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インスリン抵抗性がアルツハイマー病リスクと関連か
2015年07月
 前糖尿病状態に伴う血糖の正常高値でも、アルツハイマー病リスクが高まる可能性が新しい研究で示唆された。

 インスリン抵抗性とは、2型糖尿病発症に先立って認められる血糖値が正常高値を示す状態を指し、今回、このインスリン抵抗性が、中年後期の成人における記憶力テストのスコア低下と関連することがわかった。

 研究を主導した米ウィスコンシン大学マディソン校のBarbara Bendlin氏は、この結果は、インスリン抵抗性により、脳内での糖代謝に変化が生じることでアルツハイマー病リスクが高まることを示唆するものであり、「中年期に末梢のインスリン抵抗性を低下させれば、アルツハイマー病リスクが低減できる可能性がある。薬物療法と生活習慣是正によってこれが実現できるかもしれない」と述べている。

 ただし、米ファインスタイン医学研究所Litwin-Zuckerアルツハイマー病研究センター(ニューヨーク州)のLuca Giliberto氏(今回の研究には参加していない)は、今回の研究は、インスリン抵抗性がアルツハイマー病を引き起こすとは断定できておらず、「血糖値の低下がアルツハイマー病予防になるかどうかは不明だ」と指摘している。

 Bendlin氏らは、認知機能が正常な成人150人(平均年齢60.7歳)を対象に、認知機能検査と空腹時血糖測定、FDG-PET検査を行った。

 対象の約7割が両親にアルツハイマー病既往をもち、約4割がアルツハイマー病高リスクに関連する遺伝子変異(ApoE4)保有者で、約5%は2型糖尿病患者だった。

 その結果、インスリン抵抗性の増大は、脳領域全体の糖代謝低下と関連することがわかった。なかでも、即時記憶の低スコアは、左側の内側側頭葉(MTL)での糖低代謝低下と関連していた。

 この報告は、「JAMA Neurology」オンライン版に7月27日掲載された。

 米マウントサイナイ病院(ニューヨーク市)Cognitive Healthセンター長のSam Gandy 氏(今回の研究には参加していない)は、「アルツハイマー病は、脳内細胞間のシグナル伝達異常による疾患と捉えられてきたが、今回の検討から、インスリンシグナル伝達障害による可能性が示唆された」と述べており、こうした機序が明らかにされれば、「糖尿病治療薬のピオグリタゾンなどにより脳内のインスリンへの感受性を高めることで、アルツハイマー病の悪化を遅らせられるかもしれない」と付言している。

 さらに、Giliberto氏は、まずは健康的な生活を送ることが、血糖管理や健康を保つうえで最良の方法であると強調しつつ、「脂質・血糖値やインスリン抵抗性を改善することが、糖尿病やアルツハイマー病、認知機能低下などのリスクを低減させるかもしれない」と述べている。

High Blood Sugar May Boost Alzheimer's Risk

[2015年7月27日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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