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体脂肪を減らすには?――糖質制限よりも脂質制限が有効か
2015年08月
 肥満者の体脂肪を減らすには、糖質制限よりも脂質制限のほうが有効なことが、新しい研究で示唆された。

 「Cell Metabolism」オンライン版に8月13日掲載されたこの知見は、米国立衛生研究所(NIH)の研究者らが、肥満の成人19人の減量状況を追跡して得たもの。研究を主導した米国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所(NIDDKD)のKevin Hall氏は、「今回の結果は、糖質制限を支持する最近の流れに一石を投じるものだ」と述べている。

 糖質を制限すると、血糖値やインスリン値が改善すると考えられているが、今回の検討では、糖質制限と脂質制限でインスリン値などの指標に差はみられなかった。また、脂質を制限すると、糖質制限よりも体脂肪の減少幅がより大きいことがわかったという。

 今回の対象は、平均BMIが約36の肥満成人19人(うち男性10人。米国では30以上を肥満、日本肥満学会の基準では25以上を肥満と定義している)。

 対象者には、NIC臨床センターの「メタボリックユニット」に数週間入院してもらい、はじめの2週間は脂質制限食を摂取し、続く2週間は糖質制限食を摂取してもらった。どちらの場合も、最初の5日間は糖質50%、脂質35%、蛋白質15%で構成されたバランスのよい食事をとってもらい、続く6日間は脂質または糖質量をそれぞれ30%減らし、ベースライン食よりカロリー摂取量も30%制限した。

 その結果、1日あたりの体脂肪減少量は、糖質制限群では53gだったのに対し、脂質制限群では89gと有意な差がみられた。減量効果は、脂質制限群より糖質制限群で大きかったが(1.8kg対1.4kg)、Hall氏らによるとこれは水分消失量の違いによるものだとし、肥満治療には脂質制限のほうが重要だと述べている。

 また、同氏らは、「脂質制限による減量効果は時間の経過とともに消失した。減量を行うには、どのようにカロリーを摂取するかよりも、総カロリー摂取量の制限のほうが重要だ」と付言している。

 これには、米テキサス・サウスウェスタン大学医療センター(ダラス)臨床栄養学准教授のLonaSandons氏も同意見で、「カロリー源が何であれ、減量には総カロリー摂取量が最も重要な要素だ。ただし、カロリー源に注意を払うべきではないという意味ではなく、栄養素に富んだ食物からのカロリー摂取が最良の手段だ」と指摘している。

 付随論説を執筆した米タフツ大学(ボストン)Jean Mayer USDAヒト加齢栄養学研究センター長のSusan Roberts 氏は、「今回の知見から、“すべての炭水化物は、体重管理するうえで悪者だ”とする誤った認識が改められるだろう」と指摘している。

Low-Fat May Beat Low-Carb Diet for Trimming Body Fat: Study

[2015年8月13日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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