて知能低下なども起こ<nobr>る。</nobr>

<div class="title3">4. 低血糖を起こす状況</div>

　どんなときに低血糖を起こすか。食事をとらないとき、多いのはインスリンを注射して食事の準備をしているときに、来客があったり、急用ができたりして食事をとらないでしまうこと。このときは何か炭水化物を含む食物を少しでも食べて対応すること。
<p />
　また、インスリンを注射して食べるまで15〜20分くらいあるので、一風呂浴びてから食べようとして風呂に入ると、血行が盛んになってインスリンの効果が速く現れて低血糖になる。そのほかインスリンが効いて減量してもよい頃になっても減量しないで続けたときにも起こる。この場合は当然医師に連絡して用量を話しあうこと。医師の連絡先電話などを聞いておくこと。

<div class="title3">5. インスリン治療、低血糖についてのアンケート調査</div>

　我々は1999年-2000年にかけて、仙台、横浜、尼崎で日本糖尿病協会主催の講演会を開き、参加した人たちにアンケートを手渡し、後日479名の方から回答を得てそれを集計したのが<b>表2</b>である。
<p />
　この結果をみると糖尿病の人たちがどのようにインスリン治療に取組み、また低血糖をどのようにしているかを知ることができるので、参考にしていただきたい。
<p />
<table border="0" cellpadding="0" class="moji3"><tr><td>

<b>表2　インスリン治療と低血糖に関する調査</b><p />
<b>インスリン治療について</b><br>
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="10" class="moji3"><tr><td valign="top">

<div class="info2">A. 注射をすすめられたことは[n=269] 例数(％)</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="8" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) すすめられたことはない
</td><td valign="top" align="right">
153（57）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) すすめられて注射している
</td><td valign="top" align="right">
74（28）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) すすめられたがしていない
</td><td valign="top" align="right">
25（9）
</td></tr></table><br>

<div class="info2">B. 注射をすすめられてもしなかった理由［n=25］</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="4" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) 一生打つのがいやだから
</td><td valign="top" align="right">
9（36）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) 打たなくても大丈夫だと思うから
</td><td valign="top" align="right">
9（36）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) 打つのは最後の手段だから
</td><td valign="top" align="right">
8（32）
</td></tr><tr><td valign="top">
4) 上手く打てそうもないから
</td><td valign="top" align="right">
7（28）
</td></tr></table><br>

<div class="info2">C. 注射の指示の遵守状況［n=78］</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="4" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) 守っている
</td><td valign="top" align="right">
62（80）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) たまに打ち忘れる
</td><td valign="top" align="right">
13（17）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) よく打ち忘れる
</td><td valign="top" align="right">
0（0）
</td></tr></table>

</td><td valign="top">

<div class="info2">D. 注射を忘れるのはどんなとき［n=13］</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="4" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) 外食したとき
</td><td valign="top" align="right">
7（54）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) 他人の家で食事したとき
</td><td valign="top" align="right">
5（39）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) 旅行
</td><td valign="top" align="right">
4（31）
</td></tr><tr><td valign="top">
4) うっかりして
</td><td valign="top" align="right">
4（31）
</td></tr></table><br>

<div class="info2">E. 打ち忘れたときはどうしていますか［n=13］</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="4" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) 打たないで次回から指示どおりに
</td><td valign="top" align="right">
6（46）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) 次回に血糖値を測って調節する
</td><td valign="top" align="right">
3（23）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) 医師の指示を受けてから打つ
</td><td valign="top" align="right">
1（8）
</td></tr><tr><td valign="top">
4) 次回に少し多く打つ
</td><td valign="top" align="right">
0（0）
</td></tr></table>

</td></tr></table>

<b>低血糖</b><br>
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="10" class="moji3"><tr><td valign="top">

<div class="info2">A. 低血糖の説明をうけたか[n=355] 例数(％)</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="4" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) 受けた
</td><td valign="top" align="right">
319（90）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) 受けていない
</td><td valign="top" align="right">
19（5）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) 受けたかどうか覚えていない
</td><td valign="top" align="right">
17（5）
</td></tr></table><br>

<div class="info2">B. 低血糖の対処法を知っているか［n=355］</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="4" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) よく知っている
</td><td valign="top" align="right">
302（85）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) あまりよくわからない
</td><td valign="top" align="right">
36（10）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) 知らない
</td><td valign="top" align="right">
10（3）
</td></tr></table><br>

<div class="info2">C. 低血糖の対処法は［n=355］</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="4" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) いつも飴を持っている
</td><td valign="top" align="right">
170（48）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) 病院からブドウ糖をもらっている
</td><td valign="top" align="right">
122（34）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) すぐ食べられる何かを持っている
</td><td valign="top" align="right">
90（25）
</td></tr><tr><td valign="top">
4) ジュースや清涼飲料水を持っている
</td><td valign="top" align="right">
36（10）
</td></tr><tr><td valign="top">
5) いつもチョコレートを持っている
</td><td valign="top" align="right">
19（5）
</td></tr><tr><td valign="top">
6) グルコガンを用意している
</td><td valign="top" align="right">
13（4）
</td></tr><tr><td valign="top">
7) 対処法は特に考えていない
</td><td valign="top" align="right">
37（10）
</td></tr></table><br>

<div class="info2">D. 低血糖になったことがあるか［n=355］</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="8" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) ある
</td><td valign="top" align="right">
201（57）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) ない
</td><td valign="top" align="right">
149（42）
</td></tr></table><br>

</td><td valign="top">

<div class="info2">E. 低血糖の誘因となった状況［n=201］</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="4" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) 食事が遅れたとき
</td><td valign="top" align="right">
121（60）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) 運動したとき
</td><td valign="top" align="right">
83（41）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) 夜中（就寝中）
</td><td valign="top" align="right">
48（24）
</td></tr><tr><td valign="top">
4) 仕事が忙しいとき
</td><td valign="top" align="right">
38（19）
</td></tr><tr><td valign="top">
5) カゼをひいたとき
</td><td valign="top" align="right">
11（6）
</td></tr><tr><td valign="top">
6) 酒を飲んだとき
</td><td valign="top" align="right">
3（2）
</td></tr></table><br>

<div class="info2">F. 経験した低血糖の程度［n=201］</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="4" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) 食事・飲む物を自分で捕える程度
</td><td valign="top" align="right">
131（65）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) ほとんど気にならない程度
</td><td valign="top" align="right">
33（16）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) 他人の手助けが必要だった
</td><td valign="top" align="right">
12（6）
</td></tr><tr><td valign="top">
4) 意識がなくなかった
</td><td valign="top" align="right">
9（4）
</td></tr></table><br>

<div class="info2">G. 低血糖の経験者に―怖いと思うか［n=201］</div>

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="4" class="moji3"><tr><td valign="top">
1) 対処法を知っているので大丈夫
</td><td valign="top" align="right">
89（44）
</td></tr><tr><td valign="top">
2) 少し心配している
</td><td valign="top" align="right">
70（35）
</td></tr><tr><td valign="top">
3) 非常におそれている
</td><td valign="top" align="right">
31（15）
</td></tr><tr><td valign="top">
4) 特に気にしない
</td><td valign="top" align="right">
8（4）
</td></tr></table>

</td></tr></table>

後藤由夫ほか：新薬と臨牀 50 (3): 321-331、2001

</td></tr></table>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>糖尿病の性比</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#008560" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=8560" title="糖尿病の性比" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2009:/gotoh//30.8560</id>
    
    <published>2009-07-13T08:59:50Z</published>
    <updated>2010-04-12T07:56:22Z</updated>
    
    <summary>　糖尿病が男性、女性のいずれに多いかについては定説がない。動物の自然発症糖尿病は...</summary>
    <author>
        <name>Terahata</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="63" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[　糖尿病が男性、女性のいずれに多いかについては定説がない。動物の自然発症糖尿病は雄だけに起こるもの、雌に多いものなど多様である。
<p />
　19世紀のヨーロッパの糖尿病の統計をみると、男性が多く女性が少ない。1861〜1870年のイングランドとウェールズの糖尿病死亡数は男性4273人、女性2223人で1.9：1.0となっている。20世紀初頭のドイツの9つのクリニックにおける糖尿病患者の性比の平均を求めてみると2.4：1.0である。しかしながら1920年以後になると糖尿病は男性よりも女性に多くなる。つまり糖尿病は1920年頃までは男性に高頻度であったが、1930年頃から逆転し女性に多くなっている。この理由については誰も述べていない。筆者は当時の社会情勢の変化をもとに女性の社会的地位向上運動に伴う日常生活の変化が原因ではなかろうかと考えている。
<p />
　ヨーロッパでは1910年代に婦人たちが地位向上を求めて婦人参政運動を起こし、フィンランド（1906年）、ノルウェー（1913年）、ソ連（1918年）、英国（1918年）、米国（1920年）で参政権が認められた。この運動は家事労働の軽減や余暇時間の増加、軽食摂取の増加を招いたと思われる。
<p />

<div class="img" style="width:380px;">
<b>図1　Underwearの遍歴</b><br />
<img src="/gotoh/63/63-03.gif" border="0" vspace="5" />
<div align="left">
Joho Peacock著、バベル・インターナショナル訳：20世紀のファッション、グラフィックス社、1994年より
</div>
</div>

　しかし、より劇的な変化は衣装に現れているのではないかと考え、Pracockの「20世紀のファッション」を繙いてみた。その中で下着の変化をみると代表的なものを<b>図1</b>に示したように、1904年頃は鯨の髭や硬い木綿のコルセットでウエストを締め上げていた。コルセットを付けていれば食べる量も制限される。地位向上はこの窮屈なコルセットからの解放を求めたに違いない。1920年代になるとかなり開放的になり1930年代にはさらに進んでいる。この窮屈なコルセットからの解放により食事摂取量が増加して糖尿病の増加を招いたと思われる。
<p />
　日本臨床内科医会では2000年に糖尿病の合併症の調査を行った。集計された12,821例の年齢・性分布をみると20歳から50代までは女性に糖尿病が少なく、60代、70代になると逆に女性に糖尿病が多くなっている。中年以後に糖尿病が女性に多くなる現象は旧東ベルリンで観察されたことと同様である。中年以後に女性に多くなるのは妊娠に伴う性ホルモンの分泌が誘因であるとすると、わが国でも40代から増加するはずであるが、それがみられない。女性の50歳以後の肥満の増加と関連するのではないかと思われる（<b>表1</b>）。
<p />

<div class="img">
<b>表1　糖尿病の年齢・性別の分泌</b><br />
<table border="0" cellspacing="0">
<tr><td colspan="4"><hr size="1"></td></tr>
<tr><td align="center" class="info2">&nbsp;&nbsp;年齢&nbsp;&nbsp;</td><td align="center" class="info2">&nbsp;&nbsp;男性&nbsp;&nbsp;</td><td align="center" class="info2">&nbsp;&nbsp;女性&nbsp;&nbsp;</td><td align="center" class="info2">性比（男/女）</td></tr>
<tr><td colspan="4"><hr size="1"></td></tr>
<tr><td align="center">≦9</td><td align="right">6</td><td align="right">3</td><td align="center">2.00</td></tr>
<tr><td align="center">10代</td><td align="right">22</td><td align="right">51</td><td align="center">0.43</td></tr>
<tr><td align="center">20代</td><td align="right">74</td><td align="right">71</td><td align="center">1.04</td></tr>
<tr><td align="center">30代</td><td align="right">289</td><td align="right">140</td><td align="center">2.06</td></tr>
<tr><td align="center">40代</td><td align="right">416</td><td align="right">264</td><td align="center">1.57</td></tr>
<tr><td align="center">50代</td><td align="right">456</td><td align="right">364</td><td align="center">1.25</td></tr>
<tr><td align="center">60代</td><td align="right">261</td><td align="right">239</td><td align="center">1.09</td></tr>
<tr><td align="center">70代</td><td align="right">60</td><td align="right">51</td><td align="center">1.17</td></tr>
<tr><td align="center">80代</td><td align="right">3</td><td align="right">1</td><td align="center">3.0</td></tr>
<tr><td align="center">計</td><td align="right">1587</td><td align="right">1184</td><td align="center">1.34</td></tr>
<tr><td colspan="4"><hr size="1"></td></tr>
</table>
</div>

　わが国では、大戦後の食糧不足を補うために進駐軍に軍の食糧の放出を求めたところ、米国議会への実態報告が必要なのでどのくらい不足か調査するように言われ、急きょ栄養調査が行われた。1947年からは全国的に行われ、栄養調査の一環として行われた国民の身長・体重の平均値も公開されている。調査に協力した人数は限られていると思われるが、毎年ほぼ同様の方式で行われていると推測されるので、この値を用いてBMIを求めた。その数字をプロットしたのが<b>図2</b>である。
<p />
　この様式の図を最初に発表したのは1981年であるが、その後折に触れてその後の数字を加えて作図してきた。今回の図には2005年までの数字まで入れることができた。この図は、10代ごとの身長・体重の平均値から求めたBMI値を示してあるが、最下段の曲線だけは20代のものではなく20歳の男子と女子のBMIを示してある。20歳では体型が1950年代の「ずんぐり丸ぽちゃ型」から「八頭身のやせ形面長の体型」に変わったのをみるために、この年齢のBMIの図の最下段に示した。これをみると20歳の男性のBMIは全体としては上昇しているのに対し、20歳の女性のBMIは急カーブで低下して、我々の印象がそのまま数字として現れているのがわかる。近年は横ばいである。
<p />
　次に30代以上の男性のBMIについてみると、どの年代でも時代とともに上昇しているのがみられる。つまり男性は肥満傾向にあり、なおそれが続いているということができる。他方、女性についてみると、30代、40代では1970年〜1980年代頃を頂値としてそれから低下しているのがみられる。つまり中年女性が肥満を避けている状況をうかがうことができる。50代女性でもBMIの低下傾向がみられるが、60代、70代になると上昇傾向が続いている。
<p />
<div style="margin:0px 0px 0px 50px;">
<b>図2　日本人の年齢・性別BMIの年次推移（1948〜2005年）</b><br />
<img src="/gotoh/63/63-01.gif" border="0" vspace="5" />
</div>
<p />
　さて、1950年代より糖尿病診療を行っての印象としては、以前は60歳以後の女性の糖尿病はまれであったが、近年は70歳以降の女性の糖尿病が目立ち、しかもインスリン治療を必要とする重症例が多くなっている。
<p />
　このようにBMIの上昇、つまり肥満傾向が糖尿病を増やしていると考えられる。
<p />

<div class="title4">血糖値の年次推移</div>

<div class="img">
<b>図3　空腹時血糖値と景気動向指数（CI）の年次推移</b><br />
<img src="/gotoh/63/63-02.gif" border="0" vspace="5" /><br />
後藤由夫（2003）日本臨床内科医会会誌 18:386より引用
</div>

　日本人の血糖は、現代に比べて明治時代の人々は低値であったろうと思われる。残念ながら血糖値の測定法が変わったので比較することはできない。そこで我々は真の血糖値を測る時代になってからの血糖値の比較を行った。社会保険新宿第一検査センターでは多数が受診するので、北澤幸夫所長（当時）とともに数年間の空腹時血糖値の平均値を求めたところ、それが年々上昇していくことが判明した。
<p />
　別の年報には受検者の年齢性別の検査値の平均値が示されてあったので、それから年次別推移を求め新宿第一検査センターの成績とをつないだのが<b>図3</b>である。女性は男性に比べて5mg/dL以上低いが、両方とも空腹時血糖の平均値は年々上昇していくのがみられた。
<p />
　ところがこの上昇は1990年をピークに下降に転じた。筆者はこれは経済のバブル崩壊と関係するのではないかと菊地和聖教授（経済学、当時）に相談し景気動向指数として米国で開発されたcomposite indexを重ね合わせてみた。その結果は<b>図3</b>にみるように驚くほどよく一致した。このことは経済状態が糖尿病の発症にも関係することを間接的に示したもので、それまでこのような経済と病気との関係を明確に示した調査はなかった。]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>糖尿病と動脈硬化─高血糖は動脈硬化を促すか？─(1)</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#008699" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=8699" title="糖尿病と動脈硬化─高血糖は動脈硬化を促すか？─(1)" />
    <id>tag:www.dm-net.co.jp,2009:/gotoh//30.8699</id>
    
    <published>2009-08-18T09:00:18Z</published>
    <updated>2018-04-27T04:33:56Z</updated>
    
    <summary>1. 剖検糖尿病例の集計 　わが国では日本病理剖検輯報が1958年以来毎年発行さ...</summary>
    <author>
        <name>Terahata</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="64" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title4">1. 剖検糖尿病例の集計</div>

　わが国では日本病理剖検輯報が1958年以来毎年発行されている。筆者らは学生や看護学生等の御協力によって。毎年発行される輯報から、糖尿病の病名のある症例を拾い上げてそれを所定事項を記入するカードに転記することを行ってきた。この作業は1985年まで継続することができたのは皆様の御協力の賜物と深く感謝している。
<p />
　日本病理剖検輯報から収集した糖尿病例について、われわれが推定した死因を1つにして集計したものが表1である。実際には死因を1つに絞ることは困難であるが、剖検輯報の限られた記載事項から1つにしたものである。1958より85年までの28年の間には、人口ピラミッドの変化などもあり、それによる影響、医療技術、治療法の進歩なども加味して評価しなければならないわけである。
<p />
　この<b>表1</b>の死因の変化では糖尿病昏睡、糖尿病の悪化による死亡が時代とともに減少しているのが目につく。また感染症とくに結核死が激減している。そして増加しているのは血管障害で、脳血管障害、冠動脈疾患死が増加している。悪性腫瘍も全体としては増加している。これらはすべて一次性糖尿病例の死因である。
<p />
<div class="moji3" style="margin:0px 0px 0px 50px;">
<b>表1　日本病理剖検輯報より収集した一次性糖尿病のおもな死因の年次推移（％）</b><br />
<img src="/gotoh/64/64-01.gif" border="0" vspace="5" alt="日本病理剖検輯報より収集した一次性糖尿病のおもな死因の年次推移（％）" />
</div>
<p />
　さて、記載内容から二次性糖尿病と思われる症例を<b>表2</b>に示した。二次性と明記されていないので二次性糖尿病を起こす病変のある症例、たとえば膵石症、肝硬変、ステロイド糖尿病などは二次性とした。ステロイド糖尿病は一次性の素因である例に起こりやすいことはわかっているが、二次的な原因が加わっている点からそのように判断した。28年間の統計では一次性14,553例、二次性2,259例、合計16,812例となる。一次性86.6％で二次性13.6％となり、両者の割合は6.4：1.0となる。
<p />
<div class="moji3" style="margin:0px 0px 0px 50px;">
<b>表2　病理解剖糖尿病症例の成因（年代別）と二次性糖尿病の頻度</b><br />
<img src="/gotoh/64/64-02.gif" border="0" vspace="5" alt="病理解剖糖尿病症例の成因（年代別）と二次性糖尿病の頻度" />
</div>
<p />
　つぎに、血管障害の時代による変化をみるために死亡年齢を60歳代、70歳代にして、性別にして示したのが<b>表3</b>である。これをみると脳出血も脳梗塞も年次とともに％が変るあきらかな傾向はみられない。しかし心筋梗塞、冠動脈硬化は1980年以後に高率になる。これらの変化は環境の変化や医療技術の進歩により大血管障害が起こりやすく、また診断が容易になったことも関係しているのであろう。
<p />
　また、腎糸球体硬化も年次とともに増してゆく。これは、治療の進歩によって糖尿病になってから死亡するまでの期間が長くなったためと思われる。
<p />
<div class="moji3" style="margin:0px 0px 0px 30px;">
<b>表3　日本病理剖検輯報（1958-85年）より収集した60、70歳代の血管病変の頻度</b><br />
<img src="/gotoh/64/64-03.gif" border="0" vspace="5" alt="日本病理剖検輯報（1958-85年）より収集した60、70歳代の血管病変の頻度" />
</div>

<!-- ▼ 
<div class="title3">2. 糖尿病人口の増加</div>

　糖尿病人口の多寡は診断基準値の変化によって変ってくるが、一般人口の血糖値の変化をみても、年々上昇傾向がみられ、また敗戦直後の食糧難を切り抜けるために行った栄養状態および食餌摂取実態調査の延長にある厚労省の調査でも、糖尿病人口（HbA<font size="-1">1c</font> 6.1％以上）が増加している。
<p />
　さて、糖尿病の治療も多様化しており、それを理解し適切に対処するのも困難になっている。また高血圧の治療と大きく異なる点は、食事摂取が患者さんに任せられていることである。糖尿病の主病態である高血糖は、僅かの食事の超過でも影響を受けて大きく変動する。患者さんは理屈ではそれ以上を食べてはいけないことはわかっていても、食欲はそれよりも強い。また、そこに生甲斐もあると思うよりないので、収容所生活でなければ理屈通りの治療は困難である。
<p />
　現在、メタボ健診が行われている。肥満学会で腹囲の基準を決め、血圧、血糖、血液脂質の異常値があれば、指導の対象となる。計画はそれでよいのであるが、その成果は得られるかが問題である。やがて食糧不足がくるのがわかっている。束の間の幸せな時代にいることを意識させ、これを1年でも長続させる方策を考えさせるべきであろう。第2次大戦中の苦労、南方の島々で餓死に追われ、乏しい兵器で戦い斃れた兵士達（遺骨もそのまま放置）、敗戦直前の沖縄の人達の御苦労を思うにつけ、あの戦いをもっと早く終らせる決断が悔まれる。

<div class="title3">3. 高血糖と血管障害</div>

　1960年以前の糖尿病患者の多くは10年以上になると視力障害や腎障害、高血圧に悩まされた。当時は光凝固療法も人工透析療法も、そして有効な降圧剤もなかったからである。現在はそれらの糖尿病性3大合併症といわれるものに対する治療法は末梢神経障害を除いて大きく進歩した。これらの細小血管障害は高血糖に大きく左右される。
<p />
　では大血管障害macroangiopathyはどうであろうか。現在は大血管障害も高血糖で起こるという考えが一般的である。そして診断基準値から言えば境界型と判定される症例にも大血管障害がみられることから、大血管障害は境界型にも起こるのではなかろうかと推測されている。境界型の人は非常に多いので、もしこれが真実であるならば、非常に憂慮すべきことになる。
<p />
　境界域のような血糖値の軽度の異常によっても、あきらかな動脈硬化が起こるとすれば、高度の高血糖では、更に重症の大血管障害が起こることになる。コントロール不良の糖尿病患者には重症の動脈硬化性疾患が起らなければならない筈である。現在は高齢者にも1型糖尿病状態がみられる。また2型でコントロール不良の高齢者も多い。しかしそれらの人達の多数に大血管障害がみられるというエビデンスは認められない。
<p />
　糖尿病動物ではどうであろうか。動物飼育場の火災の後に交雑が起こり、現れたといわれるob/obマウス（obese hyperglycemic mouse）は腹の皮がはち切れんばかりに肥満している。高血糖も高度であるが、動脈硬化性疾患が起ったということは聞かない。その後のdb/dbマウスも同様である。また1970年代〜90年代に糖尿病をもつ多くの齧歯類がみつかったが、それらが著明な動脈硬化ももっているという報告はない。
<p />
　1940年代にアロキサンが作られ、その注射により動物に糖尿病が起こること（Dunnら1943）が見出され、1950年以後はわが国でも方々でその実験が行われた。もっとも興味を惹いたのは、家兎に高コレステロール食を与えると大動脈にアテローマが生ずることは50年前より知られていたので、糖尿病家兎ならば更に高度のアテローマが起こるであろうと推測された。わが国でも方々で実験が行われたが、その推測通りの結果を得た所はなかった。しかしその後1980年頃の折茂肇、丸浜喜亮、筆者の座談会の記事をみると、糖尿病には動脈硬化が起こることを当然のこととして話している。
<p />
　しかしその理由はあきかでなく高脂血症、LDLの上昇、低HDLをリスクとして論じている（1980年12月、第一製薬、アサヒメディカル）。その後は糖尿病人口が急増し、肥満と動脈硬化性疾患も増加している。

<div class="title3">4. 血糖コントロールが動脈硬化を防ぐか</div>

　今迄の報告でも熊本スタデイのように血糖コントロールは動脈硬化性疾患も防いでいるといわれ、UKPDSにもその傾向がみられたといわれている。しかし今後はより条件をマッチさせた多数例についてこの問題に決着をつけるべきと考える。
 ▼ -->]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>糖尿病と動脈硬化─高血糖は動脈硬化を促すか？─(2)</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/#010535" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="https://www.dm-net.co.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=30/entry_id=10535" title="糖尿病と動脈硬化─高血糖は動脈硬化を促すか？─(2)" />
    <id>tag:153.122.1.181,2010:/gotoh//30.10535</id>
    
    <published>2010-09-24T06:14:17Z</published>
    <updated>2014-11-12T10:14:00Z</updated>
    
    <summary>2. 糖尿病人口の増加 　糖尿病人口の多寡は診断基準値の変化によって変ってくるが...</summary>
    <author>
        <name>Terahata</name>
        <uri>http://www.dm-net.co.jp/</uri>
    </author>
    
        <category term="65" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.dm-net.co.jp/gotoh/">
        <![CDATA[<div class="title3">2. 糖尿病人口の増加</div>

　糖尿病人口の多寡は診断基準値の変化によって変ってくるが、一般人口の血糖値の変化をみても、年々上昇傾向がみられ、また敗戦直後の食糧難を切り抜けるために行った栄養状態および食餌摂取実態調査の延長にある厚労省の調査でも、糖尿病人口（HbA<font size="-1">1c</font> 6.1％以上）が増加している。
<p />
　さて、糖尿病の治療も多様化しており、それを理解し適切に対処するのも困難になっている。また高血圧の治療と大きく異なる点は、食事摂取が患者さんに任せられていることである。糖尿病の主病態である高血糖は、僅かの食事の超過でも影響を受けて大きく変動する。患者さんは理屈ではそれ以上を食べてはいけないことはわかっていても、食欲はそれよりも強い。また、そこに生甲斐もあると思うよりないので、収容所生活でなければ理屈通りの治療は困難である。
<p />
　現在、メタボ健診が行われている。肥満学会で腹囲の基準を決め、血圧、血糖、血液脂質の異常値があれば、指導の対象となる。計画はそれでよいのであるが、その成果は得られるかが問題である。やがて食糧不足がくるのがわかっている。束の間の幸せな時代にいることを意識させ、これを1年でも長続させる方策を考えさせるべきであろう。第2次大戦中の苦労、南方の島々で餓死に追われ、乏しい兵器で戦い斃れた兵士達（遺骨もそのまま放置）、敗戦直前の沖縄の人達の御苦労を思うにつけ、あの戦いをもっと早く終らせる決断が悔まれる。

<div class="title3">3. 高血糖と血管障害</div>

　1960年以前の糖尿病患者の多くは10年以上になると視力障害や腎障害、高血圧に悩まされた。当時は光凝固療法も人工透析療法も、そして有効な降圧剤もなかったからである。現在はそれらの糖尿病性3大合併症といわれるものに対する治療法は末梢神経障害を除いて大きく進歩した。これらの細小血管障害は高血糖に大きく左右される。
<p />
　では大血管障害macroangiopathyはどうであろうか。現在は大血管障害も高血糖で起こるという考えが一般的である。そして診断基準値から言えば境界型と判定される症例にも大血管障害がみられることから、大血管障害は境界型にも起こるのではなかろうかと推測されている。境界型の人は非常に多いので、もしこれが真実であるならば、非常に憂慮すべきことになる。
<p />
　境界域のような血糖値の軽度の異常によっても、あきらかな動脈硬化が起こるとすれば、高度の高血糖では、更に重症の大血管障害が起こることになる。コントロール不良の糖尿病患者には重症の動脈硬化性疾患が起らなければならない筈である。現在は高齢者にも1型糖尿病状態がみられる。また2型でコントロール不良の高齢者も多い。しかしそれらの人達の多数に大血管障害がみられるというエビデンスは認められない。
<p />
　糖尿病動物ではどうであろうか。動物飼育場の火災の後に交雑が起こり、現れたといわれるob/obマウス（obese hyperglycemic mouse）は腹の皮がはち切れんばかりに肥満している。高血糖も高度であるが、動脈硬化性疾患が起ったということは聞かない。その後のdb/dbマウスも同様である。また1970年代〜90年代に糖尿病をもつ多くの齧歯類がみつかったが、それらが著明な動脈硬化ももっているという報告はない。
<p />
　1940年代にアロキサンが作られ、その注射により動物に糖尿病が起こること（Dunnら1943）が見出され、1950年以後はわが国でも方々でその実験が行われた。もっとも興味を惹いたのは、家兎に高コレステロール食を与えると大動脈にアテローマが生ずることは50年前より知られていたので、糖尿病家兎ならば更に高度のアテローマが起こるであろうと推測された。わが国でも方々で実験が行われたが、その推測通りの結果を得た所はなかった。しかしその後1980年頃の折茂肇、丸浜喜亮、筆者の座談会の記事をみると、糖尿病には動脈硬化が起こることを当然のこととして話している。
<p />
　しかしその理由はあきかでなく高脂血症、LDLの上昇、低HDLをリスクとして論じている（1980年12月、第一製薬、アサヒメディカル）。その後は糖尿病人口が急増し、肥満と動脈硬化性疾患も増加している。

<div class="title3">4. 血糖コントロールが動脈硬化を防ぐか</div>

　今迄の報告でも熊本スタデイのように血糖コントロールは動脈硬化性疾患も防いでいるといわれ、UKPDSにもその傾向がみられたといわれている。しかし今後はより条件をマッチさせた多数例についてこの問題に決着をつけるべきと考える。
]]>
        
    </content>
</entry>

</feed> 

