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厳格な血糖管理は2型糖尿病患者の心臓を守る
2015年06月
 厳格な血糖管理は2型糖尿病患者の心疾患を抑制することが、「New England Journal of Medicine」6月4日号に掲載の研究論文で明らかにされた。

 米退役軍人臨床管理研究センターおよび米ミシガン大学のRodney Hayward氏らによる報告で、厳格な血糖管理が行われた群では心筋梗塞、脳卒中、心不全、下肢切断に至る率が17%減少していた。しかし、血糖管理だけで全死因死亡は減らず、血圧および脂質の改善も必要であることが示されたという。

 「糖尿病患者では定期的な運動に健康的な食生活、禁煙に加えて、スタチンを服用し、血圧を管理し、HbA1c 8%と中程度に管理することで、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクを劇的に下げることができる」とHayward氏は述べている。

 糖尿病管理に重要な指標であるHbA1cは、過去2〜3カ月の平均血糖値を推定する値だ。米国糖尿病協会(ADA)によると非糖尿病者の正常なHbA1cは5.7%未満、糖尿病前症の場合5.7〜6.4%だ。糖尿病の場合は通常6.5%以上となる。

 ADAのガイドラインは一般的な目標値としてHbA1c 7%以下を推奨しているが、それが個人の目標値として適切かどうかは担当の医師と相談することを勧めている。低血糖による重篤な反応が起きるのを避けることが重要だからだ。

 Hayward氏らは今回、すでに結果報告されている退役軍人糖尿病試験(VADT)の参加者約1,800人を追加で追跡した。VADTは、2型糖尿病患者を厳格管理群と非厳格管理群に無作為に割り付けて介入し、厳格管理によって主要心血管イベントの発生率は有意に下がらないと結論した試験だ。介入中の平均HbA1cは厳格管理群で6.9%、非厳格管理群で8.4%だった。

 平均約10年にわたる今回の追跡の結果、厳格管理群では非厳格管理群に比べ、心筋梗塞、脳卒中、新たな心不全、心不全の増悪、下肢切断のリスクが有意に低いことが明らかになった。しかし心疾患や他の原因による死亡については、厳格管理によるリスク低下はみられなかった。

 Hayward氏はこの結果について、「(全死因死亡といった)複合的な結果を改善するには、良好な血糖管理と他の心血管危険因子の管理をともに行うことが重要であると裏付けるものだ」と述べている。

 米モンテフィオーレ医療センター(ニューヨーク市)臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は本研究に参加していない立場から、「厳格な血糖管理は介入終了後も数年間にわたって心筋梗塞や脳卒中リスクを低減する(レガシー=遺産効果がある)と言われている」と説明。

 2型糖尿病患者は診断当初から積極的な治療が必要とされるが、これは合併症を予防するためだとして、「患者が自分のことを健康だと感じられる時期は、積極治療によってその後何年にも及ぶ大きな便益が得られる時期でもある。より早期に、より積極的に治療することがよりよい結果につながる」と述べている。

Tight Blood Sugar Control Helps the Heart in Type 2 Diabetes

[2015年6月3日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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