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腸内細菌A. muciniphilaが代謝性疾患の治療標的に
2015年06月
 消化管に生息するある種の腸内細菌が、食物の吸収過程に影響を及ぼし、減量に寄与する可能性が、フランスの小規模な研究で示された。

 この腸内細菌はAkkermansia muciniphilaと呼ばれ、腸内細菌全体の3〜5%を占めるもの。今回の検討によると、このA. muciniphilaは高繊維食の摂取に関連し、血糖値や血中インスリン値、脂質値を下げ、肥満や糖尿病、心疾患などの予防に効果的な可能性が示唆されたという。

 研究を主導したピティエ‐サルペトリエール病院心代謝栄養研究所所長のKarine Clement氏は、「この腸内細菌は、糖尿病をはじめとする代謝性疾患の新しい治療標的となりうる」と指摘している。

 また、同氏によると、A. muciniphilaは、他の腸内細菌のエネルギー源となりうるさまざまな物質を産生し、他の有益性が高い細菌の増加をもたらす可能性もあるという。この知見は、「Gut」オンライン版に6月22日に掲載された。

 同氏らは、肥満または過体重の49人(うち女性が41人)を対象に、6週間のカロリー制限期間(低カロリー・高蛋白・高繊維食を摂取)に続き、6週間の体重維持期を設けた介入を実施。介入の前後に、腸内のA. muciniphila および他の細菌量のほか、空腹時血糖値、脂質値など、腹部脂肪に影響を及ぼす因子について検討した。

 その結果、ベースラインの腸内A. muciniphila 量は、空腹時血糖値や血中インスリン値、ウエスト周囲長と逆相関を示した。ベースラインのA. muciniphila 量が多かった群では、カロリー制限後の空腹時血糖値やインスリン値、体脂肪分布が最も改善していた。

 さらに、A. muciniphila とともに他の腸内細菌量も多かった群では、血糖値および脂質値が最も低く、体脂肪の分布が最良のパターンを示した。

 なお、腸内細菌の量は糞便試料から算出しており、実際の腸内における量を正確に反映したものかどうか、また、こうした腸内細菌量の変化がカロリー制限終了後も継続されるかどうかは明らかではないという。

 米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターの上級臨床栄養士であるSamantha Heller氏は「どの腸内細菌がヒトの身体にどういった影響を及ぼすのかの研究が進むなか、善玉菌のバランスが重要だと考えられている」とし、「野菜中心の食事や定期的な運動、十分な睡眠が腸内細菌叢の健康維持に不可欠であることが知られているが、体重管理の面では、この分野は新しく注目される」と指摘。

 一方で、肥満には、過剰なカロリー摂取、加工食品やジャンクフード、ファストフードの摂取、座りがちな生活習慣など、さまざまな要因が関連していることから、「たった1つの腸内細菌で肥満を引き起こす不健康なライフスタイルを帳消しにできるわけではない」との見解を述べている。

Exercise May Have Benefits Beyond Fitness in Type 2 Diabetes

[2015年6月23日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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