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健康的な近隣環境で2型糖尿病発症リスクが低下
2015年06月
 健康的な食品が手軽に入手できる、あるいはジムやウォーキングなどの運動がしやすい近隣環境の居住者は2型糖尿病の発症リスクが低下することが、新しい研究で示唆された。糖尿病発症リスクは、前者の環境では12%、後者の環境では21%それぞれ低下することがわかったという。

 「2型糖尿病の予防介入の多くは、個人の行動変容への努力に大きく依存している。この研究は、こうした個人ベースの介入プログラムを補完する際に、近隣の環境を考慮する必要性を指摘するものだ」と、研究を主導した米ミシガン大学公衆衛生学部(アナーバー)のPaul Christine氏は述べている。

 ただし、同氏は、健康的な食品が入手しやすい環境について、「単に、近所にスーパーマーケットや青果店があるだけでは糖尿病発症リスクの低下にはつながらない」とも指摘。こうした食品の購買能力があるかどうかも重要な因子だとしている。この知見は「JAMA Internal Medicine」オンライン版に6月29日掲載された。

 研究の対象は、住民ベースのコホート研究であるMulti-Ethnic Study of Atherosclerosis(MESA)に参加した、ベースライン時に45〜84歳で、2型糖尿病の既往のない5,124人。2000〜2012年にわたり、健康的な食品や身体活動の資源などの近隣環境への長期的な曝露と糖尿病発症との関連を検討した。

 その結果、中央値8.9年の追跡期間中に、対象中616人(12%)が2型糖尿病を発症した。2型糖尿病発症リスクは、健康的な食品が入手しやすい住民で12%、運動がしやすい環境にある住民では21%それぞれ低下した。

 また、新規の2型糖尿病発症者の患者背景をみると、黒人およびヒスパニック系の人種、低収入・低学歴、過体重あるいは肥満、2型糖尿病家族歴を有する人の割合が高く、発症者では日ごろから健康的な食生活や運動の実施頻度が低いことがわかった。

 共著者の1人で、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)健康コミュニティセンター所長のNancy Adler 氏は、「2型糖尿病の予防には社会的・行動学的な要素が重要な役割を担うのは明白だが、環境を整備するだけでは不十分であり、個々人が生活習慣是正の有用性を理解し、積極的に改善に取り組むことが不可欠だ」との考えを示している。

 Christine 氏は「生活習慣をより健康的なものに改善できるよう、地域の環境整備が2型糖尿病発症予防につながる」との見解を示しているが、現実には、その実現は容易ではないことも認めている。

 なお、同氏は「今回の研究では、2型糖尿病発症率と近隣環境との関連性が示されたが、これらの因果関係を証明するものではなく、今後のさらなる検討が必要だ」と付言している。

Diabetes Rates Fall in Neighborhoods With Healthy Food, Parks and Gyms

[2015年6月29日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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