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メトホルミンが緑内障の発症リスクを下げる可能性
2015年05月
 糖尿病薬メトホルミンの服用が緑内障の発症リスク低下に関連するとの研究報告が、「JAMA Ophthalmology」オンライン版に5月28日掲載された。10年間でメトホルミン服用量が最も多かった群では、非服用群に比べて緑内障の発症リスクが25%低かったという。

 研究を主導した米ミシガン大学眼科・視覚科学教授のJulia Richards氏は、「緑内障は世界の失明の第一の原因だ。最も多い開放隅角緑内障は中年期以降に生じることから、メトホルミンのようなカロリー制限を模倣する薬剤が緑内障リスクを低減するかもしれないと考えた」と研究背景を説明している。

 研究では、糖尿病患者15万人以上の過去10年のデータを後ろ向きに分析した。登録時には全員が40歳以上であり、追跡中に対象の約4%が緑内障を発症していた。

 分析の結果、メトホルミン服用量が2年間で1,110 g以上と最大の群では、非服用群に比べ、緑内障発症リスクが25%低いことが分かった。メトホルミン服用量が1 g増えるごとに緑内障発症リスクは0.16%低下した。1日2 gというメトホルミンの標準用量で2年間服用を続けると、緑内障リスクが21%低下すると推定された。

 このリスク低下は血糖値の低下を調整後も認められた。他の糖尿病治療薬と緑内障発症リスク低下との関連はみられなかった。

 Richards氏によると、メトホルミンが実際にどのように緑内障リスクを低下するのかは不明だ。また、この研究ではメトホルミンの服用と緑内障リスク低下との関連が認められたが、因果関係は証明されていない。

 米レノックスヒル病院(ニューヨーク市)の眼科医Mark Fromer氏によると、緑内障は眼球内の液体が過剰になり、適切に排出されない場合、あるいは眼球内の血管が損傷された場合に生じる。「メトホルミンは、こうした病態のいずれかに影響を与えるようだ」とFromer 氏。

 Fromer 氏はこの研究に参加していない立場から、この結果は魅力的だが、非糖尿病患者に緑内障治療のため、あるいは予防のためにメトホルミンを用いるのは問題だと指摘。「血糖値が下がりすぎる可能性があるため、非糖尿病者はメトホルミンを用いるべきではない。医師によって慎重に監視されずに用いると重大な結果を引き起こしうる薬剤だ」と述べている。

 しかしRichards氏は、メトホルミンを非糖尿病者の緑内障の治療に用いることは可能かもしれないとし、「本研究は糖尿病患者を対象としたもので、結論は糖尿病患者だけに当てはまる。非糖尿病者にもこの知見を拡大できるかどうか、緑内障を発症している患者への進行予防に用いることができるかどうかについてはさらに検討する必要がある」としている。

Diabetes Drug Metformin May Lower Glaucoma Risk

[2015年5月28日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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