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糖尿病治療薬でパーキンソン病リスク低下か
2015年07月
 ピオグリタゾン(商品名:アクトス)やrosiglitazone(商品名:Avandia、国内未承認)などの世界中で広く用いられているチアゾリジン系の糖尿病治療薬が、パーキンソン病予防に働く可能性が、英ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院(LSHTM)の研究グループによる新しい研究で示された。

 これは、チアゾリジン系薬を新規に処方された英国の糖尿病患者約4万4,600人と、年齢や性、診療状況などを一致させた他の糖尿病治療薬を処方されている糖尿病患者約12万人の医療記録を比較した、後ろ向きコホート研究。LSHTMのRuth Brauer氏らは、糖尿病治療にチアゾリジン系薬が導入された1999年から2013年まで追跡を行った。

 その結果、チアゾリジン系薬服用群では、服用歴のない患者群に比べてパーキンソン病発症率が28%低下していることがわかった。この関連は、パーキンソン病の予測因子である喫煙や頭部外傷などの因子を調整後も認められたという。

 しかし、チアゾリジン系薬の服用歴を過去・現在別に解析したところ、パーキンソン病発症リスクの低下は、現在服用している患者でのみ認められ(41%のリスク低下)、過去服用したが中止している患者や、別の糖尿病治療薬に変更した患者では、この関連性は認められなかった。

 この知見について、Brauer氏らは、「PPARγ活性がパーキンソン病の治療標的となる可能性を示している」と述べている。同時に、「糖尿病患者がこの薬剤の服用を中止すると、パーキンソン病予防のベネフィットも消失する可能性がある」とも指摘している。

 米レノックスヒル病院(ニューヨーク)内分泌科医であるMinishaSood氏は、この知見を「チアゾリジン系薬が糖尿病患者のパーキンソン病発症を予防する可能性を示したのは素晴らしい成果だ」と歓迎する一方、知見の確証にはさらなる研究が必要であると付言している。

 マイケル・J・フォックスパーキンソン病リサーチ財団の資金により実施されたこの研究は、「PLoS Medicine」オンライン版に7月21日掲載された。

 なお、論文著者らによると、この知見は、チアゾリジン系薬が脳神経保護に働く可能性を示唆する先行の基礎研究に基づいて実施されたもので、因果関係を証明するものではないとしている。

Common Diabetes Meds Tied to Lower Risk for Parkinson's

[2015年7月21日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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